第74話
と言うことで、菫と街に行くことになったわけだが、まずは紅葉たちに連絡を入れるのが先だ。
『思念伝達』
【あーあー、紅葉?聞こえるか?】
【蒼夜か?いきなりどうした?時間的にはそろそろ家に帰ってくるのだろう?】
【それなんだが...この後菫と街に行く事になってな。帰るのが遅くなるから連絡を入れたんだ】
【ほお?菫とは...ああ、あの小娘か。彼奴ならば別に構わぬ。帰る時間が決まったら教えよ、夕食と風呂の準備をしてやる】
よし、機嫌が悪いとかなさそうだし一安心だな。
【ありがとう。今度の土日にでも紅葉を連れて街に行ってみようか。二人きりで行ってもいいし、月読や冥奈。帰ってきているなら紗枝も一緒に大人数で行っても良いしな】
【む?そうか?ならば次の土日にでも全員で行こう。スマホで調べて今の街並みに興味があるからな。それと、別の日に二人きりで出かけたいが構わぬか?】
別の日かぁ。最近色々あっていつ休みが潰れるかわからないんだが...そうだ!学校サボって平日に行くか。仕事とはいえ一ヶ月以上学校を休んだのだから一日増えたところで気にする必要もない。
【わかった。次の土日のどちらかで全員で街に出よう。それと、二人で出かけるのは何処かの平日に学校をサボってブラブラしようか。平日なら娯楽施設もいくらか空いているだろうからな】
【うむ、わかった。では月読たちにも言っておくぞ?】
【ああ、よろしく】
ふー、菫と街に行くことに関して問題無く許可取れたし、一緒に街に出かける予定も作れたしで万々歳だな!
俺がそのことに喜んでいると、ちょうど準備が終わったらしく、菫が戻ってきた。
「お待たせ。準備ができたから行きましょうか」
「おう、こっちも紅葉に許可貰ったからある程度遅くまでは街を回れるぞ」
「それは良かったわ」
その後、軽く会議室を片付けて、隠密能力付きの龍に乗って街へと向かった。
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「やっぱり人多いな」
これだけ人が多い所に来たのは、少し前に街に寄った以外では前世以来だな。
「それはそうよ。東京ほどではないけれどそれなりに都会だし、第一貴方の住んでいる場所は宝生院の本家がある場所と同じで、周りが山や森に囲まれたような場所でしょう?なら人も家族と家に仕える人達ぐらいしかいないでしょうし」
「あー、それもそうだな。あと、俺の場合他の家の宴とかも一度も行かなかったし」
なんならそれも最近になって知った。いや、元々旧家や華族の類がパーティーをやったりしているのは知っていたけど、父さん達も何も言わないからすっかり頭の中から抜けていたというべきか。
「あら、そうなの?そう言われてみれば、パーティーで貴方の姿を見たことがないし、話も聞いたことがなかったわね。それに、婚約者も今は紅葉様がいるみたいだけれど、その前には一人もいないどころか婚約話すら無いみたいだし」
「まあな、婚約に関しては何も知らないな。父さん達も何も言わなかったし。ちなみに、今は紅葉とあと三人ほど婚約者がいるな」
紅葉と月読はすでに既成事実状態。美雪に関しては咲耶が定期的に夢に出てきては近況報告をしてくるから色々と恥ずかしいところまで知ってしまっている。紗枝に関しては......紅葉が昨夜電話したら「兄様に帰ったらとても大事な話があると言っておいてください」と、俺に対する伝言を受け取ったようだ。
なお、紅葉の話では電話越しでも黄泉の冷気が感じられたとかなんとか\(^o^)/オワタ
「...一気に増えたのね?」
「一気にっていうか...ようやく俺が覚悟を決めた的な...?」
「そうなの......でもそれなら私にもチャンスが?紅葉様達にも協力を頼めばなんとか...」
「どうした?いきなり俯いて?」
「いっいえ、なんでもないわよ...!?」
??俯いて何か喋っているみたいだったが...?おかしいな超越者になって知覚能力も上がったのに空耳か?
「そ、それよりも!街をもっと回るわよ!おしゃれなカフェとか、遊ぶところもたくさんあるんだから!」
「ちょっ!いきなり引っ張るなって!」
俺が考え込んでいると、少し慌てた様子で菫が腕を引っ張ってきた。
まあ、ここで抵抗もできるが前世で青春らしい青春を送れなかった身としては、こういうのも楽しいし振り回されてみよう。
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待たせたな(`・ω・´)
......はい、遅れてすみません。少しずつペース上げていきます_:(´ཀ`」 ∠):
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