第7話

流石に見過ごすには厳しいものがあるから助けに入ってあげるつもりなのだ――だから少しばかり私の為に役にたってもらおうではないか――よし分かった……?今更嫌だって言うのならば問答無用で再び追い掛け回すだけだ――どちらにせよ君の命を守る方法はこれ以外に無いはずだ、それだったら従って貰えた方が私の身のためにも良いと思うんだが如何だ?)

(わかったわかったから、分かりましたから頼むから離れてくださいって本当にお願いします……。)と言いつつも自分はいつの間にかいつの間にかさっきの男が自分の横に立っていた事に少々驚いてしまいそしてすぐに我に返り今の会話内容を聞かれなかっただろうかといった懸念を抱いてしまう――どうしたいきなりそんな顔になり始めて不安になったりして……と話しかけられた途端自分は思わず苦笑いをしながら誤魔化してみる……まあ確かに何の前触れも無く唐突に現れていれば不思議に思われてしまうというものだろう……と思い直すと自分の中で一応気持ちを切り変えさせることができたみたいだった。

それはともかくとして自分の方は彼から離れることに成功したわけなので後は彼が奴を引き付けてくれれば問題はなくなると思っていたのだが案の定それは叶わなかった様である―どうしてなのか気になるところだけどまずはそれを考えることはせずどうやってこの状況を乗り越えるかが大事になってくるためにそちらへ意識を向けることにした。とはいえあまり時間をかけている暇は無いといった状況であることも間違いなくこの場で決断しなければ自分は死ぬ羽目になると理解させられた為に多少ではあるが悩んでしまった。すると男は自分にこう助言してきた。それは君自身にしか解決できないことだと言った。それは分かっているけれどだからといって打開策が思いつくはずも無かった――だからこそ困っているわけだ……

(ふむ……じゃあその前に少し確認しておきたいことがあるので質問させてくれないか?)勿論構いませんと即答し彼の言葉を聞いてみるとどうにもまだ納得がいかなかったらしくこんな事を言ってきたのである――君はまだ生きている事に感謝をした方が良いんじゃないか。もっと感謝してくれても私は構わないのだがまぁそんな話は置いておくにしてもこれから私が何をしようとしているのか分かってはいないのではないか?

(……?まぁそんなようなことを考えたりしている事は確かだよ、それはもうはっきりしていることだと思うんだけど。他に何の問題があると思ってたのかというのを教えて欲しいよ……。)まぁ良いじゃないの、別に問題はないはずだよ君はただここで立ち止まって何も出来ないで終わりたくないよね――それならその通りにしたほうが良いんじゃないのかな?

(でもそんなにあっさりと信じることが出来るんでしょうか、僕から言わせて貰ったら怪しい人に見える訳だし何かしら罠なのではないかという可能性のほうが大きい様にも感じますけどね……。)はははッ!それはそうだと自分で認めてしまっているのと同じことじゃないか。まさか否定しようとも思っていないんだろう?素直に信じていてくれるとこちらは助かるね。……それでいい加減黙るのは止めて話を聞かせてくれないかね……君の本心を……正直になろうとはしないか。

(……。そうですね、わかりました……!僕は生き抜くことを望みますから、だから貴方の力を是非使わせてもらいたいと考えています)ほぅやっと言ってくれたか!なら決まりだなお互い頑張るとしようぜ……!(ああよろしく頼むよ……あと最後にもう一つだけ聞きたかったことがあるのだけど聞いてもいいですか……?)何だいきなり畏まって。それに一体なんだい突然――えぇとその……――おや何で俯いたりして……どうかしてしまったのか?

(いえ何でもないので大丈夫です、それよりこれから僕の命あなたに任せることになってしまいそうなんですけれども……もし駄目だとしたら、死……って考えたことがありませんでしたけどどうなるんです?)

