新世界 大和 如月の国より 序章
新世界編 序章プロローグ
――――――結婚式。
それは異様な結婚式だった。
白無垢の花嫁はそれはそれは美しい銀の髪を、高く結い上げ、白い肌に赤い紅をさして、この上なく儚げで美しかったが、その顔は、少し悲しそうで、ち―――っとも晴れの日を迎える花嫁にしては、嬉しそうな顔じゃなかった。
一方、黒い袴を着た花婿となる男は、そんな愛しい女性ヒトを見つめるのに夢中で、せっかくの端正な顔が、デレデレと鼻の下をのばしっぱなしで、会場中の男共の視線や殺意、つまり「あいつ死ね!」とか「さっさと離婚すればいい・・・」とかいう、どっす黒い皆からの嫉妬やら妬みやらの、負の思念にま――――ったく無頓着であった。
そしてこの二人の、あまりよろしくない結婚式から、この物語は、はじまる。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます