言語の壁

さて異界に戻ってきたから、もう一度ギルドに行って、ギルドカードを貰いに行かないといけないので、二人でギルドに向かう


『異界に初めて来たけど、こんな感じなんだね』


『異界に来たことない人が俺を転移させたのか?』


『そうともいうね』


『一発殴って良いかな?』


『君なら、本当に私が死んでしまう』


『それは困るからやめておくか』


そんな会話をしているとギルドに着いたので、俺はまたカウンターの方に向かう。

歩いている時に、シリウスと話していたら、通行人に見られることが多かったので、もしかしたら他の言語が珍しいのかも知れないな。


「すいません、ギルドカードを受け取りに来たんですけど」


「あ、ユージさんですね。もうギルドカードはできております」


『ギルドカードとはなんだい?』


『ギルドカードは、身分証だな』


『マイナンバーみたいな感じかな』


『よくマイナンバーは知ってるな』


『マイナポイントが何とかっていうCMを見たからね』


現世のテレビ番組ってシリウス達のところでも見えるんだな。

ギルドカードは受け取ったが、ギルドの職員はポカーンと何処か意識が飛んでいる顔をしていた。


「職員の方、大丈夫ですか?」


「……はっ!お二人が話してる言語は何の言語か考えていたら、脳みそがショートしていました」


「聞きたいんだが、この世界にはどんな言語があるんだ?」


「基本的には、統一言語が主流で、アストラを使う人も居ます」


俺が前いた時にも統一言語があったので、そこは変わっていないようだ。

ついでに今話してるのも統一言語、

英語みたいなもんだな。

アストラ語は、スペイン語よりもエスペラント語みたいな人工言語に近い。


「他は帝国語などの国の中だけで話される言葉ですね」


「古代語を話せるのはどのくらいいるんだ?」


「リアン語は、考古学者ぐらいしか話せないと思います」


「そうなもんか」


「お二人は何語を話しているのでしょうか?」


『シリウス、この場合どう答えたほうが良い?』


『一応、今話してる言語は精霊語だけど、言ったら大変なことになりそうだよね』


「独自言語ですね」


「たまに冒険者で居ますね。情報を他の人に分からないようにするために」


とりあえず何か誤魔化せたから良しとしよう。

てかこの言語を精霊語って言うのを初めて知ったし、今の所俺は日本語、精霊語、古代語、アストラ語、統一言語を話せるの。

これだけ覚えたのに英語がいまだに喋れないのはなんかのバグだよな。


「あ、ついでに隣の奴のカードも作りたいんだが良いか?」


「大丈夫ですよ。それではこちらの紙にご記入ください」


シリウスは渡された紙の欄を埋めて行く。

俺と同じところしか埋めてないけど、俺は通ったし大丈夫だろう。


「それでは、少しお時間いただきますね」


「あと買取って隣のカウンターで良いのか」


「はい、隣のカウンターになります」


「分かったありがとう」


買取は多分して貰えそうだし、本日の宿でも探しに行くか。


『シリウス、今日の宿を探しに行こう』


『分かった』


俺とシリウスは、ギルドを後にした。





  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る