第11話 朝まで……

「はぁ…はぁ…はぁ…いっぱいしたね」 

「だなぁ」


 拓哉と最後までしてしまった。


 連続で5回もエッチしたせいでめっちゃ腰が痛い。

 顎も痛いし、膝はガクガクと笑っている。

 

 はぁ……マジで疲れた。 

 けど最高に気持ち良かったなぁ。

 

「もう一回エッチしようぜ、真帆」

「え……?」


 拓哉の言葉にアタシは目を丸くする。


「さっき五回もシたじゃん。アンタまだ満足してないの?」

「五回で満足できるわけねぇだろ。今日も朝まで付き合ってもらうからな」

「そ、そんなのダメだよ……これ以上アンタと――んっ!?」


 アタシの言葉を遮るように拓哉が唇を奪ってきた。

 急に唇を塞がれたので、喋れなくなってしまう。


「んっんっ……ちゅっ、拓哉っ」

「真帆っ……」


 拓哉とキスすんの凄く気持ちいいよ。

 気持ち良すぎて頭がドロドロに溶けていく。

 エッチのことしか考えられなくなる。

 もうダメだ、こんなの我慢できないよ。


 唇を離してアタシたちは視線を交える。


「拓哉ぁ……もう我慢できないよっ」

「俺も我慢できないっ。もう一回いいか?」

「うんっ、いいよっ。アタシのことたくさん求めてぇ……」

「あぁ……」


 我慢できなくなったアタシたちはベッドの上で混じり合う。

 やっぱり、拓哉とエッチするのは最高だ。


 まだ和馬のこと大好きだけど、拓哉とのセックスを止められないっ。

 ごめんね、和馬っ。

 本当にごめんねっ……。




 

 ◇◇◇



 

 拓哉とのエッチが気持ち良すぎて、アタシはセックス中毒者になってしまった。

 そのせいで今月の定期テストはダメダメだったよ。

 はぁ……何やってんだろう、アタシ。

 

 一方、和馬は今月の定期テストで学年3位だった。

 学年3位か……和馬は本当に凄いな。


 和馬が真面目に勉強している間、アタシは学校を休んで拓哉とたくさん肌を重ね合っていた。


 家のベランダでエッチしたり。

 公園でエッチしたり。

 ネカフェの個室でエッチしたり。

 和馬と電話しながらエッチしたり。


 悔しいけど拓哉とエッチするのは本当に気持ち良い……。

 気持ち良すぎて今日もアタシから「たくやぁ、エッチぃことしよう……」と誘ってしまった。


「そんなに俺とシたいの?」

「うん……したいっ」

「はは、いいぜ。今日もたくさん気持ち良くしてやるからな、真帆」

「……」


 今日も拓哉とたくさんエッチしてしまった。

 その証拠にアタシの身体には大量のキスマークがついていた。

 このキスマークは拓哉が付けてきたの。


「もうっ、キスマーク付けないでよっ。こんなの和馬に見られたら幻滅されるじゃん」

「わりぃ、わりぃ。けど嬉しかっただろ?」

「そ、そんなわけないでしょ……全然嬉しくないし」

「ぷはは、相変わらずお前はツンデレだな~。本当は嬉しいくせに」

「だ、だから嬉しくないって言ってるで――んっ!? んっんっ……ちゅっ」


 急に拓哉がキスしてきた。

 アタシは彼の唇を受け入れて、チュッチュッと熱いキスを楽しむ。

 やっぱり、拓哉とキスすんの好きだっ。

 頭の中がドロドロになっちゃう……。

 

 たくさんキスしたあと、アタシたちはゆっくりと唇を離す。

 

「なぁ真帆」

「ん? どうしたの?」

「今度、俺の友達呼んで三人でエッチしない?」

「えぇぇ……三人でするのは嫌だよ。恥ずかしいっ」

「いいじゃん、三人でヤってみようぜ。絶対二人でヤるより楽しいぞ?」

「絶対無理です。諦めてください~」

「ちっ……やっぱりダメか」

「当たり前でしょ。三人でヤるのは諦めて」

「はいはい、分かったよ。諦めます~」

「……」


 三人でエッチするのは絶対に嫌だ。

 恥ずかしすぎる……。


 チラッとスマホの画面に目を向けると、『23時34分』と表示されていた。

 もうこんな時間か。

 家に帰るの面倒くさいなぁ……。


「今日アンタの家に泊まってもいい?」

「おう、別にいいぜ。その代わり、朝まで俺の相手してもらうからな」


 拓哉の言葉にアタシは「はぁ……」とため息を吐く。


「さっき10回もしたじゃん……アンタまだできんの?」

「おう、まだまだできるぜ。真帆もまだ満足してないだろ?」

「っ……ま、まぁね」

「はは、なら今日も朝までエッチするか」

「う、うん……」


 今日もアタシたちは朝までエッチした。

 



 ◇◇◇




 現在、アタシは和馬の部屋にいた。

 アタシと和馬以外は誰もいない。

 二人きりだ。


 チラッと横を見ると、和馬と目が合った。

 和馬の顔が視界に入った途端、ドキドキと胸が高鳴る。

 和馬、本当にカッコいいな。

 カッコ良すぎてドキドキが止まらないよ……。


「なぁ真帆」

「ん? なに?」

「その……キスしていいか?」

「う、うん……いいよ。アタシも和馬とキスしたかったしね」


 アタシたちは顔を近づけて唇を重ねる。

 自然と舌を絡め合う。


「和馬……んっんっ、ちゅっ……ちゅっ」

「真帆っ……」


 熱いキスをしながらお互いの服を脱がせ合う。

 アタシと和馬は裸になった。

 

「真帆……いいか?」

「うん……きて」





 行為が終わったあと、アタシは和馬に話しかける。


「和馬、もう一回エッチしない?」

「え? は……? さっき3回もしたじゃん……もしかしてまだ満足してないのか?」

「うん……三回じゃ満足できないよ。ねぇ今日は朝までエッチしようっ」

「いやいや、もう無理だって……疲れすぎて一歩も動けないよ」

「……」


 和馬の言葉にアタシは黙り込む。


 なんでアタシのこと三回しか求めてくれないの?

 もっとアタシのこと可愛がってよっ……。

 拓哉は朝までアタシのこと求めてくれるのに……。



 正直、和馬より拓哉とエッチする方が気持ちいい。

 拓哉とのエッチが気持ち良すぎてもう和馬の身体じゃ満足できないよ……。


 けど和馬と別れるのは嫌だ。

 誰にも渡したくないし、ずっと一緒にいたいよ……。


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