第8話
とはいえ自分はその男がどういう存在であるかということがはっきりとわかるまでは何も言えることはないためそのまま様子を伺うことに専念することにしたのであったが……それからというものの目の前にいたはずの男は姿を消してどこか別の場所へと移動してしまったみたいであったので自分にとってはほっとしていた……のだがどうもこの男の近くにいてしまったということもあって自分のことをじろじっと見てくる人物が居るということを感じ取れるようになってきていることに気が付いていった……。そしてそのことを疑問として持ちながらも警戒をしていたつもりだったのだが全く気が付くことができておらず何者かの手によって拘束をされたまま連れ出されてしまっていた……だがここで自分がこれから起こるかもしれない事を考えたとしても意味が無いと言えるだろう、というのも今の自分ではそれについて知ることができないと判断するしかない事だという事を考えて分かると何故か冷静になれていくようになったのだった……(その状況に違和感を覚え続けていたところで突如後ろから聞こえてきて来る声を聞きその瞬間思わずびくっとなり体が震えだし心臓の鼓動が激しく動き出した……そのようにして自分の体に異変が訪れたせいなのか自分は咄嵯の判断によって動くことが出来ずにいる内に何かを刺されている感触がしたと思うと急に眠くなりその感覚のままゆっくりと目を閉じるかのように視界が暗くなった……そしてそこから先の記憶は無かったのだ……。
……んぅ……何が起こってたっていうことなんだか全然わからないんだよ だって目を開けたらそこは見知らぬ森の中であって周りを見たとしてもやっぱり何処にも森が広がっているだけでありまして……。
うーんと、でもまずここはどこなのかを調べてみないと……分からない事だらけの状況だけど調べるために色々と行動していくように頑張らないとっ!!! 取り敢えずここから移動する事にしないと駄目だからどうするべきかと悩んだ所で一ついい方法が見つかったぞっ!その方法は誰か人が住んで居たりと出来る限り街へ辿り着いてそこで情報を貰うのがいいんじゃないだろうかという考えだ!さあて、じゃあその方針を元にして進んでいこうっ。
そうしてこれからのことを進める為に頑張ってみる事にしたのでした……ただこの時にふと考えてしまう事があるのですが自分が異世界に来てしまったという事実が存在しているとしたらこういう異世界召喚ってやつって現実に起きた出来事だということになるんだろうけれどこれは何かの小説とかアニメの中での出来事だとばかり思っていたわけなのだけど……。
まさかね……そんな風に思いながら森の中に一歩また足を踏み入れようかどうかを考えていた時です。その時突然大きな雄たけびのような音がして驚き飛び跳ねそうになった。……えっと……うん大丈夫ですよ 大丈夫だから驚かないのですよ……ほぉほんなもん驚かへんか いっちょんびっくりせんわい こちとっちゃあ今からもっと驚くことがあるかもしれねぇからのうっ!!!はぁ……いや別に怖ぇぇぇぇぇぇ!!訳でもないんだけどいきなりだから余計ビックリしただけやからなぁ!!それにしたってどうして自分がこんな場所にいるのかを考える必要がありそうだと思っていたのですが、まさかそれが本当に起きていることとは考えていなかったんですよね。……なのでちょっと驚いただけです
(まぁそんなことを思っている場合では無くなっていましたのですぐに気持ちを切り替える為に頭を抱え込んでしまったもののなんとか気を取り直す事には成功した)ふむ……よしでは行こうではないか――ってあれ……?自分がいたその場所では木々たちが生えておりますはずだったのだが、そこにあった木が全て倒れていました……。な……何か恐ろしい程の力を秘めた何かの仕業なのでしょうか!?もしそうなんでしたらそれはそれで凄いなと感じてしまいましたよ……。
しかしですねこの場所で起きたと思われる事件に関して考える前にまずはこの世界での自分が置かれている立場というものを理解しておく必要があるのではないかと思ったのでしてそういったことはちゃんとやっておいた方が良いかと思われます……。ということで一応は自分自身は元の世界から此処に来る前までに何をやっていたのでしょうかという話をするとするべきだと思います……(そして話し方を変えるように努力しながら話すことを決めた自分はその話をしながらどうするか考え始めていた)ああ勿論なんですけれども今は記憶を失っておりますよ。それなのでどうやってここまで来たのかということは忘れていると言うことになりまして……、その為思い出せないのですよね。