第11話 初めてのリングフィット
なんだかんだとダイエットを先延ばしにしてきたアサヒだったが、健康診断の結果を見て、重い腰を上げることにした。
それでも、痩せたいとは思うがジムに行くのは抵抗感がある。
ジョギングは天気に左右されるから微妙・・・。
運動をやりにくい理由がないわけではない。
自宅で手っ取り早くできる運動は何か無いか・・・。
そんなアサヒは、やっと部屋の片隅に置いてあった『リングフィットアドベンチャー』に目を向けた。
「とりあえず、せっかく買ったしプレイしてみようか」
******
このゲームのアドベンチャーモードは、ジョギングやスクワットをしてフィールドコースを駆け抜けて、遭遇するモンスターをフィットネススキルで薙ぎ倒し、ゴールを目指すモードだ。
たくさんのワールドがあって、それぞれにユニークなキャラクターが住んでいる。
住人が投げかけてくる依頼をフィットネスで解決して、ワールドの最後に待ち受けるボスを倒そう。
リングコンを押し込んで腕を鍛えるメニュー、水平に持ったリングコンを左右にふってお腹を引き締めるメニュー、ジョギングして脚を鍛えるメニューなどがある。
特にジョギングはフィールドコースを走り抜けるのに多用する。
アサヒの部屋はマンションの3階。
鉄筋コンクリート製でそれなりに防音性の高い建物だが、上の階の住人が走り回れば音が響く。
100キロ近い体重が走れば2階からクレームが来ることは避けられないだろう。
こう言った事情に対処できるように、ゲーム内でサイレントモードを設定できる。
一番振動が出やすいジョギングの代わりに軽いスクワットを行うことでゲームを進められる。
下の階の住人に迷惑にならないことを確認したアサヒは、サイレントモードに設定してからゲームをスタートした。
プレイヤーの分身となるキャラクターに名前をつける。
男性と女性の二つから選べたので、アサヒは男性を選択した。
名前はそのまま『アサ』。実にやる気がない。
さて、ゲームを開始すると、謎の黒いリングから『出してくれ』と騒ぐ声がする。
指示に従ってリングコンを引っ張ると、中からマッチョなドラゴン『ドラゴ』が現れた。
どうやら封印を解いてしまったようだ。
残されたリングが輝いて、金色の顔が出てきて話しかけてきた。
名前は『リング』。『ドラゴ』を追いかけてくれるようにお願いされる。
『ドラゴ』の発する黒いオーラは、モンスターを凶暴化するらしい。
『リング』のスキルでモンスターを倒しながら、『ドラゴ』を追うのがストーリーのようだ。
大体のシステムを理解したアサヒは、リングの指示に従ってフィールドを走り出した。
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