一章

高校にせっかく入ったのにか

俺は転生してから、10数年経った。

現在は高校生として学校に通いながら、シリウスのところで研究を続けている。

面白いことに、見た目が昔の姿に酷似しており、未来にタイムスリップした感がある。


昔の高校というのは学ランが普通だったが、今はスーツに似たブレザーと言うものが増えてきているらしい。

今通っている学校もブレザーで、学ランよりも締め付けられてる感が無くて個人的には好きであるが、異世界で着ていた。服が一番楽なのでそれを着て過ごしたい。


さて俺は今、学校の屋上に来ている。

別に飛び降りて自殺をしただけでは無い。

ここなら誰にも見られずに、学校内で魔法を使えるから、ここに来ている。


こちらの世界では魔法は使えないと思っていたが、普通にこちらの世界でも魔法は使えた。能力もそのまま残っていて、頭の中で【ステータス】と呟くと、目の前に俺の能力やレベルなどが載っている物が出てくる。

個人的に一番使用している魔法は【収納魔法】である。


頭の中で【アイテムボックス】と呟くと目の前にゲームで言うメニュー画面みたいな物が出てきて、そこに何が入っているか確認することが出来る。

手で持ち運ばなくて済むのでめちゃくちゃ便利である。


「暇だな、攻撃魔法使うタイミングがないしな」


この世界では残念ながら、強力な攻撃魔法を使うタイミングが無い。

そして錬金術なんて使ったら問題になりそうなので使ってないし、結束術は思ったより便利なので使っている。

ボンレスハムとかの時に使える。


そろそろ休み時間も終わるので俺は、クラスに戻る事にした。

高校生活が始まって2ヶ月が経ったが未だにクラスのやつとはほぼ喋ったことがない。

毎日学校以外の時間のほぼ全てを、研究に費やしてる理系寄りの人間がろくに話せると思うな。

パチンカスとかギャンブラーだってそれ以外の話をしているの時は楽しくないと感じる。

俺も同じと言う事。


クラスに戻り席に着いたが、相変わらず授業はめんどくさい。

転生したので、高校生をもう一度やり直している事になるが、この時代の方が娯楽が多いがやっぱり授業はつまらないのは何百年経っても同じ。


そんな事を思いつつ机に突っ伏していると、俺的には見慣れた魔法陣が、クラス中に広がり一瞬のうちにクラスメイト全員で別の所に飛ばされた。


俺は運がなさすぎるかもしれない。

飛ばされて見えてきた光景は、真っ白な空間、シリウスに転移させられた時と同じ感じの所に来てしまった。

全員静かにしているが、それは単純に喋れないから、多分魔法だろう。

そして目の前に天使的な奴が出てくる、シリウスとは違う奴が今回俺たちを転移させようとしたらしい。


『お前達には、勇者として今から転移してもらう。流石にそのまま送るわけには行かない。そこで能力を一人ずつ付与する』


シリウスの方が性格良さそうだな。

あれ?ここで俺がシリアスな空間に転移したらどうなるんだろう。

俺は興味が出てきたので、やってみる事にした。


指輪に魔力を少し流すと、俺の目の前の景色が変わり、シリウスの空間に着くことができた。ここの空間には俺の研究に使っているのものがある為、真っ白ではあるが殺風景な景色では無い。


『あれ?もう学校終わったの?』


『シリウスか、面白いことが起きてて、何か学校に居たらクラスメイトごとの転移に巻き込まれた』


『そういえばリゲルが、勇者が必要と異界に言われたから転移させるって言ってた』


『俺ってなんか呪われてたりする?』


『大丈夫、単純に運が無いだけだから』


『それでさ、転移の時の真っ白の空間の時にここに来たけど、今戻ったらどうなる?』


『異界に転移させられると思うけど、座標がズレると思う』


『あっそう言う感じか』


そういえば最近、シリウスとは日本語ではなく、シリウス達の使っている言葉で会話をしている。

そっちの方が便利なのと、【翻訳】の能力があれば文字や発音を学ぶのがめちゃくちゃ楽になったおかげで10何年間で完璧に覚えることができた。


『戻った方が良いか?』


『異界に行ったってここにはいつでも来れるし、行って来れば?』


『了解、とりあえず行ってくる』


俺はまた指輪に魔力を流し、転移する。

転移先は分からないが、勇者って言ったらお城だろ(多分)

そう思いながら、俺はやっていると、何もない森に到着した。






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