不死兵の丘
死なない兵士の、壊れた身体の、肉の塊。
人間の塊。
臓物は絡み、繋がり、新たな循環を作り上げる。
口や鼻や目や耳はそれぞれに世界を認識する。
顔は混ざったりそうでもなかったり。
手足はのたうったり垂れ下がる。
バラバラの身体の、バラバラの生命の、死ねないもがき。
生から逃れたい者、来ないはずの死にそれでもやはり震える者。
共通する感覚は
痛み
恐怖
後悔
ひとつの生命に組み込まれる狂気と根底の諦め。
まともに言葉を発する口はもうない。
風の匂いを吸い込む鼻も。
空が青く映る瞳も。
鳥の囀りを追いかける耳も。
ただそこにあり、耐える事なく呻き続ける。
それが自分の名前を呼んでいる様に聞こえる、とある人は言う。
遠く離れた雑踏の最中にあっても、その声に呼ばれる、と。
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