血に染まる者

 先生の墓の隣にシャマールを埋めた。使わずに残っていたもう一つの石板で、先生のものと同じように削って名を彫り墓標を作ると、二人に黙祷を捧げてその場を後にした。


 手に付いた汚れをしっかりと洗い落とした後、右手から肘に掛けて包帯を厚く巻いた。指の一本一本から抜かりなく肌を見せないようにし、赤黒い刻印が白い包帯に滲んで浮き出てくることのないよう、何重にもしてそれを隠した。


 こんなことをしても無駄だと分かっていても、変貌した腕を見ているのは辛かった。自分が血の刻印に蝕まれているのが辛いのではなく、マーニが血の魔女に奪われてしまいつつある現実を嫌でも見せられるのが辛くて仕方なかった。


 シャマールがいなくなったことで、マーニに会いに行くことへの制約は消えた。でも、地下室に足を運ぶ気にはなれなかった。僕の血の刻印がこんなにも体を侵食されているのならば、マーニの額にある血の刻印も悍ましい変化を遂げているに違いない。そうして血の魔女に歪められたマーニの顔を見てしまえば、救いがなくなったことを実感しなくてはならなくなる。今の僕にそれを耐えられるほどの精神力はなかった。


 マーニを救ってくれる人を失い、血の刻印を消し去る道は完全に途絶えた。残された道は心臓を食らって血の魔女を蘇らせるか、それを拒んで緩やかに死んでいくかの二つしかない。そのどちらも受け入れられはしないが、僕はマーニを救う力を持っていない。あるのは、血の魔女を復活に導く異様な力だけだった。マーニを救うことが出来ないこの体にには、ただそれだけが残り、もはや抜け殻と言っても差し支えないものとなっていた。


 住人が一人いなくなり、風が窓を叩くこともなくなったので、館は静けさが満ちていた。静寂は無を許してくれる。何もしない僕を冷たい毛布で包んでくれる。考えることを放棄しても寄り添ってこないし、突き放してもこなかった。庭の隅に捨てられたボロボロの人形のように、時の流れに身を任せる日々を過ごした。


 自我を取り戻したのは、体に異変が訪れた時だった。落ちていた瞼を上げて、マーニの部屋の片隅に体を預けていたことを思い出した。窓の外の灰色の空から、細かい雪が降っているのが見えた。


 ドアは壊れたままで、空気は暖かくなることもなく抜けていくのに、部屋の寒さは感じなかった。それよりも、体に覚える空腹感が圧倒的に勝っていた。何も食べなくてもよくなっていたはずなのに、食欲が急に湧いてきて戸惑った。とにかく、体が求めるものを得るために、厨房へ向かった。


 厨房に残っていた干し肉やピクルスを手当たり次第に口に入れていく。しかし、いくら食べても空腹感は消えず、解消しようと食べ続けた結果、体が拒んで吐き出してしまった。


 腹の中は満ち満ちているはずなのに、全く満腹感を得られない。腹を擦りながら、この異変を注意深く探っていると、この飢えが自分の体から来ているものではないことに気付いた。


 腹を空かせているのは血の刻印だ。包帯の下に隠れたそれは、僕に人間の心臓を差し出すように命じている。今まで黙って食らうだけだった血の刻印が、意識を持って贄をねだってくるようになったようだ。


 この強い空腹感に抗う必要が出てきた。これ以上、誰かの命を奪いたくない。先生の顔が過る一方で、ラメラと彼女の犬たちも思い浮かんだ。


 死んでほしくない人とそうは思わない人。命を二つに分別している自分がいた。死んでいいと思っているわけではない。でも、あの時、ラメラたちを殺した時は後悔は薄かった。彼女たちを殺してしまったことに対する悔いではなく、シャマールを助けられなかったことや、マーニを血の魔女の側へと近付けてしまったことへの悔いがそこにあった。


