第13編 彼
わたしは受け入れられている
ちょっと失敗しても
間違えても
彼にとっては愛しいから
わたしは受け入れられている
ワガママを言っても
ココナッツの粉をこぼしても
彼にとっては愛らしいから
わたしは受け入れられている
段差につまづいても
それが何もないところでも
彼にとっては愛おしいから
わたしは受け入れられている
よくわからないであろうショッピングに
付き合わせても
似合うかと訊いても
彼にとっては可愛いから
わたしは受け入れられているから
いつも甘えてしまう
優しい温かさに慣れてしまうことは
怖くて
また今日もすました顔をする
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