第10話 元カレと……

 現在、アタシの部屋に拓哉がいた。

 アタシと拓哉以外は誰もいない。

 二人きりだ。

 

 突如、拓哉がアタシの太ももに手を乗せてきた。

 急に彼氏以外の人がボディタッチしてきたので、驚いてしまう。

 

「真帆、久しぶりにキスしようぜ」

「……」


 嫌だっ、拓哉とキスなんかしたくない。

 和馬を裏切りたくないよ。

 けど、この男とキスしないとアタシと和馬は退学になってしまう。

 だから、


「わ、分かったよ……好きにすれば」

「へへ、サンキュー、真帆」


 拓哉はアタシの肩を掴んで、ちょっと強引にキスしてきた。


 和馬以外の人とキスしてしまった。

 あぁぁ……もう最悪だ。

 こんな奴とキスなんかしたくないよっ。

 強烈な罪悪感を覚える。


「真帆っ……」

「んっんっ……た、拓哉っ……ちゅっ、ちゅっ」


 拓哉がアタシの口内に舌を入れてきた。

 彼はアタシの舌を探して、ベロベロと巻きつけてくる。

 

 正直に言うと、拓哉とキスすんのめっちゃ気持ちいい……。

 気持ち良すぎて全身がジワジワと熱くなってきた。


 何十秒もキスしていたアタシたちは、そっと唇を離す。


拓哉アンタ……めっちゃキス上手くなってない?」

「ははっ、だろ。毎日可愛い女の子とキスしてるからな」

「え? は……? あ、アンタ毎日女の子とキスしてんの?」

「まぁな。昨日もバイトの先輩とキスしたぜ。ついでに先輩の家で生セックスもしたぜ。アレは最高だったなぁ~」

「……」


 コイツ、昨日も女の子とエッチしたのか。

 はぁ……なんでこんなクズ男がモテるんだろう……。

 まぁ確かに、顔はカッコいいけどさ。

 ぶっちゃけ、めっちゃタイプだし。


「そのバイトの先輩ってアンタの彼女なの?」

「んなわけねぇだろ。セフレだよ、セフレ」

「うわぁぁ……セフレなんかいるんだ。アンタ本当に最低だね」

「うっせぇよ」

「んっ……ちゅっ、ちゅっ」


 また拓哉がアタシの唇にキスしてきた。

 ただのキスじゃない。

 舌を絡め合うディープなキスだ。


「ちゅっ、ちゅっ……拓哉ぁ」

「真帆っ……」


 気持ちいいっ。

 拓哉とキスすんの凄く気持ちいいよ。

 頭がクラクラしてくる。


「真帆、服脱がせるぞ?」

「っ……す、好きにすれば」


 アタシがそう言うと、拓哉は遠慮なく服を脱がせてきた。

 そのせいでアタシは下着姿になってしまう。

  

「なにその下着、めっちゃエロいじゃん。もしかして今日も和馬とエッチする予定だったの?」

「う、うん……」


 今日も和馬とエッチするつもりだった。

 だから和馬が好きそうなエッチぃ下着を着てるの。


 下着姿のアタシを見て、拓哉はニヤリと不敵な笑みを浮かべる。


「お前の身体マジでエロいなぁ~。やべぇぇ、もう我慢できねぇや。よし、そろそろエッチするか」

「ほ、本当にするの……?」

「当たり前だろ。今日はたくさん俺の相手してもらうからな」

「……」





 ◇◇◇

 

 





「俺と和馬、どっちの方が気持ち良かった?」

「そ、そんなの和馬に決まってるでしょっ」

「おいおい、嘘つくなってっ。本当は俺の方が気持ち良かったくせに」

「っ……そ、そんなことないもん」


 今日、アタシは拓哉と最後までした。

 その証拠にベッドのシーツはクチャクチャになっていた。

 床には制服と下着が散らばっている。


 和馬以外の男とエッチしてしまった。

 最低だっ、アタシは本当に最低だっ。


 ごめんねっ、和馬っ。

 本当にごめんねっ……。



 久しぶりに拓哉とエッチしたけど、本当に気持ち良かった。

 気持ち良すぎて何回も絶頂に達してしまった。


 正直、和馬より拓哉とエッチする方が気持ちいい。

 たぶん、アタシと拓哉は身体の相性が抜群なんだろうな。

 アレも拓哉の方が大きいし……。

 

「真帆、もう一回ヤろうぜ」

「え? も、もう一回……? さっき三回もしたじゃんっ……」

「三回で満足できるわけねぇだろっ。あと10回はするぞっ」

「10回っ!? じょ、冗談でしょ?」

「は? 何言ってんだよ、お前。冗談なわけねぇだろ」

「……」


 さっきアタシたちは連続で三回もした。

 にも拘わらず、拓哉はまだ元気だった。


 コイツ、化け物だっ。

 和馬は三回が限界なのに……。


「ほ、本当にあと10回するの?」

「当たり前だろっ。今日は朝まで付き合ってもらうからな」

「……」





 ◇◇◇

 


「はぁ…はぁ…はぁ…いっぱいしたな、真帆」

「だ、だね……」


 アタシたちは朝まで激しい運動をした。

 そのせいでアタシと拓哉の身体は汗だくになっていた。

 拓哉は「はぁ…はぁ…はぁ…」と乱れた息を整えている。


 拓哉とエッチすんの本当に気持ち良かったな……。

 気持ち良すぎて何回も失神しちゃったよ。


「真帆、明日もたくさんしようなぁ」

「……え? あ、明日もすんの?」

「当たり前だろっ。これから毎日俺の相手してもらうからな。覚悟しろよ、真帆」

「……」


 嫌だっ、もう拓哉とエッチしたくない。

 これ以上あの快感に襲われたら頭の中がおかしくなっちゃう……。

 エッチのことしか考えられなくなっちゃうよ。

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