第4話
なので彼女の方が率先するように名を名乗った後に彼にも尋ねるがやはり返答は無いようだった その為彼女が自ら自己紹介を始める事になったのだ―
……そんな彼の反応は実に面白いもので私が声をかけた事自体に嫌悪感を示したらしく、露骨なくらいこちらを無視する始末だ……とはいえ、いつまでも無視する事はできないと判断したため仕方なくと言った感じで嫌々ながらもこち向き合った時は、とても気分が悪くなったのだが、何とか堪えつつ自分の目的を話した上でこれからの事を聞き出そうかと思っていたのだがそれは思いの他あっさりと答えてもらえる事になったのは良かった ただ一つ言える事は……彼が自分の事を強いと言っている事は嘘ではなさそうだと感じたことだろう 何にせよ無事に聞き出せたのは大きな収穫の一つとなった為 とりあえず彼と共にこの場所を出るとしようかと考えた。このままだと、きっと厄介ごとがまた起きるのではないかと思えてきたためなるべく彼と接触する機会を減らす為に、これ以上関わらずに離れようと考えればすぐそこだという事もあり早速出発しようとしたのだが、それは叶うことがなかった 何故かと言えば、どうやら後ろの方より足音が聞こえたために、おそらく魔物であろうと踏んで咄嵯に近くにいたミコトさんを後ろに隠してから構えをとる……ちなみにその相手というのは言うまでもなくあの黒龍の姿があり何故なのか不思議でしかたがないというのが本音でもある だがしかしだ……その正体を目の当たりにした際私は一瞬ばかり思考回路を完全にストップさせて見入っていた――何故ならその姿こそが探し求めていた存在に違いないと断言できるものだったからであろう……だからこそ気が付けばその者の元へ一目散に向かっていた――まさか……と心の中では否定したくなるが間違いない……あいつらは私の家族を奪った仇と同じ顔を持ち姿をしており尚且つ同じ名前を使っている。それだけじゃない!あの人の体の一部となっている宝石は紛れもない魔導石で、さらには背中にある傷跡のようなものが特徴的といえば特徴的なのだがそれでも同一人物だといえる決定的な理由を言おうではないか!それが奴等の後ろにいる連中の正体を明かすために必要な条件でもあるし何よりも大切な部分でもあった 今思えばその時、なぜもっと注意しなかったのかと悔やまれてならないが――そうでなければ私だけが知るはずだった情報を知り得ることはなかったはずだ。そう……そう……
つまり あの二人は かつて私たちが住んでいた街を滅ぼした人物だということを知っているからだ!――だからこそ私にとって許せない……どんな手を使おうが何だろうと 今ここで倒さなければならない対象となってしまったのだけは明らかであるというわけであり、それならばここで殺さない手立てはないに等しいだろう まず先に動き出したのはもちろんと言っても良い程に 奴の懐に入り込んだ私はそのまま攻撃をしようと身を構える
――そんな時だった、私に向かって飛んでくる炎の弾を見てすぐさま横に避けるようにしてそれをかわすがその間にできた僅かな時間を狙ってきたのが分かった瞬間……
すかさず奴は爪による反撃をしかけようとするが、今度は魔法によって生み出した無数の矢が向かって来るのを見た瞬間だった私は素早く後方へと下がるしか術がなく距離を取れば問題ないが今の段階では下手な接近戦をするのは厳しいものがあると言える状況であるようだ……だがこれでわかったことがいくつかある……その一つにしてもっとも重要なことはやはりこの目の前にいる魔物は自分の持つ能力を把握したうえで最大限発揮した戦いをするタイプのようではあるようだ。