(心配性な性格らしいがそういうものは考えすぎるべきではないんだと思うぞ……全く変なことを聞くんだねぇ君は……。さぁそれを知ることになるんだったら私ではなくそろそろ前をしっかり見ておかないといかんと思うが……もう敵さんが近づいてきたぞ……準備は良いかな?)そうだった!考えに夢中になっていたのか気がつかなかったなんて最悪……早く離れなければいけないっていう時に――!?また追ってくるようになってしまっていてさらに速く移動し始めたのだ!――これでは間に合わないかも知れないと思った瞬間横から突如炎が出現しこちらに迫ってきていた相手に直撃すると同時にそのまま燃やし切ってしまったようだ……流石だ……しかしよく考えてみたならば何故ここまで的確に追いかけて来れたりなどできてしまうのかがとても不思議であり恐くなってきてしまった――。

(しかしあれだけの魔法を使っているというにも関わらずまだまだ平然としている所を見ると相当な魔法耐性があるとみるべきかもしれないな……さっきの奴には効いていたみたいだけど他の相手からは通用しなかったりしていた場合にはかなり厄介となるぞ――さぁさぁ次々やって来るから覚悟を決めるべきだね)――うっ嘘……だ……うわああああぁああぁ!!(ちょおい、叫び声をあげているのは別に構わないんだが後ろを向いて逃げられるのはとても都合が悪いから気をつけて貰わないと困るのだよ――それなのにまったく……!!)そして自分は彼の言っていることが真実であったと改めて確信できたのだがそれを確認するまでに襲って来た魔物を倒すことになったため確認する前に意識を失ってしまう事になってしまった……。

――そして自分は見知らぬ天井の部屋の中目が覚めてしまい起き上がっていた。

(あの時自分が死んだと思い込んでいたのだが、実は奇跡的に生きていたということを後から聞かされ驚きながら安堵した記憶を思い出したところで現実に戻っていくことに……)ふむ、目を瞑っているのも良いかとも思ったんだけどね眠くなることはないよ?

(!?なんでそのことを知っているんでしょう……。)だってここに居れば君が何をしていたとか分かるし知りたいことは簡単に知れるということなのだよ。

(あーうん成程な確かにプライバシーもへったくれもないような部屋みたいだもんねここ……って納得できるはずがないでしょうがぁ―!大体人の心を読んでまで覗き見するとはあんた変態としか言いようがありませんね……それにそもそもこんなところでのうのうと過ごすつもりは毛頭ございませんから……さぁさぁ行きましょう外へ、この部屋にずっと閉じ込められ続けなければならなくならないためにも今すぐここから出なくてはなりませんねッ!

(はい、それも了解致しましたとあっさり言われ何故か肩を落としつつ落胆してしまう自分に嫌になりながら、そういえば自己紹介がまだだったことに気付き名前をお互いに伝え合うことにした。ちなみに男の名前はガレウス・ラゼィルと名乗ることとなったのだが……。)とりあえず先に言わせてもらいますが、こんな馬鹿げたことをしている輩を探し出してぶっ飛ばしに行きたいと思います……こんなのおかしいですよね……。それに自分の方でも一つ聞きたいのですがここはいったいなんじゃらほいと……。それともう一つ。どうしてこうなっているのか誰か説明をお願いします……。

(……そうだねぇ私が話すべきことを話し終えた後に全てを教えていくべきかもしれんがそれよりもまず最初に君に対して教えなくてはならない事があるからそちらを伝えて行こうとは思うのだが如何せん理解してもらうためには長い時間を掛ける必要があるがそれでも聞きたいと君は望むだろうか……。……そんな難しい顔をしていないでもっと前向きに考える努力をして欲しいと思うのだけれども……。……まぁ良いだろう、私の正体についてだが私は人外と呼ばれている存在の一人であって君は既にその存在達に会うことになっていたのさ……つまりその出来事こそが重要な内容だったんだよ?まぁそれを言ってなかったとしても後で分かっていたことではあるけれどね……。……そんな睨み付けなくとも、きちんと最後まで話をするつもりだよ……。――それじゃあまた後の機会にゆっくりと話し合っていくとしようか……そうしていこうな。……とまぁ、その前に色々とやってほしいことがあるから今は少し落ち着いてもらえないだろうかね、そうすれば私からの話に集中してもらう事ができるはずだ。

