第6話

俺は部屋に閉じこもって音楽をきいた。音楽と言ってもそれは、ゲーム音楽やアニソンだった。女子高生の言うところのキモオタの聞きそうな音楽だ。一回、邦楽ロックや流行の曲を聴こうとしたこともあった。でもだめだった。リア充のイケメンが歌ってそうなその雰囲気に生理的な嫌悪感を覚えた。結局、どんな世界でもキモオタの居場所などない。飲食店のアルバイトでさえ、リア充のイケメンは重宝がられ、キモオタは敬遠された。まともな企業ならなおさらだ。面接の段階で落とされる。たとえ言い大学に努力して入っても、どのみちキモオタに居場所などなかった。ましてや俺は、三流大学中退。その人生はもうとっくに終わっているのだった。

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