第0022撃「メタ氏、カードケース(下敷き)を叩き割る!!」の巻
平成元年1989年、夏頃、中学一年。
同級生の女子生徒の悦田(仮名)が次第にヤンキー味を増してましたが、
しかし制服の白いシャツ姿がどこか色気づいて見えました。
彼女の下着が透けて見えたわけではなかったのですが、
「透けて見えてるよ」と小生は嘘をついてみたのでした。
悦田は「エッ!エッ!」と慌てた様子でトイレへ向かいました。
「夢野〜、教えてくれてありがとうなー」
帰ってくるなり悦田はそう言いましたが、
別に透けてはないんやけどなぁと、
小生は人を簡単に操作出来たことのほうに、
妙に感心してしまいました。
平成元年1989年、11月下旬。中学一年。
小生が患っているトゥレット症候群(難治性重度チック症)はさらに悪化しており、
たびたび「イヨーン!」と発声したり首をぶんぶん振ることに、
悦田も気色悪いといった態度をあからさまにするようになってました。
女子生徒のあいだでは、
カードケースというノート用の下敷きに、
自分の好きなアイドルの写真などを挟んでおくことが流行ってました。
小生もその影響を受けて、
以前買った松任谷由実の「anniversary」の
シングルカセットテープのジャケット写真と歌詞カードをコピーして、
カードケースに挟んで中学生活を満喫している気分でいました。
それを見た悦田が「女子みたいなことすんな、キショいんじゃ」、
と言って顔を歪ませたのでした。
〈皆んな言わないだけでクラスの女子生徒は、自分のことをそう思ってたのか〉
そんなふうに感じた小生は、
急にカードケースを叩きわりたくなりました。
〈叩いてはいけない…叩いてはいけない…叩きたくない…叩かなくてはならない!〉
強迫性障害のエネルギーがピークに達して、
小生はカードケースを教室の机の角に、
スパーン!と叩きつけました。
すると、カードケースは、
幾つもの欠片になって辺りに飛散したのでした。
カードケースのことをちょっと批判されたくらいで割ったのも、
〈周りの集団に受け入れてもらえないのではないか〉
という生存への恐怖から、
〈このままの自分ではいけない〉
と自分を否定する行為になったのだと思います。
ほんとは大切に扱いたいのに、
破壊せずにはいられない…。
強迫性障害の症状はいろんなところに出るようになりました。
学ランの表面についたゴミを取るエチケットブラシというのを、
小生は普段からポケットに入れてました。
エチケットブラシは折りたたみ式になっていて、
それを開くと一方がブラシ、反対側が手鏡になっています。
そして小生は鏡の部分(ミラー)を、
何かにあてて割らずにはおれず割ってしまい、
鏡に亀裂の入ったエチケットブラシを
ずっと持ち続けたのでした。
Wink「愛が止まらない」
Spotifyで聴く https://open.spotify.com/track/1PO6RtRTJTm9g1sMBCSeFN?si=jXG27CK-TXWSCQXzlDA7_Q
YouTubeで観る https://youtu.be/DSKwziTbZLw?si=eFej4zuebBB3owrG
Wink「One Night In Heaven 〜真夜中のエンジェル〜」
Spotifyで聴く https://open.spotify.com/track/3669pYYibpk9vAyec3fkgC?si=xKtPfkNQSOaW6sU3lc9m1A
YouTubeで観る https://youtu.be/GAfhb1l7hLU?si=3Rd0AdBVHLu37fcb
◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇
懐かCMを観る1989年⑤11月
https://youtu.be/aFWyD7MVWM4?si=2YQ5g55G-HHVyj8I
続く。果てしなく続く……。
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