第23話 デート

【和馬 視点】


 今日は黒崎と10時からデートだ。

 

 黒崎とデートか。

 楽しみだなぁ。


 スマホで現在の時刻を確認すると『9時39分』と表示されていた。

 もうこんな時間か。

 さてと、そろそろ集合場所に行くか。


 俺は家を出て集合場所に向かう。

 しばらくして集合場所に到着した。


 左右に首を動かすと、私服姿の黒崎がいた。

 

「あっ、和馬くんっ!」


 俺の顔を見て、黒崎は嬉しそうな笑顔を浮かべる。

 その嬉しそうな笑顔を見て、思わず頬が緩む。

 うん、今日も黒崎は可愛いなぁ。


 俺は黒崎に駆け寄って声をかけた。


「遅れてごめん、黒崎」

「ううん、大丈夫だよ。私も今来たところだから」

「はは、そっか」

「うん」


 俺たちは横に並んで映画館に向かう。

 今日は黒崎と一緒に映画を観る予定なんだ。


 突如、黒崎が腕を組んできた。

 ムニュっと大きな胸が俺の腕に当たる。


「く、黒崎、何してんだよっ。おっぱい当たってるぞ?」

「ふふ、知ってるよ。だってわざと当ててるもんっ」

「……」

「どう、私のおっぱいは? 最高?」

「はい、最高ですっ。ちょっとだけ揉んでいいですか?」

「ぷくく、今はダメだよっ。けど二人きりのときはたくさんモミモミしていいからね」


 黒崎の言葉に俺はゴクリと喉を鳴らす。

 二人きりならこの大きなおっぱいをモミモミしていいのか。

 ははっ、最高だなぁ。


「和馬くんエッチな顔になってるよ? もしかして今エッチぃこと考えてた?」

「……は、はい、考えてました」

「ぷくく、和馬くんは本当にエッチなこと大好きだよね。まぁ仕方ないか。男の子だもんね」

「黒崎もエッチなくせに」


 俺がそう言うと、一瞬で顔を真っ赤にする黒崎。


「も、もう何言ってんの……私は全然エッチじゃないもん」

「いやいや、黒崎はエッチな女の子だよ。昨日は3回も俺のこと求めてきたじゃん」


 昨日、黒崎に3回も搾り取られた。

 あの時の黒崎は本当に凄かったな。

 漫画やアニメに登場するサキュバスみたいだった。


「だ、だって和馬くんとエッチすんの凄く気持ちいいんだもんっ。あんなの反則だよ」

「そんなに俺とエッチすんの気持ちいいの?」


 俺の問いに黒崎はコクリと恥ずかしそうに頷く。


「はは、そっか。じゃあ今日もエッチする?」

「うん、する……」

「おっけ」


 今日も黒崎とエッチすることになった。

 やべぇぇ、めっちゃ楽しみだ。

 

 黒崎と会話しているうちに、やっと映画館に到着した。


「黒崎、どの映画が観たい?」

「うーん、そうだな~。あっ、これが観たいっ」

「おっけ、じゃあこれにするか」


 黒崎が選んだのは不倫を扱った恋愛映画だった。

 その映画のチケットを自動券売機で購入したあと、俺たちは劇場内に足を踏み入れる。

 

「人少ないね」

「だな」


 俺たちは席に座ってから売店で購入したポップコーンを食べ始める。

 うん、やっぱりキャラメル味のポップコーンは最高だなぁ。

 パクパクとポップコーンを食べていると、いつの間にか映画の本編が始まった。



 ◇◇◇



 2時間後、映画が終わった。

 それと同時に劇場内が明るくなる。


「……全然面白くなかったね」

「だな……」


 正直、さっき観た映画は全然面白くなかった。

 そのせいで何回も寝落ちしそうになったよ。


「和馬くん、そろそろお昼ご飯にしない?」

「そうするか。どこで食べる?」

「うーん、近くにファミレスあるからそこにしない?」

「おっけ」


 俺たちは映画館を出て近くのファミレスに向かう。

 ファミレスに向かっている途中、黒崎が俺の手を握ってきた。

 俺も黒崎の手を握り返すと、彼女は「えへへ」と蕩けた笑顔を咲かせる。


 うん、やっぱりこの子可愛いな。


 なんてことを思っていると、背後から「和馬……?」と女性の声が聞こえてきた。

 気になった俺は身体を反転させると、私服姿の真帆が視界に入った。


 うわぁぁ……最悪だ。一番会いたくない奴と会っちゃったよ。

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