第6話




 今俺は、美雪の後に続いて父さんのいるところまで家の中を先導してもらってる。


 そんな中、渡り廊下に差し掛かったところでこう言った。


「あいかわらずすごい庭だよね、美雪はどう思う?」


「はい、すごいです日本の中でも観光地のような場所を除けば日本で一二を争うほど立派です。でも、若様の家でもあるんですよ?」


 そう、我が家の庭である。

 なんでも、基本退魔師の家は名家として扱われ余程末端の分家でもない限りそれなりの大きさの屋敷に住むのが普通らしい。


 その中でも、俺の生まれた天峰家は家格が上位と言うのと歴史だけで見れば御三家などの退魔師界のトップと同等かそれ以上らしいので、御三家には及ばないにしても凄まじく家が広い。


 具体的には大きな屋敷がいくつかあってそれを渡り廊下で繋いだような作りをしている。もちろん日本家屋である。


 とは言っても電気ガス水道は通ってるしトイレも水洗の洋式だし、住んでる場所も家族が住んでる場所は大きいけどあくまで一部残りは美雪みたいな住み込みで働いてる召使いや屋敷の護衛や警備をしている人たちが住む場所と客人を通す広間が大半だ、残り一部は武器や霊術に関する本などがしまってある武器庫やら書庫である。


 おっと話がそれた、それで俺がどうして庭に感動したのかといえば俺が前世で和風なモノ特に寺社仏閣や城、武家屋敷などが大好きでそれと同じで日本庭園も好きだからだ、我が家の庭は前世で見た庭園と比べても立派なモノだし池や茶室なんかもあって個人的にはそこがポイント高い、ちなみに俺の住んでる部屋は特に庭の眺めがいいところで霊術の修行も捗るので一石二鳥である。


「ところで、本当にこっち?家族の話があるならここまでこないと思うけど」


 我が家は広いので屋敷がいくつもある、なので役割に応じて分けてある、具体的には家族で使うところや来客を迎えるところ我が家に仕える者たちが住む場所に武器庫などのまあ、倉庫として扱われているところなどだ、ちなみに、内装は個人の部屋はともかく基本的に和風なモノだから座椅子や低い机なんかが多い。

 そして今俺が向かっているのは客人を迎える場所だ、今日は特に誰かが訪ねてくる予定はなかったはずなんだが...


「ええと、私も詳しく教えてはもらってないのですが、他家の方というよりかなり親しい方が来られたようです」


「そっか、ありがとう」


 となると、俺の退魔師デビューはまだ先かな、不安といえば不安だけど早めに妖を祓って実戦を経験しておきたいんだけどなぁ。


「若様、当主様のいるお部屋につきました」


 そんなことを考えていたらいつの間にか着いたようである。


 さて、親しい人が来ているらしいが何のようなんだろうかね?


 







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