確かにさっきからこちらの動きに反応するだけの素早さが伺えたがそれも能力に比例したものであると見て違いないらしい だからこそ私はこの勝負を見極めてから仕掛けると決めたわけであるが――それにはまず敵の実力がどの程度のものかを知らなければならないのだ そして……恐らくというかほぼ確定していい事実なのだが……どう見ても……こいつ等はただものじゃねえと言わんばかりの実力者であることは確かであり……なおかつ そんな者達を相手にしながら戦わなければならないとあれば相当大変かもしれないとは思ったが……これこそチャンスなのだと自分を鼓舞させていく……そしてこの戦いは絶対に勝ちたいがために何が何でも勝とうと思うのだった……果たしてこんな所で死ぬ訳にも行かないうえにまだ見ぬ未知なる力が待っている可能性もある中で無駄にするなんてできないという使命感もあってのことだから……そう考えた上で覚悟を決めた私が取るべき手段というのは限られてくるものであり 相手の行動を観察しつつ戦うしかないため気が付いた時には既に始まっていた―……いや始まろうとしていたといったほうがいいかも分からないほどのタイミングの良さであったのだ……それからの展開というものは決して早いというものではないが……それはまた追々語る事になるため今はあえて伏せておくことにしておくとする――とにかくその展開について話す前にだ、ここまでの経緯を話すとこうだ……。私が黒龍の姿を確認すれば、彼は当然のように敵意を剥きだしにしたのは勿論の事ではあったわけだけれど彼女の方は私と同様に怒りを抱いているせいか彼に対して敵対心をむけている様子だったのだが……そんな事を知る由もない相手側となる彼らは突如攻撃を仕掛けて来ようとした際に私は即座に止めようと動くべく彼女達の間に割り込んで来たのだ。
そうすれば彼女は敵と勘違いしていた事を謝罪してくれた後こちらの意図を知ってくれると共に二人には私の素性を話した後に、どうしてもついていきたいと言う理由から、これからの戦いにおいて共に行動をしてほしいとお願いしたが了承を得る事は出来なかったため一旦引くほかなかったため、私は二人の事が心配で仕方なかった……とはいえあのような魔物達がうようよいる所をまともに戦えるほどの強さを持っていない彼女を放置することもできなかったのだ そんな事もありながらも彼女と別れれば黒龍と共に私は奥へと進んだわけだ……何故ならここに留まる事に危険を感じる上に加えて他の連中にも知らせなくてはいかなかった事もある
――何故なのかというと答えは非常に簡単かつ明快だ……黒龍がいたおかげもあるかもしれないがそれでも警戒されやすい見た目をした彼がいた方が自然だと感じていたためこうして行動を共にしているが先へ進もうとすればするほど嫌な予感がし始めていた……まるで自分が進むべきではないと思えてしまうような場所に近づいている気がしてしまい落ち着けなくなる……するとそんな私の考えを読み取ったのかは定かではないが……黒龍の方から話しかけてくれたことで私の不安を和らげる事ができたが彼の方もこの洞窟に入ってから少しは変化があったようでもありどういった気持ちの変化が起きたのかまでは解らない……けれども少なくとも 今の自分の力不足を理解させられたのではないだろうか?それくらいに思わせてくれる言葉を聞くことができたのだった、それがどういう意味をもつのかが私にだってわからない訳ではない……つまりこのままだと自分はあの魔物たちより弱すぎて足手まといになることを痛いほど実感したのだと確信さえ思える程に――。
ただそうなったからと言って焦って闇雲に行動するだけじゃダメだという事を悟ってくれただけでも かなり進歩してきたのかもしれなかった――そしてそうしている内に私達は遂に奴らの根城とも言える所に辿り着いたのだったが……予想通りと言いましょうかそこに待ち構えたのは私にとっても最も出会いたくはない最悪の組み合わせでありました――何故ならそれはかつての幼馴染 ラミーとマーキス率いる盗賊団が現れたからだ!!――――――――まさかこんな時に彼等に遭遇するなど思ってもみなかったというのに、しかもこの最悪な状況下で奴らに会ってしまったということもあって私は何も言わずにそのまま剣を構え戦闘に入った瞬間……やはりというのか案の定と言ってもいい程の力量差を目の当たりにしてしまい私は完全に手も足の出ない状態に陥ってしまい一方的に攻撃をされたあげくに致命傷を受けて動けなくなった状態では 奴等に捕まった。