第3話 自分の姿を確認しよう
「ん…」
ほんわかと温かい電球色の様な光を感じで、私は目を覚ました。
目を開けると、薄茶色の木製の天井に裸電球の様なものがぶら下がっていて、ほんのり温かい光が広がっている。その光を遮る形で、絶世のイケメンの顔が現れて…
ー「◯◯◯◯◯◯」
何かを話しかけてきた。
『う、うわぁぁぁっ‼︎‼︎』
こんな間近にイケメンの顔が現れて、まともに反応が出来るわけがない。固まってしまって、うまく反応出来ない状態になってしまったが、とりあえず何か反応しなければと思い…
「だ、だだだ大丈夫ですっ‼︎‼︎ 助けてくださってあ、ああああありがとうございましたっ‼︎‼︎」
慌てて、身を起こして日本語でお礼を言ってしまった。
すると、絶世のイケメンは、彫刻の芸術品の様な美しい口元を少し緩ませて
ー「○○○○」
と言うと、私の頭をまるで子供をあやす様にポンポンっと軽く撫でてから立ち上がり、部屋の外へと出て行った。
部屋…。そう、ここは部屋の中だ。
体を起こして周囲を見ると、どうやらここは木製造りの小さな部屋で、室内には私の寝ていたベットと、その他はシンプルな机と椅子、そして飾りっ気のない木製の鏡台が置かれていた。
鏡台…鏡…
私は、ベットから降りて、鏡台に向かった。もちろん、今の私の姿を見る為だ。
自分の性別が男になっている事は、ここに来てすぐに確認したが、実はもう一つ気になっている事が…いやたぶん確定なんだけど、ちゃんと確認しておかなければならない事があるのだ。
テトテトと、小さな素足で床を歩き、鏡台…その付属椅子の上に立って自分の姿を鏡に映した。
「……っ‼︎‼︎‼︎」
まじか…いや想像以上である…。
鏡に映っていた私の姿は、柔らかい栗色の癖っ毛に、緑ががった黒色の瞳を持った、整った顔立ちの子供だった。
子供…整った顔立ちの美しい男児…
そう『ショタ』であるっ‼︎‼︎(しかも超美形‼︎‼︎)
しかも前世で私が死ぬ前日に読んでたBL小説に出てくる『受け』そっくりっ‼︎‼︎
ま…まさか、自分がリアルショタになるなんて…もしかしてこの異世界って『BLファンタジー世界』だったりするのだろうか…だとしたら、私はこの姿なら当然メインキャラか…(この姿でモブって事はあるはずないっ‼︎‼︎)
てか危ないところを助けられて保護されてって今の状況…。もしかして助けてくれた人達の中の誰かとフラグが立つとか⁉︎
「う、うわぁぁ…どうしよう…」
お、思わず興奮して、鏡台の前で椅子に乗ったまま両手で頭を抱えて仰け反ってしまう…。
考え事をし始めるとどうもエキサイトしてしまう性格は、前世からそのまま引き継いでいるようだ…と、その時
「あっ…しまっ‼︎」
バランスを崩して椅子から落ちそうになってしま…
ードンッ!!!!
いや、落ちた。椅子の真後ろにお尻激突である。
「イタタタタタッ…」
尻餅つくとか、前世の子供時代ぶりである。普通にものすごく痛い。そしてこんな大きな音を立てたらきっと、誰かがすぐに様子を見に来るだろう…。もしかしてそれでフラグが立ったりして…と考えていたら
ー「◯◯◯◯⁉︎」
ドアの外から低音の声がして、すぐに室内に入って来たのは、先程の絶世のイケメンエルフさんだった。
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