荒れた食生活
「いつもそんなもんばっか食ってるのか」
今日のコンビニパンは、焼きそばパンとあんぱんだった。
「あ、うん。おにぎりかパンが食べやすいんだ。最近はシールを集めてるから、パンばかりなんだけど」
「ああ、パン祭りか。あの皿、丈夫だもんな。……って、そんな話じゃなくて、お前はいつもコンビニ飯なのかってこと。昼飯はそうだとしても、夜とか朝は?」
「えっと、夜ご飯はコンビニ弁当か、冷凍食品か、カップラーメン、かな」
「あー、ダメだ、栄養がねえ!」
「あと、お持ち帰りの牛丼とハンバーガー」
それを聞いた山城君は更に頭を抱える。
「……朝は?」
「基本的に食べないかな。たまーにゼリーを一つ食べるよ」
がっくしという効果音が合いそうなくらいに頭をうずめる山城君。
「あ、あの、山城君?」
「あーーー、もう、その食生活、俺が叩き直してやる!」
「お前さ、家に炊飯器ってある?」
「炊飯器? ご飯を炊く機械?」
「そうだよ、それ以外にねえよ。今までの荒れた食生活から予想すると、お前の家には存在しそうにないけどな」
「炊飯器……。確かあったと思うけど」
「確かって何だよ……。どんだけ使ってないんだよ」
「家電とかは引っ越しの時に芹沢さんが色々と買ってくれたんだ。使い方が分からなくて使ってない物が沢山あるけど」
「宝の持ち腐れだ! そのセリザワさん?に申し訳ねえよ!」
確かにそうだった。せっかく色々と揃えてくれた芹沢さんに悪い。お世話になっているのに次の展覧会の絵も描けておらず、もらった家電には一切手を付けていないのは、さすがに怒られても文句はいえないだろう。
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