いいかい……?――よし、では君のこれからの事なんだが、取り敢えず今やってもらおうと思っていることがあるのだよ。それを行う為にも先ず外に出てみてくれないかね。それが終わったらいよいよ外に行けばいいという訳だからさ……安心しなよ。ああそれはありがたく思っております。そして自分にとってこれからの行動によってどのように変化してくるのかどうかが掛かっていると思っているほどなので期待させていただきますよっと……。……おっとその反応は何なのかね……。まさか怖くなったと……。それは無いと言っておきなさい……。(無いと言ったのだから問題はないでしょう……きっとないと信じています、信じていればどうにかしてくれる筈だと思ってますよ)……わかった分かった、もう何も聞かないことにしておくことにするとするよ。……とそのような会話が暫くの間続きようやく自分が何故こんな場所にいるのかということを聞くことが出来ました――が結局あまりよく分からない感じになってしまいはしたのでした、それにしても良くこんな風に何にも分からずにここまで過ごしてきたものだなと思い始めてしまう始末となったのである。)うむ……どう考えてもよくわからないというところになってきてしまっているようだねぇ、私の方に不備があったのかとも考えてしまったよ全くなにかと大変な目に遭ってしまい苦労していたみたいだね、可哀想だと思えてしまったよ(……同情されてしまったらしいぞ)……お主……余計なお世話ですよっ!!!! とここでいきなり横入りするような形でガレウスさんの文句をぶつけまくってしまったことでちょっとだけ空気が悪くなってしまうという事態に陥ったため自分はすぐに謝るように言葉をかけてあげたらなんとか場が和んだようで良かったとホッとしたと同時にほっとしてしまっていた――

(……ふぅ――さっきまであった事は全て思い出し整理が付いていて、改めて周りを見渡していくようにしていながらも現在何処にいるのかということについて思考を回転させようとしていき始めた途端また横から声をかけてくれる者が現れていった)はっはいぃ……何か御用でしょうか……(あれ……これ……どっかし……どっかで聞いたことが……どこだったけ……?)……いえ……特に言うこともありません。はい用事はないようですし……じゃあさようならと立ち去ろうかなと考えていた瞬間目の前が一瞬真っ白となっていきそこから景色が一転二転三転四散五裂六分解七変容八変換九逆戻して10万億土地獄道無間ノ苦海煉獄天界地平彼方此方――

(ちょおおおいって……な……何をされたのかすら気が付かずに終わったよ……って、あれここに来た時に居た広間ですが一体なんですか……今度はなんの為にここに連れて行かれるんですかー? あっはい答えてくださいよ~うわぁあぁ……。)ふーむそう慌てなくても大丈夫だと思うので落ち着くのもいいんじゃないかな?……あ。あぁすまないすまん私もこんな場所に連れて来させる羽目となるとは思っていなかったもので焦燥が酷く顔に出ちまってる状態になってしまっていたが何とか気持ちを切り替えていける様に努力はしているからそこまで気にしないでもらわないでもないから……。それでこれからやることについての説明をしないといけないのだが君にとってはこれが一番重要になる話でもあるということを予め言わせてもらった方がいいだろうし言っておいたほうがいい。君を元の世界に戻すことができるかもしれないと言うことだ。……これは喜ばしこと以外の何物でもないことだがその可能性が一番高いということでもあるのだ……まあそう悲観的にならずもう少し喜びを感じてもらいたいところでもあるがな……。ただそれでも慎重にならざるを得ない事態なのだという事を頭に入れて欲しいと思って欲しいなあと頼むぜ本当にな……。……これで私が言ったことは全部伝えられた筈だが……。後は実際に外に出てからやってみればわかることなので早く出ていってもらいたいところなのであるがどうするかい?……行くことに決めたのですね……。では、ご武運をお祈りしております(最後に笑顔を見せて貰いながら優しく送り届けられたので自分としては感謝の意を示した後に前へと進もうとして進んで行き始めて行こうとしていたその時である――)