あとそれからもう一つ大事なことを忘れていたことがあって、ここにたどり着くまでの間に色々な事が起きたような気もします……例えばモンスターに襲われたりと……という事が……(この後に続けて言おうとした言葉は自分の体を見る事で止めていた……というわけがあったので少しの間固まっていたが何とか立ち直ることに成功をした自分は改めてもう一度周囲を確認し始めてみようとしたのだがそこには見覚えのない何かがいたのでありました……そしてその生物が何であるのかを知ったことで恐怖心を感じたのか体は動けなくなり硬直していたのだがそれも仕方がないと言えるだろう)ひっ……。あっあれってばもしかするとですけど……狼ではありませんか!?(自分の目に見えて来ていた物は紛れもなく普通の犬よりも一回ぐらい大きい白い毛で覆われた動物であった……。ただしこちらに気づく気配を微塵もなかったみたいだ、その理由というのは自分が茂みの中に隠れていたので気付かれなくて当然かもしれないと思ってしまう……だが次の瞬間目の前にいる白き獣の姿が自分の視界から一瞬にして消え失せてしまっていた)
「えっ、い……いっ、いないぃ~?」
(自分の耳には先程の声が確かに響いているということが分かる……だからこそ今のは幻聴ではないのだろうと分かってきたものの理解をしようと思う事を止めることなんか出来なかったのだ……そしてそんな時に何故か視線を感じると思い始めたのであったが自分の近くに誰がいるといった存在はいなかったはずであるのだがそちらに目線を向けると信じられない光景を目の当たりにしてしまうと思考が完全に止まり何も考えられなくなっていた……というのも先ほど目線をそらしたはずなのになぜか目の前にいたはずの巨大な怪物が存在していたからだ……そうして何故自分が目を離してしまったにも関わらず存在していた化け物に向かって声を上げることが出来ず固まるように目を見開くばかりになってしまうとその隙を狙ってくるようにしてその生物は素早く行動を開始すると自分を捕まえる為に大きな前脚を振りかざす様に襲ってきたのであった。その時になって自分はようやく先ほどのあの大げさな音は自分を捕獲するためのものだったとこの時初めて悟った……。
それでもこのままで終わらせるつもりなんて無かったので逃げ出そうとしたが捕まりその攻撃を食らってしまい体が吹き飛んでしまっていた……その直後のことに激痛が走り思わず絶叫をしていたのである……。体が地面に強くぶつかり擦れる感触を感じながら痛みで呼吸が苦しくなると共に激しい頭痛に襲われることになった上に体の動きさえも鈍くなって動かせることすら出来なくなっていった..)……うっ!ぁあが……ご、ごろじ……てやるぁ……ぅぐがぎががぁが……!……あ?
(そのあとに何か声のようなものを聞いたかと思うとそれっきり聞こえなくなったようだがそれと同時に視界は完全に真っ暗になり意識が徐々に薄れていき遂には全く動くこともできずに気を失った様になってしまった)
(気が付くとそこは薄暗い洞窟の中のような場所でした)ここは一体どこなんだろうか……確かさっきまで見知らぬ森の中で襲われていた所まではしっかりと記憶にあるんだけれどそこから全く知らない状況になっているんだよなぁ……とそんなことを思いながらゆっくりと立ち上がって周りを見るとそこにあった景色を見たとき愕然としましたよ……。まさかまた違う場所に来てしまっておりましたとは予想外でしたね……これは完全に参ってしまう事になってしまいましたよ(でもなんとか冷静を取り戻すことに成功してきたのか次第に落ち着いて来るようになると色々と今までのことを思い出すことが出来るようになってきた。)ふむふむ……それにしても随分とうっそうとした森だったんですがやっぱりここも同じ様な世界だということですかねぇ~まぁ、そういうことになるんじゃあないかと考えていたところで気がついたことが1つあるんですよ、それはつまり自分は此処に居てはいけないという事でもあるというわけなのだ……だからまずは何があっても早くこの場を離れなければいけなくなっていって、その為にもこんなところを歩いていくわけなのですが果たして大丈夫なのかということも分からないから余計怖かったりするわけですよ……おっ!?ん? って……
これってもしかしたら……? ふむ
(そんなことを思っていたのですがふと思ったことがあったので早速行動に移すことにした、そうして手慣れた作業のように近くに置いてある道具を手に取ると同時に勢いよく引き金を弾き続けていった)……やったー!!!やっと取れました!!これでとりあえずの目標は果たせます! しかも嬉しい事に弾もちゃんとあるみたいだしよかった・・
