第4話 俺の飼い主達は大食いで、夜は大いびき

 こんにちは、異世界で猫に生まれ変わった主人公です‼︎ 猫としての名前はまだにゃいです。


 死に戻りできる主人公で、今4回目。

 美女?冒険者と出会って、彼女達のペットになり、これから街に向かうところです…。


◇◆◇◆


 はい、街着きました。俺は緑女…もといユリィさんに抱きかかえられて、柔らかくて暖かい…のでうとうとしてしまい、起きたら街でした、はい。


 「街を見るのが初めてなのかな?身を乗り出して見てるよぉ〜‼︎かわいい‼︎」


 うん、この世界の街は初めてだよ。異世界から来たからね。


 「私は換金所へ行く、ユリィとルビィは今夜の宿を確保しといてくれ、その後『踊る子ヤギ亭』で集合だ」


 「了解です。さ、行きますよユリィさん」


 「はいはい〜」


 少しの間、リーダーとは別行動らしい。ユリィとルビィはリーダーと反対方向に歩き出した。俺はユリィの腕に抱えられたまま移動している。楽チンで居心地がいい…。


 ええっと、ここらで『あなた』に街の様子をお伝えしようかな。


 まあ予想はしてらっしゃると思いますが、その通りの中世ヨーロッパ風です。ただ、てっきり人間以外が住んでる街なのかと思ったんですよね、最初に会ったのが人間以外だったので…そこは、俺の予想が外れました。


 「むふふ、人間を見るのは初めてなのかな?」


 えっ?緑女ことユリィが話しかけてきました。なんかちょうど人間の話してたからタイミングにちょいビックリ…。


 「ユリィさん…この子怖がってるんじゃないですか?さっきからずっとキョロキョロして落ち着かない様子ですよ」


 あ、ルビィさん、怖がってるわけではないっす。


 「う〜ん…わかんないけど、怖がってる様子ではないような気がするなぁ〜まあとにかく宿の通りに行こう‼︎」


 あ、すみません。『あなた』に話してる途中でした。どうやらこの街は人間の街の様です。街の中に入ってから人間しか見ていないので…と


 あ、宿屋ばかりが立ち並ぶ通りが見えてきました。異世界に転生した初日はベッドで寝られそう。俺ってついてるなぁ。


◇◆◇◆


 『踊る子ヤギ亭』


 宿屋の予約をした俺たち(あ、いや俺は抱っこされていただけだけど)は、食事をしに、この店に来た様だ。なんか冒険者御用達のお店みたいで、店内はやたらデカい声とデカい図体の奴ら(人も人外もいて、とにかく騒々しい)の溜まり場の様になっている。


 ユリィとルビィは着いた早々、リーダーを待つことなくさっさと飯の注文をし、出て来た料理を次から次へと、ものすごい勢いで食べ始めた。(って、おいっ‼︎上司を待たなくていいのか⁈いや、これは異世界の文化なんだろうか?…まぁペットの俺がとやかく言う事はないんだが…あ、ちなみに俺は…夕食を食べてます。飲食店なのに動物同伴で問題ないのかなと思ったが、全然咎められない。あ、焼いて冷ました肉を細切れにしたものをいただいてます。うましうましっ‼︎


 「いっぱい食べるんだよぉ‼︎ よしよし」


 うわ…緑女が頭ワシワシしてきました。食事中に頭撫でられると食べにくいんだけどな…。


 「ユリィさん、ご飯食べてる時に触ると食べにくそうですよ…あ、リーダー‼︎ 遅かったですね、混んでたんですか?」


 ルビィさんありがとぅ。この子気遣いの出来る女だよなぁ。あ、リーダーやっと来た。


 「ちょっと防具屋によって来た、なんだ酒は飲んでないのか?今日は飲めるぞ、追加報酬もあったしな」


 「やった‼︎ おねーさん‼︎ こっちにビール特大3つお願い‼︎ あとメニューくださいな〜‼︎」


 あ、緑女…。リーダー来たらちゃんとメニューもらってあげるんだな…。


 …。


 …。


 その後、この3人の食べた量…人間の常識を超えてました。いや人間じゃないもんな…。


◇◆◇◆


 『宿屋:羊のお友達』


 尋常じゃない量を食べ終わった大食い3人女達は、宿屋に移動して、なんと…


 風呂も入らずベットに入って寝始めた…。


 俺はと言うと…なんか小さいベット(子供用か?)用意してもらえたので、そこで寝ようと思ったら…


 「はぁ、疲れた〜‼︎ 明日は朝起きないから、じゃおやすみ〜‼︎ あ、シロロン一緒に寝よう‼︎」


 あぁぁぁっ…緑女に強引にベットに連れ込まれそうになってます…うわ、やめてくれぇぇ、ん?てか何?『シロロン』って、まさか俺の名前⁈ え、ちょっ…だ、ダサすぎるだろ‼︎って…


 「グゴゴゴァァァァァァ‼︎」


 「ぐ〜ぐぐぐぐぐ〜」


 「うへへへへへ、もう食べられないぃひひひひ」


 えっ⁉︎ てか何⁉︎ もう寝てるし、てか3人とも即寝?これイビキ⁉︎ まじか‼︎ うるせー‼︎‼︎


 「グゴゴゴァァァァァァ‼︎」


 「ぐ〜ぐぐぐぐぐ〜」


 「うへへへへへ、もう飲めませんよふふふふふ」


 …。


 俺、この人たちと一緒には絶対に眠れん…。


 …。


 仕方ない…ちょっと散策でもしよう…。せっかくファンタジー世界での初めての夜、初めての街だしニャ…


*********


名前: …。シロロン?とかマジない…。

種族: 猫

特殊能力: 死に戻り(たぶん)

その他: 3人組のペット

所属:???

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死に戻り転生ファンタジーなんて大嫌いなんだが、俺がその主人公かよ⁉︎ ヘタコグサ @hetakogusa

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