第51話





「今回は大変だったな」


「そうですね。当分はこういった依頼は受けたくないですね」


「まったくだ」


 俺たちは今、家に帰る途中だ。


 あの後、話が飛び火して少し経ったぐらいに車が何台か来て楓や負傷者達を回収したので俺たちの護衛依頼は完了した。

 報酬もあとで振り込まれるだろうし、高校入る前に超越者になれたのもあって今回は収穫が盛り沢山だ。


 ちなみに、行きに乗った車はスクラップになったので、『五行神龍』の内、土龍のみを出して乗り物にしている。なお、紅葉はチョコを始めとしたお菓子を与えてみたら夢中になって無言で口に詰め込んでいる。

 これ倒さなくても餌付けで手懐けられたんじゃね?と、思ってしまったのは秘密だ。


「でも帰ったら帰ったでやる事あるよな?」


「はい。今回の支出は勿論、依頼実行中の内容や紅葉様の契約など山盛りですね」


「とりあえず紗枝と母さん達に紅葉について詰め寄られるのは確定かな」


「頑張ってください」


 うーむ。美雪とイチャついた時に見せる紗枝の黄泉津大神の如き陰気と母さん達の「あらあらまあまあ」と言ったうざったいのを考えると胃が痛い。父さんは父さんで哀れみを込めた視線を向けてくるだろうしなぁ。


 それとは別にハッキリさせておくこともあるし...


「それで、本当に里に帰るんだな?」


「はい。若様は私が十分頑張っていると言ってくださいましたが、やはり今のままでは力不足...私は足手纏いになりたくないのです。幸い強くなる為の明確な手段を得られたのでしっかりと鍛え直そうと思います」


「そう言うことなら俺からは何も言わないよ。ただ、怪我とかには気をつけるんだぞ?」


「はい!」


 強くなる為に決心したのはいいことだし、帰ってきた時が楽しみだな。

 それに、その時までには俺もこの気持ちにケリをつけられるだろうし。







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「ほー、ここが蒼夜の家か?」


「ああ。でも、実際に使ってるのは一部の屋敷だけで、他は住み込みで働いている召使いや護衛の為の部屋だけどな」


 ちょうど日の出と同時に家についた俺たち一行は、今絶賛長い階段を登っている。

 何故かと言えば、ウチの敷地内がすっぽり入るサイズの結界がドーム状に貼られているからだな。なお、地下は地下で結界とは別の守りが置かれているんだが、それはおいおい。


 それでまぁ、この結界は融通が効かなくてだな。一部穴を開けて通るとか、一時解除するとか一切無し。門から正式に入って神社も真っ青な階段を登らないといけないわけだ。

 まあ、両端に桜の木とか楓の木とか植えてあって綺麗だし、鳥居も一定間隔であって嫌いじゃないんだけどな。


「それにしても階段が長いな。何故どこの家もこんなに大規模な階段をつけるのだ?」


「まあ、古い家ってこんなもんだろ。見たことないけど、多分御三家とか上位の退魔師家系で本家や本家に近い分家なら規模の違いはあれど、同じじゃないかな?」


「そうですね。私の里もこんな感じの屋敷がありました。まあ、雪女の里なので天気の違いはあれど年中雪に包まれていますが」


「そういうものか」


「そういうもんだ」


「そういうものです」


 っと、話しているといつの間にか階段を登り切り、屋敷の入り口についたな。


「立派な門だな」


「歴史もあるし、没落したりもせず力を保ち続けてるからな。そういえば最近聞いた話だと家って御三家よりも古いらしいぞ。かれこれ二千年以上続いてるんだと」


「すごいですよねぇ。私の里なんてせいぜい千年ぐらいですし」


「吾は十分長いと思うがな。ちなみに吾の年齢は多分五千ぐらいはいっておるだろうな。高天原の天津神や地上に降りたり地上に生まれた国津神共も見たことがあるからな」


「...拝んだほうがいい?」


「やめよ。貴様は吾の夫になるのだぞ?」


「でも、それならよく若様が勝てましたよね?それだけの年月を生きているならとても強そうですけど」


「今は人の時代故な、妖などもいるが流石に吾のような古い存在は地上から去ったり眠りについたり、吾のように力を制限してフラついていたりする」


「そうなんですね!」


 よし!考えるのはやめだ!家に着いてようやくゆっくりできるし三日ぐらいはダラダラ過ごして疲れをとるとしよう!







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きぃぃぃぃいいぃぃぃええぇぇぇぇぇぇぁぁぁぁああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぅぅぅぅうううぅぅぅうおぉぉぉぉぉぉぉぉぁぁぁぁぉぁぁ!!!!!!!!!!!!!!!!!



......発狂するとスッキリした。








久しぶり。最近モチベ上がらなくてウジウジしてました。ごめんなさい(白目)


先に言っておくと、紅葉が屋敷を見ていないのに屋敷について言及できるのは神識とかそう言うやつ。

 

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