第10話 圧倒的なチカラ①
俺はヒュプノシス(催眠)のチカラを使い、内田の動きを止めた。
内田は驚愕の表情で、殴る仕草のまま身体が硬直している。
「ど、どうなってやがる…
か、身体が…
動かねぇ…ッ!?
オイッ、お前、俺に何をしやがった!
オイ、聞いてるのかっ!」
「あー、
それを聞いた内田が口を開く事が出来ずにモゴモゴさせて、ん゛〜ん゛〜言っていたがそのうち静かになった。
その様子を見ていた他の男3人程が半信半疑といった感じではあるが、
「テメェ…」
「大人しくしろ」
等と言いながら俺に害を為そうと近付いて来たので、今度はフォノンキネシス(音波を操る超能力、音や衝撃波を操作することができる)の衝撃波で3人を後方へと吹き飛ばした。
3人共後転を3回程繰り返しだらしなく気絶したが、その中の1人は小便を漏らしたのか股間にシミが広がっていた。
それを見た俺は近くにあった水道の蛇口を捻り水を出すと、
「武士の情けだ、俺が水で濡らした事にすればいい。」
…てか、俺は武士の家系じゃ無いし、本当に俺が水をぶっ掛けちゃうんだけどね…等と考えながらアクアキネシスを使い大量の水を操って、漏らした男の頭上で大量の水溜まりを作ってから、その水を男の下半身に一気にぶっ掛けてやった。
その様子を見ていたその他大勢は、目の前で何が起こっているのか解らないといった顔で立ち竦んでいたが、その中でも行動力があるのか2人程逃げ出そうとした男がいたので
「全員、並べ。」
と催眠で俺が命令すると、女5人、男5人は体育館裏の外壁に沿って全員整列した。
どうやら水をぶっ掛けた男は意識を取り戻した様だ。
残りの気絶した男2人はサイコキネシスで最後尾に無理矢理整列させた。
俺と気絶している男2人以外の誰も彼もが、何故自分達が素直に従っているのだろう?と不思議に思っている様な困惑した表情をしていたが、同時に空気も読めている様で、誰一人として口を開く者は居なかった。
「最初に殴り掛かって来た小物が纏め役とか言っていたが、他に話が出来る奴は居ないのか?」
と全員に話し掛けると、
「じゃぁ、アタシが…。」
とおずおずと堀が手を上げた。
「その…質問していいかい?」
「何だ?」
「アンタ…何なの?
これは…この力は…
催眠術か何かなのかい?」
「…まぁそんな様なものだ。
俺が言った言葉は決して拒めないから無駄な抵抗は止めろ。
それに俺には嘘も通用しない、無駄な時間を省くために嘘も付くな。」
「あ…あぁ…解った…。
で、アタシ達は何をしたらいいんだい?
アタシ達を呼び出したって事は、何かあるんだろ?」
「あぁ、話が早くて助かる。
先ず質問だ、オマエ等の仲間はこれで全員か?」
「イヤ、まだまだいっぱいいるよ。
今夜アンタの家を襲って寝首を掻くくらいの人数はね。」
俺はテレパスのチカラで堀の付いた嘘を見抜いていた。
堀にこれ以上の仲間は居ないし、ビビりながらもどうにか俺のマウントを取ろうとしている様だ。
「もういい…まだ脅しが足りなかった様だな…
ちょっと1回飛んで来い。」
俺はサイコキネシスを使って堀を体育館の上まで一気に浮かばせると、頭を下にさせ地面に急降下させる。
そして地上まで後数センチのところで止めてやった。
逆さになっていた堀をサイコキネシスで元の位置に戻し整列させると、気絶していた堀を無理矢理揺すって起こす。
「…解ったか?嘘は付くなと言ったハズだ。
俺は今直ぐにでもオマエ等全員を集団自殺に見せかけて殺せるくらいのチカラはある…
オマエ等は、今夜の事なんて気にしなくていい。
…2度目は無いぞ。」
俺の脅しが効いたのか、全員が顔を真っ青にして黙り込んでいた。
モチロンただの脅しで、本当に殺したりなんてしないがな。
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