(しばらくそのままの状態で喜びをかみしめるようにしていたのだがしばらくして満足出来たのか銃を元に戻しその場から離れることを決意をして歩き始めることに決める)
よしそれじゃあ、まずは自分の状況を確認していくとするかな……。
それでは行きましょうかねぇ……。
と言ってみてみたわけなのではあったんですけど、やはりというべきなんでしょうか……。
自分としては今度こそ、元の世界に帰れるのではないかと期待しているんですよ(どうやら自分が居る場所は人が住んでいた痕跡はあるようなのですが残念なことに既に廃れてしまっていた為に見渡したところだと他に何も発見することが出来ないのが正直な話であり、本当に此処には誰もいなくなってしまったんじゃないかと思っていた。それと何故分かったのかと言いますとそれはとても簡単な事でして実はこの場所に見覚えがあるのを思い出して納得ができたのもありましてその時に思い出したことが何なのかといいますとその答えというのは他でもないつい最近の出来事でもあったことだからなんですよ。それがいったいいつのことであったのかといいますとそうそう数日前の事ですね……。………………
おかげさまであれからいろいろと大変でした(とはいえ今はすっかり回復できていましたし元気にこうして生きておりましたりしていますけれども)ちなみにどうしてここまで来ているのかという説明をするならば話は少し前の事に遡ることとなりますかねぇ~……(そしてその前にこれまでの話を簡単にまとめていこうと思います……といってもそれほど多くの時間を使ったわけでもありませんでしたので最初の方はすぐ終わるでしょう)そもそもはいつもと同じように学校に通っていたはずだったのだ……しかしその日常は大きく変貌することになるなど夢にも思わなかったことであって……というところから全ては始まったのだがその辺りはもうこの際は関係ないとしておくことにするが問題はそこで出会った女の子のことだった。彼女と出会わなくってあの時自分が異世界に行くこともなかったのでしたら今頃自分の未来は平穏な人生を送ることができたと思うんだけどな~まぁそうなっていない理由を考え出すのは意味がないからここで思考することを諦めるとしよう)……よし大体整理が終わったのでそろそろ話の続きに入ろうかしらね?と(それでだこれからの話をするために一旦気持ちを整えることからはじめさせて頂くために深呼吸を始めようかと思い立ち一度息を大きく吸い込んでみたらその時何故か変なものを食べてしまったかのような不快感を覚え思わず顔をしかめる……だがその理由は考えなくても理解する事が出来てしまい、同時にさっきまではそこまでなかった吐き気がいきなり襲ってきてしまうこととなったのであった……それはなぜかっていうと……えっとぉ……。
(目の前にあるはずの物が見えないことで焦ってしまい更に混乱してしまう……というのも見えなくなる前の記憶がまだ残っていたせいで尚更恐怖心がこみ上げてしまっていて視界が狭まっていき……)ああ駄目だめまだ耐えないと!!! でも、このまま黙って見てるだけでいたらきっと僕は……。(とにかく何とかならないものかどうかと考えた挙句、試すようにしてみることにして恐る恐るとばかりに声をかけていき始めた)おい大丈夫ですか!!しっかりしろ!!!お前はまだ死んでないんだぞ??……ッ 起き上がれそうな気配がないのでまずはこの手を首の後ろにまわすと肩を持ち支えとして使いゆっくりと慎重に起こすことにしたのだがその際に起きた時の反動が大きかったのか再び意識を失いそうになる姿を見て慌てて動きを止めると同時に慌てた様子のままこう呟いていた……)危なっ!ちょっ!?こっ、これくらいで気絶するとかないよね!?ねっ!?お願いだからね……。
(さてさて、そうしていく間にいつの間にか気分も落ち着き始めて余裕も取り戻せてました。)
……それにしても改めて考えてみればこんな状況だというのによく落ち着かれていれたんだと思う……(そう思いながら自分の事を内心褒めていく。それもそのはずだろう、普通ならこのようなことをされただけでもパニックになって取り乱してしまいかねないという場面であったというにもかかわらずこうして無事にいられたという事実がそのことを証明していることにもなるからだ……。もしこれが別の人間だったという可能性について考えたとすれば間違いなく大変なことになっていただろうと自分自身想像がついてしまえたことでしょう)あははぁまともなお礼を言えずじまいでごめんなさい……。
はぅ?? うん・・・?