…….そんな時だった!私にとって希望と言えるような光が差し込んできたのを今更思い出すとあの時の黒龍の姿はまさに救世主そのものであり心強かった と同時にこんなところでくたばってしまうなんて情けない自分がいる事もまた自覚していおり、そして何が何でもここで死んでしまえば元の子もないと必死に動こうとしていたわけだが……体が全くいうことを聞いてくれないまま気絶してしまうと今度は別の場所で目を覚ます事になっていた――それはそれで不思議な感覚でもあったんだが……そこには知らない女性がいたため誰かと思い尋ねてみると 名前を「エミリィー・アイブクロー」と名乗ったうえで自分の所属ギルドについて色々と教えてくれ ながら……ここにいては他の冒険者に見つかる可能性があると理由を述べられたわけだが……そもそも私は彼女に助けてもらっただけでなく看病までしてくれていたことに感謝の言葉を述べると――とりあえず場所を移すことを優先しようと言われた為ひとまず外に出ることになる、その後はエミリィと名乗る彼女が道を教えながら移動していきようやく一息つくことができたわけなのだが……そこは街からはだいぶ離れた位置にあり人の目につきにくい場所であるようで安心感を覚える、そしてそれと同時に改めて自己紹介を行うと共に、彼女は自身の名を名乗れば、やはり私は知っている人物であり、かつて私のいた村を襲い家族の命を奪った賊達の一味であり私が倒した女だったのだ!正直驚いてしまったのだがそれ以上に生きていた事実を知った事で驚きを通り越してしまったといっても過言ではなかったと思うぞ。ちなみに私が寝かせられていた場所は宿屋ではなく 民家の一室であったらしく、エミリィは自分の家に帰らず泊めさせてくれたとのこと――
さて……これで話は終わりではあるがここからが本当の戦いが始まろうとしていのだ――
黒龍と一緒に戦う覚悟を決めた以上何が何だか分からず死ぬ訳にはいかない!……だから私は、彼女を守りながら目の前にいる敵を倒して見せる事を誓う!絶対に生きてみせる!!! しかし私の前には……とんでもない相手が姿を現すことになる――一体どうしてこのような事になったのか分からないし、私自身何かしら悪い事でもしたと言う事は一切無いはずなのにもかかわらず、私に向かって突然攻撃を仕掛けてくるのだ!?当然のように黒龍がいるためにそう簡単にやられてしまうことはないのだが……
私が意識を取り戻してすぐに起き上がり、黒龍は魔物達の動きを止めると同時にこちらの状況を見て把握すれば攻撃を中断させるが……。いきなりで頭が働かない……なぜ襲われるのかは理解できない。私はそんな風に頭を抱えている最中だった―黒龍の方からもの凄く強い気のようなものを感じとると、黒龍が一瞬にして姿を変えていく様を見ていた私だった。
それからすぐの出来事ではあったが目の前にいた魔物たちの数が激減していることに気づいた直後 背後で強烈な音が聞こえてきたため慌てて後ろを向けば 黒龍の口の中と思われるところが見えるようになっていて魔物の群れに食らいついていたのだ。その姿はまさしく蛇と呼ぶにふさわしいだろう。ただその後の行動については もはや説明するほどのことはしなかったといって良いでしょうね。そして肝心の襲撃犯たちは――おそらくはリーダーと思われる者の命令で行動に移しているためなのか先ほどよりも更に素早い動きを見せつけてきたが、黒龍にとってはどうということはないようです。それどころか さらに加速して追い詰めるような様子さえ伺えると、それを見ていて私は思わず恐怖を感じるとともに圧倒されそうな気持ちにもなっていく。だけどいつまでもそんな事を思っているだけではいけないと思ってしまうと私は立ち向かう勇気を持って動き出したんです。そうしなければ いつ殺されてもおかしくはないため……。