第15編 笑顔

大人になるにつれて

わたしたちはたくさんのことを知った


そしてあなたは笑顔で塗りつぶして

わたしは全部蓋をした


あなたが見せる笑顔は

いつだって偽物で

たまに本物が顔を出すけど

それを見たらわたしは少し嬉しくて苦しくなる


もうわたしは笑うことなんてうまくできなくて

無表情と嘘くさい笑顔が貼りついた顔では

誰もわたしのことなんて理解できない


今だって乗り物酔いのような不快感が

笑顔を作るたびに胸の奥に頭突きする

ああ、こんなに苦しいのに

わたしはそれを表情にできないんだ

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