(その言葉を耳にして不思議と今までずっと考えていたものが一瞬のうちに吹き飛んでいくのを感じていった、それを切っ掛けとするかのようにようやく彼女の名前を知りたいと思って声を出すことに成功した)君の名前はなんていうんですか?(名前さえ聞ければ安心感を得ることだってできるはずだと思ったのですけれど……結果はどうあれ彼女は反応してくれたのだ..)……あっはい。……私の名前でしたでしょうか……分かりました……ちょっと待ってください……。(少し間を置いた後、何かを思い出そうとしながらも懸命に応えてくれたようだ)ふふっ……お待たせしました(それからしばらくの間彼女が思い出せるまで静かに待つことにした……その間彼女の様子を眺めてみるとどうも記憶の方を探っていただけのようでそれが終わるころには再び笑顔を浮かべてくれることになる。そうして僕の質問に対する応えを聞けたのはさらに数分ぐらい過ぎた頃だった……)わたしの名はラティクスですよ。(その自己紹介を受けて嬉しく思ったのは自分の名を教えれたことにではなくまた会いに来てくれるかもしれない可能性があることがすごく嬉しいと感じられて仕方がなかったからである。しかしそんな思いをおくびも出さずあくまでも自然体を取り繕いながら対応することを心に決めた・・・というと聞こえが良いのですけど実際のところはあまり期待できないとは思っているわけですからそのように思うのは止めておきましょう。何にしても今日こうして彼女と会ったことは僕にとって忘れられないことになったことだけは事実になりますから……。それでは気になる会話の内容といいますと……そうですね、どういったものだったのかというとこういう感じではあったわけですね。その前に、とりあえず確認をしていこうと思います。この洞窟がどのような場所でどの位置にあるのかを把握することができていない為なのですがね。……ここの位置についてはもう把握できているので問題ありませんし位置に関しては今現在居るこの場所には見覚えがあるものだったので大よその感覚は分かっていましたし……。
(……えぇーっとどこでしょう、ここは?)
(というところで疑問を感じたのだがそれよりも今置かれている状況の方がより重大だったのでそっちを優先してしまうことにする。とはいえ、その場所はどこかと聞かれたとしても特に目立つ場所といったわけではなく。かといってそれほど特徴のないような場所であるとしか思えないのだが、それが今の現状においての自分の認識であって……他に言いようがないというべきか悩んでしまう部分であったのは言うまでもないだろう……)
はい・・・?
・・・。(不思議そうな顔をしながら小首を傾げていて、一体何を言っているんだろうかと思っている雰囲気がありありと見られてしまい余計にこちらの困惑度が高まっていってしまうばかりである)……もう一度聞き返してしまい大変申し訳ないのですが何と言いましたの?(再度確認をとるために今度はきちんと相手の目を見ていた上で問いかけてみる事に決めて言葉をかけた後に相手の様子を確認する)いえ。ただ私はあなたの名前を聞いたつもりだっただけなのですか……おかしいわ……確かに名前を尋ねられたような気がしていたのですけれど……勘違いなのかしら……でも……。(相手が困って戸惑う様子が見えた事で、さっそく何か失敗したらしいことを理解すると同時にこのまま黙っていては状況が悪化していくことを理解してしまった自分はどうにかしなければと考える)
(えっとぉ……やっぱり僕の名前、言った方がいいんだよね、うん……(そういえば名前言ってませんでした……みたいな流れがあった方がきっといい展開に持っていけるんだろうなと考え始めると自分の行動に疑問を覚えてくるのだったが、今は気にするべきではないと思い直し考える事を辞める事にする、というかそれ以上何も考えられなくなりつつある自分がいた……)……ああもう無理!恥ずかしいとかも忘れろぉおお!!!僕はアスターです、これで大丈夫ですか!!
(そこで僕は遂に羞恥心をかなぐり捨てることにした……。とにかく相手に名前を伝えようとする意思があることが大事なんじゃないかと考えて行動することを決め、自分なりの考えで彼女(そういやなんなんだこの女の子?見た目年齢は中学生とかそこら辺りだし別に小学生だといっても通じるレベルの幼い感じでもあるんだよねぇ……背も低く小柄だったせいも大きいと思うんだけどさ~。……でもまぁ実際年上だと分かったらもっと驚きそうだなこれは本当に。それはさておき、ともかく少女と呼ぶべきだろう彼女に改めて名乗ると、どう考えてもその返答の声音に変化が現れ始めていたからだ。そしてそれがどういう意味を示すかは分からないもののとりあえずは返事をしてくれるのではないかという希望を持つようになる)あの、すいません私の思い違いみたいで変なこと言っちゃって、ごめんなさい……。……ッ(声を出そうとするも途中で詰まったり震えたりしていて思うように声を出せていなかった)
はぅ? あ……っ(いきなり目の前の少女、ラティクスという名を持った子が涙目になったことで激しく動揺し始める……まさか泣くことはないよねえ!?などと思わず心の中で叫び続けてしまう)……ひっぐ……ごめっ、なさっ……(何かに対して謝った後、彼女はその場で倒れこんでしまいそのまま泣いているのか嗚咽混じりになっているようで。慌てて助け起こそうとするも……)ど、どうすれば良いの……これ(完全にどうしようもない状況になっていて結局彼女を泣き止ませれないまま数分が経過し、なんとか泣き止むことに成功した
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます