第8話
「そうだな、説明はするが先に自己紹介をしてもいいか?」
父さんはそう聞いてきた。
「はい、いいですよ。俺もした方がいいですか?」
「いや、お前のことはもう二人に話してあるから大丈夫だ」
そう言って自己紹介を始めた。
「まずは、オレの二人目の妻である
父さんがそう言って目を向けたら二人のうち大人の方の女性が...
「紗季と言います。お願いします」
そう言って頭を下げた。
「次に、娘でありお前の妹になる
次に、幼女の方が...
「え..えっと、さえですよんさいですよろしくおねがいしますおにいさま」
と、緊張しながらではあるがそう言って勢いよく頭を下げた。
「と、二人のことはわかったな?」
父さんはそう言った。
「うん、わかったよ。それじゃあ今になってしまった説明をしてください」
俺はそう返した。
「ああ、説明を始めるとしよう」
父さんは二人のことについて語り出した。
「まずは、紗季についてだな、彼女は天峰家の分家の生まれでな元々幼い頃からオレの側室になる予定でな唯とも仲が良かったんだ、本来であれば唯と結婚した少し後に紗季とも結婚するはずだったんだが、その分家が妖に襲われて紗季以外ほぼ全員が死んでしまったんだ」
俺はとても驚いた、なぜなら...
「ちょっと待ってよ父さん、天峰家の分家は数は少ないけどその分、実力面ではかなり高いって言っていたじゃないか」
そう、御三家などに比べれば劣りはするがほかの家の分家と比べれば、中には本家の当主クラスさえも出てくることがあるうちの分家はかなり力が強いからだ。
「ああ、それ自体は合っているし当時の当主は彼女の父親で下の方では合ったが上の中ほどの実力があった」
「なら、なんで?」
俺は余計に困惑した。
「相手が悪かったとしか言えない、襲ってきた相手が上の上の化け物でな、オレでもおそらく勝つことは難しい」
「そいつは討伐されたの?」
俺は大事なことを聞いた。
「いや、彼女の父親が死と引き換えにかなりの重傷を負わせはしたが逃げられてしまった」
そう言われてなんとなく家に迎え入れた理由がわかった。
「つまり、今になってしまった理由は分家が潰れてしまったことに対する対処や逃げた妖を追いかけたりしていたからでいいの?」
「ああ、その通りだ」
それなら不思議はないが、一つ聞いておきたいことがあった。
「理由はわかったけどそんなに大変だったのなら、普通迎え入れてから子供を作るんじゃないの?」
俺はそう聞いた、そうすると父さんは顔を逸らし紗季さんは顔を赤くしてこう言った。
「その...だな、色々走り回って大変だったっていうのと紗季を慰めるために一緒にいたらつい、な?」
父さんは目を逸らしながら言い。
「えっと、父が死んでしまい家も潰れてしまって色々不安だったので蓮也さんに慰めていただいてたらその、できてしまったのです」
紗季さんは恥ずかしそうに頬を染めながら言った、なんとも恥ずかしい話である。と言うか普通子供に全部洗いざらい吐かないだろとも思った。
「それならそれでわかったけど、やっぱりなんで今なの?子供ができたらむしろもっと早く迎え入れるべきだと思うんだけど」
俺は、そう聞いた。
「ああ、それに関しては紗枝の体質が問題でな、
そう聞かれ授業で習ったことを思い出した、確かこの体質は人によるが基本的に他人より霊力量が多く優れているところが多い反面、妖に襲われることがとても多くなると言うか思いっきり狙われると言うもの。(襲うのは、人間と契約し人権を得た妖や温厚な妖はではなく積極的に人間を襲う妖に限られる。一部例外もある)
「うん、知ってる。確か妖に狙われやすいけど霊力が多かったりするんだっけ?」
「ああ、その通りだ、当時はまだ色々なことに手が回り切っていなくてな家に迎えるより隠匿の結界を張ってそこで暮らしてもらう方が確実だったんだ、今日お前を呼んで迎え入れると言ったのは紗枝が霊力を扱う訓練をして幾らか体質を抑えられるようになったからだな」
父さんはそう説明した、確かに紗季さんは中の上くらいの実力はありそうだし、紗枝も四歳にしてはかなり霊力が多い、将来的に上の下までは確実だろうな、霊術なんかを色々教えてあげよう。
「なるほど、理由はわかったよ、俺は二人を家族として迎え入れてもいいよ妹も欲しかったしね」
俺はそう言った。
「そうか、お前がそう言ってくれて良かったよ、それじゃあ改めて自己紹介をしてくれ」
父さんはそう俺と紗季さんと紗枝に言った。
「天峰 蒼夜ですこれからよろしくお願いします、紗季さん、紗枝」
「はい、こちらこそお願いします、蒼夜くん」
「おねがいします、おにいさま」
こうして、新しい家族が増えた、と言うか紗枝が可愛い、これはシスコンになってしまうかもなあ。
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紗季さんは黒髪黒目の可愛い系の美人です
紗枝ちゃんは黒髪に赤みがかった黒い目で将来的に父親と母親のいいとこ取りをした感じのイケメン系と可愛い系を足して二で割った感じの美人になる予定です。
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