 ラメラたちを殺した時の覚悟を思い出さなければならない。シャマールが死の瞬間まで諦めなかったように、自分も諦めずに戦って先生とシャマールの意志を継ごうという覚悟があの瞬間にはあった。それがラメラたちを殺し切った後に、何処かへと行ってしまい、残った僕の体はそれに活力さえも奪われて萎びてしまった。


 飢えてしまっているのは僕もなのかもしれない。何を食らえば、この飢えから脱することが出来るのだろう。心臓を食らう以外で、答えと呼べるものが思いつかなかった。


 都合の良い答えが見つかるまで問答を続けている内に、自然とマーニの部屋に戻っていた。ふとベッドに目を遣ると、マーニが半身を起こしていて、部屋へ入ってきた僕に微笑みかけた。


「見て、お兄ちゃん。もう全然、平気なの」


 マーニの顔はとても綺麗だった。雪のように白く滑らかな肌に、光を灯す眼。僕の良く知るマーニだ。


「先生の苦いお薬、我慢して飲んだおかげかな。頭も痛くないし、咳も出なくなったよ。熱も下がったと思うんだけど、どうかな? お兄ちゃん、おでこ触ってみて」


 輝きに満ちた瞳で僕を見るマーニの額に手を翳そうとする。だが、包帯が巻かれた手では体温を感じられなかった。マーニは無邪気に笑って僕の腕を、その小さな手で掴んだ。


「どう? 私、まだ生きてる?」


「まだも何も、マーニは生きているに決まっているじゃないか。こんなちょっとの風邪くらいで死んだりなんかしないよ」


「私が死んじゃったら、お兄ちゃん、きっと泣いちゃうよね」


「泣かないよ。だって、泣くのはマーニの方だもの。マーニは一人ぼっちになって、寂しくなって泣いちゃうから、わんわん泣いてるマーニを僕が見つけてあげる。すぐに、すぐにね」


 マーニの頭を撫でようとすると、目が合った。よく見ると、マーニの瞳の中に僕はいなかった。そこにいるはずの僕が存在していなかった。


 正気を取り戻すと、マーニの幻は跡形もなく消えた。あれだけはっきりと見えて、声すらも聞こえていたものが嘘のものだった。血の刻印がこれを見せたのだろうか。それとも、僕自身があまりにも過酷な現実に耐えられずに生み出してしまったのだろうか。真相は分からない。


 あの幻のせいで、マーニを恋しく思う気持ちが強くなった。また、あのマーニの笑顔が見たい。血の刻印などで穢れた姿でなく、不健康にやせ細っていながらも儚さはなく、生きる力に満ちたマーニにもう一度会いたい。仄かな温かさを孕んだあの白い頬に触れて、体に満ちてくる幸福を味わいたい。あらゆる困難も逃れられない絶望も、今は考えたくない。希望の輝きを放つマーニだけに支配されていたかった。


 床の軋む音が聞こえた。幸せな妄想に割り込んできた忌々しい気配の方へ視線が向く。壊れたドアの外から顔が半分だけ覗いてきた。。その目は僕と目が合うと一度、引っ込んでしまったが、すぐにまた現れて正体を見せた。


「アリルか?」


 僕の名を呼んだのは町の青年カイルだった。カイルは恐る恐る部屋に入り、部屋の中を見回しながら静かに僕の方に近寄ってきた。


「怪我しているじゃないか」


 カイルが包帯を巻いた腕に手を伸ばしてきたので、後退りをしてその手を躱した。


「大丈夫です。なんでもありませんから。それより、どうして此処に来たんですか?」


 思ってもみない来訪者だったので、純粋な疑問が口に出た。カイルは腕をちらちらと見ながら疑問に答えた。


「助けに来たんだよ。最近、町に来ないから心配になってな。魔女に酷いことをされてるんじゃないかって。俺だけじゃなくて、町の連中も来てくれたから安心してくれ。もう魔女の言いなりになんかさせないからよ」


