第2話 ちゃんと助けが入るパターンの様です

なんと…助けが入るパターンだったみたい。


まばゆい光が収まった後に目を開けると、そこには光で出来た矢っぽいものが数本ぶっ刺さったトラもどきが横たわっていた。


ここは洞窟?みたいな天井のある場所なのに、一体どこから飛んできたんだろうと、一瞬不思議に思ったが、そんな事よりムーちゃんの安否を確認しなければっ‼︎


「ムゥゥ…」


急いでムーちゃんに駆け寄り声をかけると、ムーちゃんは私に気がついて、弱々しい声で鳴いた。状態は素人目にみてもかなりヤバい感じだ…。サイズは最初に見た時ぐらいに戻っていて、トラもどきにやられた傷口からはドロドロと赤い血が流れ出ている。


ー「◯◯◯◯?」


とその時、頭上から低音の男性の声が聞こえて来た。言葉は分からない。おそらくさっき光の矢っぽいのを打ってトラもどきから私たちを助けてくれた人だろうとは思ったが…


ー「◯◯◯◯?」


続けて声をかけられ、顔を上げる。


「あっ…」


思わず声が出てしまった。なにせそこに立っていたのは異世界ファンタジーならではの美しい容姿の男性。


ザ・イケメンエルフ(ダーク)っ‼︎‼︎


まるでファンタジー映画の中から出て来たような、いやそれ以上の美しい整った容姿。薄紫の肌にキラキラ光る銀色の長髪…


す、すごい、本物だっ‼︎……と、こんな時なのに思わずテンションが上がってしまったが、今はそれどころではなくムーちゃんを助けなければっ‼︎


言葉は伝わらなくてもジェスチャーでならと、私は身ぶり手振りで必死にムーちゃんの助けを訴えようとした…


のだが…その必要もなかった様で、すぐにムーちゃんのそばに別の人が駆け寄り、治療の魔法っぽいものをかけ始めてくれていた。


▲▽▲▽


どうやら、私とムーちゃんはこの人達に助けてもらえる様だ。とはいえ、まだ自分の置かれた状況は分からず、安心できる様な状態ではないかもしれないが、異世界転生生活の出鼻にこんな非日常を味わった為か…身体中にどっと疲れが回って来て…急に意識が薄れてきてしまった。

 

……。

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