天使からの誘いです
『シリウス生きてる?』
『君、やっぱり戻ってくるの早いね』
『シリウスにお土産持ってきたよ』
『いつも通りなら、食べ物かな?』
『そう食べ物だよ』
目の前にある机の上にさっきのハンバーグもどきを皿に乗っけて置く。
『これは何?』
『俺には分からん、現世のハンバーグに似てたから買ってきた』
『君はもう食べた?』
『まだ食べてない』
『なら一緒に食べよう』
『そうだな』
俺とシリウスは椅子を持ってきて、ハンバーグもどきを食べ始めた。
目玉焼きもあるし、不味くはないんだが、本当に味もハンバーグもどきなんだよな。
『もっとミンチにすれば良いのに』
『これどこで買ってきたの?』
『市場の露店で売ってたから買ってきた』
『まぁ買ってきて貰ったから文句は言わないけどね』
『あっそういえば異界に来てしまったから、ここに来る回数減るかも』
『そっか別にここで研究しなくても良いからか』
『普通に研究はシリウスが居るしここでしようと思うけど』
『来なくなるのは寂しくなるね』
シリウスに寂しいとかあるんだなと俺は思ってしまった。
なんかいつも一人で、シリウスはソファに座っているので、そういうのがないと思っていた。
『なら旅するけど一緒に来る?』
『確かに…なら、ついていこうかな』
『軽く誘ったけど、天使ってこの空間出ても大丈夫なのか?』
『多分大丈夫だよ。前は出てたし』
『なら、シリウスも冒険者登録した方が良いのかな』
『そういえば君に神から手紙が届いてるよ』
シリウスから手紙が渡れたので、中身を開けて見てみる。
文字がもう日本語じゃないんだよな。
別に読めるから良いんだけどさ。
【裕司殿、私達は貴方が天使になっても問題無いと判断した為、この手紙を送りました。
天使になっても見た目は変わりません。
基礎能力が向上したら種族が変わるだけです。
天使になる覚悟が御座いましたら、シリウスと一緒に来てください】
『シリウス…ちょっとこの手紙、見て』
『君よかったね、天使になれるって相当珍しい事だよ』
『これってさ、シリウスも天使だよね』
『同じ種族になれるって事だね』
『天使になるのは良いんだけどさ、どこに行けば良いか書かれてないんだよね』
『ルシファーのいる所に行けば良いんだと思うよ』
『シリウスも付いてきて欲しいんだけど良いかな?』
『良いよ、案内するね』
シリウスの手を握ると、目の前の風景が代わり、お城の内部みたいな所に着いた
少し中世のお城とかと違うのがわかりやすい
王座が無い。
どちらかと言うとパーティ会場に近い。
『ここには誰も居ないが、本当は誰かいるのか?』
『本当は誰かしらいるんだけど、ルシファーも居なそうだし』
『執務室とか無いのか?』
『確かあった気がする。そこに行こう』
『行くか』
シリウスに案内されて、城の廊下部分を通って、執務室に向かう。
特に変哲もない城だな。
天使は居るが神はいるのだろうか?
それとも俺達が違うものと思ってるだけで一緒のものだったりするのかもな
『ここが執務室だよ』
『鎮守府みたいな表札だな』
『どちらかと言うと大本営な気がしなくもないね』
『確かにな』
『そろそろ入ろうかな』
『ここで立ってても意味ないしな』
シリウスがドアを開けて入っていき、それに俺も着いて行った。
中に入ると、執務室というより書庫に近い感じがしてきた。
目の前に机があり、そこにはシリウスよりは大人っぽい子が座っている。
多分あの子がルシファーだろう。
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