 血の刻印が発現してから、町へは行くことがなかった。町の人たちは元々、先生に対して良い印象を持っていなかったのだろう。得体の知れない魔女が町の外れで暮らし、不気味に思っていたのかもしれない。先生の使いとして買い物へ赴く度に、哀れみの視線を向けられ、心配する声も掛けていたが、彼らは思い違いをしている。先生は恐ろしい魔女なんかじゃない。誰かを傷付けたり、自分のために他のあらゆるものを犠牲にしたりしない。僕とマーニのために、その身を賭してくれるほどに優しい人だ。カイルたちは魔女への偏見で惑わされて、僕が先生に虐げられていると勘違いを拗らせて館に来てしまっていた。


 先生は悪くない。一言そう言って否定すれば良いのだろう。でも、もう先生はいない。先生が身寄りのない僕たちに居場所をくれた素晴らしい人だと説明して、彼らの思い違いを改めさせても、そこに実るものはない。先生という大木は、僕に生命を吸い尽くされて枯れ死んだのだから。


「助けてもらう必要はありません。僕たちは平気なので、放っておいてくれませんか」


 僕は顔を背けて言った。カイルが姿を見せてから、飢えによる苦しさが増していた。血の刻印が御馳走を前に涎を垂らしているようだ。この飢えを凌ぐために、カイルには義憤を収めて帰ってもらうしかなかった。


「魔女に逆らうのが怖いのか? 逃げ出せてもまた捕まったら、とか考えなくていい。今は早く、此処から逃げよう」


 カイルは強引に僕の左腕を取り、部屋の外へ連れ出した。いるはずのない魔女に警戒しながら、息を殺して一階へと降りていき、階下で集まっていたカイルの同志たちと合流した。


「アリルは見つけた」


 彼らは皆、憐憫の眼差しを僕に向けた。


「辛かっただろう。町に戻ったら、美味しいものを食べさせてやるからな」


 浅黒い肌の男の人が、慰めの言葉を掛けながら僕の肩に手を置いた。


 美味しそうなものなら、目の前に沢山ある。血肉を求める血の刻印が僕にそう思わせていた。自我を飲まれないように、下唇を強く噛み締めた。


「妹の方は見つかったか?」


「いや、一階は粗方見て回ったが、誰もいなかった」


「幸いにも魔女にも出くわしてない。二階も見て回ったんだろ?」


「いたのはアリルだけだ。ということは、残る地下に魔女かマーニのどちらか、もしくはその二人が一緒にいるのかもしれない」


 カイルがそう言うと、皆は黙り込んでしまった。魔女が待ち受けているかもしれない地下へ勇気を持って進むか否か。僕からしたら、彼らの杞憂は無意味でしかない。そもそも彼らは心配をする側にはいない。その役目は僕だけに押し付けられていた。


 マーニを彼らに見られたら、どうなるか分からない。悪い方向へ事態が進んでしまうことだけは確かだ。どうすれば僕たちを諦めてくれるだろうか。それに思考を巡らせようとするが、空腹と肉への欲求が邪魔をし、まともに物事を考えられなくなっていた。


「俺が見てこよう」


 彼らの中で年長だと思われる男が名乗りを上げた。彼の腰には剣が下がっていた。


「万が一、魔女がいても俺なら対抗できる」


「バースさんがいなきゃ、この館に来ることすら怖くて無理だったんだ。危険なことをあんただけに任せたくない」


 バースと呼ばれた男は剣の柄に手を置いた。


「危険を請け負うのが俺の仕事だ。今はもう王国の兵ではないが、それでも民を思う気持ちだけは残っている。その少年の妹は俺が助け出してくる。お前たちは先に館を離れるんだ」


