第10話 ネコちゃん出動!!
「お風呂どうぞ~」
お風呂からあがって、髪をタオルで拭きながらリビングに入る。
「じゃあネコちゃんと入ってきまーす」
ネコを抱っこして立ち上がった母と入れ替わるようにソファにドサッと座り込む。母がリビングから出たとき凛大は深く考え込む。
「どんなのがいいかな...」
凛大は何かに悩んでいた。
時は夜11:00。母も寝てしまって、ネコと二人っきりで部屋にいる。
「凛大...詳しく教えて...」
聞きにくそうに問うのはネコ。人間の言葉を発していた。
「まぁ話すよ。でも先に任務に行ってもらうよ?」
ネコは渋々と了承する。
依頼は一つ。
隣の地域の町外れにある森に、謎の生物が現れたのでその調査及び保護または捕獲、討伐というもの。凛大が行くべき任務ではあるがネコに任せる。理由はいろいろあるが、何よりこの家、この『凛大』の元で暮らす条件の一つである。しかも、タダのネコではない『カミネコ』という超能力持ちの特別な猫の一種である。心配はあまりしなくてもいい。初仕事ってことだ。
凛大は、ネコに触れる。
「我、力を与えしもの。今ここに契約の元、我が精神の化身の存在を認める。」
ネコは淡い光に包まれる。驚いていると光は収まる。
「何⁉いまの!」
驚いて目を開いたネコは更に衝撃の現実を見る。
「目線が同じ?」
凛大とネコは同じ目線で立っている。というより、ネコのほうがやや高い。
「なんで僕のほうが低いんだろう?まぁ成功してよかった」
凛大の笑顔にネコは若干頬を赤らめた。
「やっぱり依頼を受ける際、動物相手ならまだしも、人間相手だと警戒されるし何されるか分からないから人間になれるようにしとこうと思ってね」
ネコは自分の体を隅々まで見る。
「とりあえず服を着よっか?」
凛大は人形に服を着せるように服を着せていく。
「動きやすいような服装がいいよね?」
忍者や暗殺者の類に近いような身軽な服装。ネコは嬉しかったようで笑顔になった。
「じゃ、一緒に行こっか」
そういって二人は窓から外に出る。凛大が手を引いて空へ飛んだ。
「飛べそう?」
ネコは二足歩行にもすぐ慣れて、空中に浮くこともできるようになった。カミネコだった頃、空を飛んで移動することもあったようで慣れが早かった。
目的地について、凛大が依頼対象と思われる生物を探そうとすると...
「あれ違う?」
ネコはすぐ見つけた。本能的なものなのか、偶然かは分からないがどちらにしてもかなり早かった。
「行こう」
二人はその場所に向かう。その周辺は季節外れの桜がたくさん咲いている。そこにはいた。現実の生物とは思えない何か。一般人は誰もが恐れるだろう恐ろしい姿の生物が...
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