第11話



「父さん、装備は貰いましたし刀も選びました、次は消耗品の説明と妖退治をいつやるのか教えてください」


 俺が蒼月を選んだのがよほど面白かったのか笑っている父さんに話しかけた。


「ああそうだったな、まずは消耗品から説明しよう、とは言え数はあまり多く無い、最初に普通の傷薬、痛みを抑え傷を塞ぐ効能はいいが霊薬には及ばない、次は霊薬かなりの重傷でもすぐに治してしまう塗り薬の物と飲み薬の物2種類を渡しておく、最後に護符だ、致命傷を負った時に一度だけ肩代わりしてくれる、貴重品ではあるがそもそも使わないに越したことはないから気をつけるように」


 そう言って、普通の容器に入った塗り薬と少し豪華な容器に入った塗り薬と飲み薬、そして、前世で陰陽師が使っているようなお札を出した(確か宝形印だとか牛王宝印だとかだったっけ?)


「そして次に、妖退治に関してだが5日以内に行ってもらう、なぜすぐでは無いのかに関しては装備にある程度慣れるためだ、合わなければ手直しも必要だしな、そして現役の退魔師ならまだしも蒼夜は今回が初陣だ心の準備も必要だろう」


 父さんは俺を気遣ってくれたらしい、まあ、美雪も相手が雑魚とは言え妖の相手をするのも久しぶりらしいからな、ありがたい。


「わかりました、この後は装備の確認をします、日にちについては今夜までに決めます」


「わかった、無理はするなよ」


 父さんは少し心配そうにそう言った。


「はい、では失礼します」


 そう言って俺は席を立ち、美雪も荷物を持って俺の後に続いた。



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 今俺は美雪と共に鍛錬場にいる、鍛錬場とは霊術や武術を鍛錬するところだ、少し前に父さんに刀を教えてもらったり霊術を教えてもらったりなどしたのもこことは場所が違うだけで鍛錬場の一つだ、我が家にはいくつか鍛錬場があり他にも屋敷にいる召使いや護衛が使うための場所や地下に作られた場所もある。


 その鍛錬場で俺は今父さんに用意してもらった術の込められた紋入りの羽織袴に蒼月と完全装備の状態で10メートルほど離れた美雪と向かい合っている、対する美雪も巫女服に直槍、予備武器の脇差ほどでは無いが小さな刀を装備している、(どちらも真剣だが特殊な結界を張ってあるから一定以上の怪我をしたら鍛錬場の外に飛ばされるので安心)美雪の装備にはどれも霊力がこもっているので父さんの言う通り一級品なのだろう。


「それじゃあ美雪始めるよ?」


 俺がそう聞けば...


「はい構いません」


 美雪もそう返す。


 次の瞬間俺は美雪に駆け出した。


「ふっ!」


 美雪にある程度近づくと槍で迎撃してくる、槍と刀それもこちらは大きいとは言えまだ五歳児の体、霊力を使えるのならまだしも今回は装備の確認だから霊力は無しだ。


「てい!」


 キイィィィィ....


 突き出された槍を弾くのではなく蒼月で背後へ流しそのまま美雪に近づいていく。


 すると美雪は後ろへ跳びながら槍を戻し回転させ、下から石突で殴ろうとする。


 俺はこれを後ろは跳ぶことで躱し、姿勢を整えて蒼月を八相に構える。


「若様、着物や刀に変なところはございませんか?」


 と、槍を構えながら美雪が聞いてくる。手加減されているとは言え武術ではまだまだ敵わないと思わせられて悔しい気持ちがある。


「ああ、この着物も動きやすいし蒼月もとても手に馴染む重さや長さも丁度いいよ」


 俺は、そう答えながらまた美雪に向かって駆けてゆく。


「せい!」


 さっきと同じように槍を突き出して迎撃してきたから今度は八相に構えた蒼月で斜め下に弾き、槍の柄の部分に引っ付くようにして間合いを詰めていく。


「いい考えですがまだまだですよっ」


 美雪はそう言いながら片方の足で俺を蹴ろうとしてきた。


 それを俺は横に跳び、転がることによって避ける。そして起き上がって刀を構えると今度は美雪の方から向かってきた。


「まだまだ美雪には武術で勝つのは難しそうだね!」


 俺は、そう言いながら今度は突きでは無く横薙ぎできた槍を上に弾いた。


「若様より年上なのですから当然です、霊術では追い抜かれそうと言うか追い抜かれているかもしれないのに武術でまだ追い抜かれるわけにはいきません!」


 美雪は、そう返しながら上に弾かれた槍を止め、振り下ろし攻撃をしてきた。


 俺はそれを弾き美雪は弾かれた勢いを利用し距離をとった。


「装備は問題ないけど慣れるためにもう少し相手してもらうよ」


 俺は美雪に向かって走りながらそう言った。


「はい、いくらでもお相手いたします」


 美雪もそう答え槍を構えた。


 その後、かなりの時間俺たちは戦い続けた。





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 戦闘描写ってこんな感じでいいんでしょうかね?他の作家さんのも参考にしてみたんですがうまく書けたかちょっと不安です。





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