「いや、俺も一緒に行きます」


 声を震わせながら、浅黒い肌の男が言った。


「バースさんの盾くらいにはなれますから、どうか連れていってください」


「お前が行くなら俺も行くぞ。アリルたちを助けようって言い出したのは俺だから、俺が責任を持たなくちゃ」


「待て、それならやはり皆で行くべきだろう。此処にいる皆はカイルと同じ思いを持ってる。アリルの健気な姿をいつも見てきたんだ。最後まで付き合うぞ」


 気持ちが昂り始めたカイルたちをバースが諫めた。


「お前たちの心意気は買おう。だが、大勢で来られても邪魔にしかならない。お前だけなら、同行を認める」


 バースは浅黒い肌の男を指した。


「お前を守り切ってやる保証はない。それでもいいな?」


「言ったでしょう。俺が盾になるって。バースさんは俺の事を考えなくていい。魔女にだけ集中してください」


 バースは無言で頷くと、カイルたちに目配せをして地下へ続く階段に降りていった。


 バースたちの後を追おうとしたが、カイルは僕の腕を離さなかった。


「大丈夫だって。あの人、王国軍にいただけあって、すごく強いんだ。あの血の魔女狩りでも最前線で血の魔女と戦っていたんだってさ」


 止めなくてはならない。マーニが見つかり、その身に生じている異変に気付かれたら、あの剣にマーニが貫かれるかもしれない。自意識をマーニにだけ注ぎ、邪念に抗いながら声を振り絞った。


「何もしなくて、いいんです。僕もマーニも、平気なんです。だから、出てってください。僕たちに、構わないで」


「何があろうと、俺たちが絶対に守ってやる。人の皮を被った化け物なんかに使われる生き方はお終いだ。新しい人生を、俺たちと生きよう」


 なんて恩着せがましいんだ。なんて自分勝手なんだ。偏った見方に囚われて、それが全く正しいと思い込むだけに飽き足らず、他人に押し付けようとしてくる。此処にいる連中は自分が間違っていないと確信している。清々しいほどに馬鹿で、煩わしい害悪だ。


 抱いたことのない苛烈な苛立ちが芽生えたことで、却って自我を認識できた。この過剰な負の感情は、間違いなく血の刻印が齎したものだ。その誘いを拒むように、頭を大きく振る。違う、彼らに悪意はない。僕たちを助けたいという気持ちは誠実なものだ。無力で知恵を持たないが故に、考えの足りない行動へと走ってしまっているだけだ。


 似ている、と思った。僕と似ている。何も出来ないのに考えもなしに感情で動いて、それが事態を好転させるどころか、悪い方向へ向かわせてしまっている。カイルたちも、進んではいけない道を勇往している。その先には腹を空かせた獣が、何も知らずに飛び込んでくる獲物を、大きな口を開けて待っているだけだ。


 僕だけがその事実を知っている。血肉に飢えた獣の一部である僕だけが、彼らが迎える未来を知っている。それが僕にとっても最悪の結果となることも分かっている。自惚れた彼らを引き返させられるのは、僕しかいなかった。


 右手に巻かれた包帯を左手の指で摘まみながら、声を振り絞った。


「魔法が、掛けられてるんです。この手に触れてしまった人は、命を取られてしまう残酷な魔法が掛けられてしまったんです」


 指先から包帯を解いていき、掌に刻まれた赤黒い印を見せた。カイルたちの顔が青ざめていくのが分かる。僕への憐憫の眼差しが、悍ましいものを見る様なものに変わっていた。彼らを追い出すには、僕たちが普通の人間ではなくなったことを明かすしかない。この血の刻印はそれを示すのに適した証だった。


「こんな状態で町に行ったら、みんなに害を与えることになってしまいます。僕は誰の命も奪いたくないんです」


 効果は覿面だった。カイルたちは一斉に僕から離れて、言葉を失っていた。良かったと思うと同時に、僕たちの味方になってくれる人はもう存在しないと思わされた。


 余計な思考をしてしまったせいで、次に言わなければならないことが頭から消えていた。口だけはパクパクと動かしたが、言葉が出てこなかった。沈黙が続く中、心臓の鼓動だけが強く聞こえてくる。僕のものだけでなく、彼らの鼓動も伝わってくる。激しく打つ心臓の音が重なって耳を撫でる。耳から首元、肩、肘へと艶めかしく指を這わせるようにそれが伸びてきて、掌にまで到達した。