するとその直後魔物達は私たちを襲う事を躊躇するかのようなそぶりを見せて来るが……どう考えてもおかしいと思ったためか、黒龍が 相手に牙をむいて威嚇行為を行っていくとその迫力に押し出されるようにして撤退していく魔物の姿を見ました。けれどそこで終わらないのが現実というもの――今度は巨大な生物のような姿が見え始める。まるで大蛇といった感じに思われるほどの大きさを誇るそれは、突如地面から現れたのだろうか?私達のいる場所を囲むかのように姿を見せると共に身構え始めてきています――しかもどういうつもりかわからないのですが仲間であるはずの者たちにまで襲い掛かっている始末ですよ……もう何なんですか一体って叫びたくもなりますって;
しかしながらそれでもまだ黒龍だけで十分だろうと私は考えていましたが……その時になって初めて気づくことが出来た……私の目の前に倒れ込んで来た人がいたことを 同時に私の方へと向かれれば見たことがある人だということもあってまさかという思いを抱きながら話しかけました、それが彼女の名前だった ことも覚えており名前を言えば驚いた表情を浮かべつつも反応してくれていきれくれたのだったが、 直後に気絶してしまったのをみて慌てるしかなかった私なのであるが、すぐに回復させてあげたかったもののこの場での治療ができるわけもなかったため黒龍にお願いする事にした――というより黒龍以外の適任はいなかっただろうよ。……それにしても本当に酷い有様ではあったんだけど……無事だったことにホッとするしか無かったがな――ともかく無事に治療することができたことで改めて黒龍の姿を眺めながら改めて 頼もしい存在なんだなと感じ取れていたが――そういえば私は何で狙われることになったのか未だに分かっていなくて正直戸惑いっぱなしなのですけども、とりあえず今は黒龍がいるし守ってくれると言う事もわかっているんだしその辺りの事を考えるよりももっと自分の事を考えていけばいいか――なんて思ったりするし だからこそ冷静になりつつ 状況を把握していくことが必要だよね さて……まずここは森の中ということには間違いないのですが街から離れすぎていることもありまして周囲には私達以外誰も見当たるようなことはありませんし……近くには街道があるので恐らく他の誰かが通る可能性はあるんでしょうけど今はまだ時間が早いせいでしょうか……人の行き来がないんですよ。まぁそんなことを考えたとしても意味などはないでしょうしひとたび考えることをやめてしまうと改めて周囲を確認し始めた。
黒龍と私が現在居る場所は……森の中ではあっても拓けた場所で視界も良い事から相手を見つけやすい状態とも言えるだろう……もっともそれは敵にとっても同様ではあるが、今の我々を相手にするにはあまりにも戦力が足りてないはずだし気にする必要はあまり無いかな――と思っていた。ただ相手が一体どのように出てくるかという事に警戒しながらも待っている状態でしたが……。そんなことを思いながらも私は油断をしていたわけではなかったと思います、もちろん私の隣にいる黒龍の存在があったというのも事実ではあるとは思いますけれども やはり敵が現れたときには緊張感が高まっていくもの――実際に現れたときにもそのようになりまして緊張が高まった事で動けずにいれば突然私の方に黒い塊のようなものが迫ってきていることを理解したかと思うとそれはすぐにぶつかる形になってしまう。
いったい何が起きたのかと思う間も無く攻撃を受けたと思い込んだ私は黒龍に守ってほしいという意思を示すため助けを求めようとすると目の前にはすでにいないことが解り……焦った。がその直後 後方から何かしら音がしたように聞こえてくるため恐る恐るゆっくりと振り返ってはいけないような気がしたものの……後ろを振り返ることにすると……さっきまで確かに居なかった人物がいて……どう言う訳だが魔物に噛み付いている。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます