第34話 友人と彼女とー3
ペットボトルとグラスを持ってリビングに戻る。
水を飲んでから先ほどとは違う動画を再生する。
大介以外がカメラを持っているようで、何度か上を向いたり下をしていたが、少しすると大介の姿を画面に捉えた。
人間の姿から獣の姿に変身するライカンスロープの一団と遭遇していた。
獣人の戦士が相手方の一人と何か交渉をしていたが、決裂し、戦闘になったようだ。
大介が襲いかかってきた1頭のオオカミを切り倒すと、振り向きざまに変身前の人間の姿の別の敵に剣を突き刺した。
その後は敵味方入り混じった乱戦になり、カメラマンも参戦したらしく、動画が終わった。
(いくらモンスターが相手でも、人間を表情も変えずに斬れるのか?
あっちはやらなきゃやられる世界だけど・・・。
ゴキブリを叩くのも嫌がって、殺虫剤ですら俺たちに頼んでいたダイちゃんだぞ。
こっちに戻ってきてからが不味い。
明らかに暴力行為への耐性が薄くなっている・・・。
ダイちゃんのメンタルケアは・・・惣三郎さんかなぁ)
「アッちゃんたちには見せられないな」
ノートパソコンを閉じるとレザーのトートバッグにしまって立ち上がる。
スマホを見ると5時を過ぎていた。
カーテンを開けると、朝日が登ってくるのが見えた。
逆に少しの眠気を覚え、寝室に戻り、静かにベッドに入る。
「・・・昨日のお仕事?・・・大丈夫?」
「ごめん。起こしちゃった?大丈夫。ありがと。まだ5時だからもう少し寝よう・・・」
マコトはハルカの体温を感じながら眠りに落ちていった。
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