 惑わされているの感じる。心臓を食らうように仕向けられている。狡猾な魔法は、僕の右手に住み着いて、僕に指令を送り続ける。血肉を得るために、僕を作り変えようとしている。


 目的を達成しなければならない。マーニを守ることが全てに優先される。彼らを脅して、館から退散させられれば、この苦悶は僕の中だけで完結してくれるだろう。


 カイルの方に目を向けると、露骨な動揺を見せてくれた。あと何か、出鱈目でもいいから、彼らの身に危険が及ぶことを匂わせれば、いなくなってくれるはずだ。そう思って、言葉を探していると、カイルが先に口を開いた。


「治るさ」


 血の気が引いていくのを感じた。


「元に戻す方法はちゃんと見つけてやるから、安心しろよ。見つかるまでは……まあ、工夫しながら生活していけばいい。大丈夫だ、俺たちが絶対に助けてやるから」


 カイルは仲間たちに目配せすると、彼らも頷いて応えた。カイルが再び僕へと目を向けた時に見せた笑みが、余りにも軽くて怒りを覚えた。


 カイルたちは何も知らないから、そう言える。ありきたりな言葉で僕を慰めようとする。出来もしないことに根拠もなく自信を見せる姿が、命を賭して僕とマーニを救おうとしてくれた先生やシャマールへの冒涜に感じられた。


 抱かせられた屈辱は怒りに熱を加えていった。思い通りになってくれないことも相まって、怒りが発露しそうになる。堪えなければ全てが台無しになると分かっていても、体の中に留めておくには限界なほどに膨れ上がっていた。


 その時、地下へ続く階段の方から男の絶叫が届いた。耳を劈くそれは今まで耐えていた自制の殻すらも突き破り、破裂させた。


 強い耳鳴りが外界の音を遮り、体内で蠢くものの拍動を鮮明にする。血を運ぶ音でも、心臓の鼓動でもない。掌にズキズキと痛みを生じさせながら、血の刻印が疼いている。


 目に映るものを、正確に処理できなくなっていた。何かに近付き、何かが消えて、何かを追う。感じられるのは右腕の熱さと肉の味。我慢していたものを解放した清々しさに身を委ねていた。




 気付けば、地下室に辿り着いていた。灯りのない真っ暗な中、何故か目が慣れていて、部屋の奥の粗末なベッドに横たわるマーニが見えた。


 足の裏に砂のような感触を覚えながら、マーニに近付いていく。最後にマーニを見た時と変わらない。眠るというより、人形のように動かない状態に陥っている。ただ、圧倒的に変わっていたのは、額にあった血の刻印だ。


 額に描かれた紋様の中心に花が開き、その中に口のようなもの刻まれていた。そこから、マーニの愛らしい顔の全体に荊が伸びて、首元にまで到達してしまっていた。


 血の刻印に抗えず、食らい続けた報いは此処にあった。マーニはもうすぐ死ぬ。血の魔女に体を奪われて死ぬ。


 それでも、僕は諦めることは出来なかった。寧ろこの惨い姿を見て、その意志はより固くなった。


 血の魔女の思い通りにはさせない。奪ってしまった命を、血の魔女に責任を押し付けてはやらない。僕が彼らの命を背負い、殺すまでした己の思いを貫こう。


 去り際に、マーニの顔をもう一度よく見た。閉じた双眸には、嘗ての輝きが眠っているはずだ。その瞳に映し出されることで、ようやく僕は解き放たれる。


 最初からそうだった。これは僕自身が救われるために、マーニを取り戻さなければならない戦いなんだ。

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