第14編 誕生日
開いた傷はふさがらない
屈辱も
虚しさも
羨望も
13歳の誕生日
あの人は忘れていた
自分が腹を痛めて産んだくせに
あの子のことしか考えていない
14歳の誕生日
あの人はまた忘れていた
去年忘れた罪悪感すらなく
あの子のことしか考えていない
15歳の誕生日
もう期待なんてしなかった
あの人は言った
「受験勉強しなさい」
合格発表の日だって
あの人は来なかった
あの子の時は仕事を休んだのに
わたしはひとりで震えていた
あの人にとって
かわいいのはあの子
あの人にとって
わたしは出来損ない
開いた傷はふさがらない
今もわたしは
ひとりで震えるしかない
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