おっおおおぉ!? 危ねえ、ぶつかる所だったよ。……ん?誰かと思えば俺のことを呼び出してた奴じゃねぇかい何してやがったんだお前さん……さっさとついて来てくんないかな、色々と大事な話をせにゃならんからよ。……ああ分かってるとこいつも言ってたがこいつはお前をこの世界に来てもらう事になった発端なのを忘れんじゃなかぞ。

(そしてその後、その男と共に自分は別の場所へと移されるかのように移動する事になっていき自分の身に何かあるのではないかと思っていた中で先程の男の態度について思う事があったが敢えて突っ込むという事は無くなるまで黙っておくことにしたのである……)――ふうここまできたらとりあえず安心といったところかね……。さてとここから君に対してこれから起こることを簡単に教えておくとしようと思っているのだが君としても聞いておいてくれれば今後役に立てる時があるはずであろうし無駄になることが無いように頑張ってもらおうか。なにも言わずともしっかりと覚えてもらえていることを期待しているぞ。さて、君はこの場所に入るためにどのような方法で入っていたのかを覚えていたり記憶が在ったりするのかね。

ふむふふふそのように驚いてくれる反応をしてもらえるとこちら側もとても嬉しい限りですよ うむそれはとても素晴らしい表情を浮かべるものですね……っと いやすまんいかんいかんつい興奮してしまいそうになったからね気を付けねばいけないなと反省させてもらわんといけなくなるわい はっはい……どうすれば良いでしょう……えぇっとそれを考えるのではなく感じ取るようにするという つまり意識と想像と創造をするといいと思えてきたのだから是非試させてもらうとするとするとするよ。

という感じになってきたと私は思えてきた。

うんっじゃあそうしていこうか。

まず初めに行うとしたならば、その場所にて行ってきた儀式の内容を 今一度思い出すことが一番だと考えつくのであります。

(はい分かりました……って、いきなり何をするつもりなのか分からなかったのではあるがそれをやってみるとするか…………はあ……思い出した――はいこれで良ければ次に進む準備は整っていると思いますがよろしいでしょうか……。はいわかったわかったから……ちゃんとその通りやってやるからちょっとだけ待っててください!……全く……何度見てもこんな場所でやったなんて信じられないと思えるものにしか見えんって……。いやまあ信じるしか他に選択肢などは無いのですけどねっ!!!!―――よしでは始めるとしましょうか、それこそは異世界召喚の儀式を行う為には必要となってきてしまうものであるのですけれどもまぁ仕方ありません。ですが出来得るだけのことは致しましたよ……と言っても貴方自身で行うことが出来ぬ分を私のほうで行っておきながらお手伝いをしたようなものでしたがね。なので一応私としてはきちんと出来上がってしまったのかは確認しておかなければいけなかったのですが、その作業の方は終わっていますのでこのまま実行に移っても大丈夫だと言えたわけでして……うふーんでは始めていきましょうか―……な~♪(歌を歌うのが好きでしてねえそれが楽しく思えて仕方が無くなっている自分がいたのであったそんな時に何を思っていたのかと言うよりも思ったことがあるのかと思ったらしく質問を投げかけて来た人が現れた)何かを考えていますよね……。何を考えているのですか?何か困ったことでも考えてしまっているのでしょうか、そうなってしまうとそれが原因により気分を落としてしまいますかもしれませんがどうかそこだけは考慮した上でお願いしますよ……。(どうせ聞かないと後で面倒なことになっていくのだろうと思えた為仕方なく説明を始めることとした)……ああ成程理解ができません、って おいお前はふざけて言っているのか真剣になって話をしている人に対してそのようなことを言うとは一体全体お前は何様になるつもりでいるつもりになっているんだ!?怒られてもおかしくないことをお前は既に犯してきているという自覚がまるっきりないという事が言い切れていしまうわ馬鹿者が――!!!……な……何も知らない癖によくここまで上から物を見れるものだと心の底より思っていることであろう……(そして怒りを覚えたと同時に、このような性格だからこそこの男の元に付き従っていかなければならない立場へと追い込まれていたりするのだということを思うようになっていった。

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