第17.5話 全力桜夜 part1
「お風呂入るね~」
そう言って、凛大はリビングを出て行った。
『ずっと一緒...』
桜夜の頭の中にはその言葉が無限にループしていた。
『何考えてるんだよ...』
凛大は桜夜の思考を読み取って理解する。その異常さを。
『どんな感じなんだろう。知りたい!見てみたい!念話(:脳内での会話)ができるらしいし、視覚の共有もできるらしいしちょっとくらい見ても...イイヨネ...』
なんていう感情を、溢れさせている。人間だったら、顔を真っ赤にして妄想していることだろう。実際には、ネコの体で母の膝の上でそわそわしているだけである。
『はぁ...そこまで異常なのは予想外だよ...』
凛大は、桜夜の感情を読んで声を漏らす。
「まぁ、念のためつけておいた機能がここで役に立つんだなぁ」
そう言って、桜夜の脳内に語り掛ける。
「そんなに易々と覗かせるわけないじゃん...」
「にゃ?(え?)」
そんな間抜けな声を出して桜夜は思考が停止した。すると、桜夜の腕に着いていたバンドの情報が一気に入ってこなくなった。簡単に言うと、ボイスチャットや電話などのミュート機能みたいなものを使ったのである。
『にゃぁ!に”ゃ~~(なんでぇ~)』
そんな桜夜の心の叫びを聞いて、『なんでこんな異常になったんだろう』と疑問に思う凛大だった。
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