8話

教会からの帰りレオに何で家来になれとか言ってるのかを聞いてみた

すると、家来をたくさん作って実父の領主に認めて貰いたいからのようだった

ガキ大将になってもよくは思われないだろうに努力の方向を間違ってるよ、これだから子供は......


「ただいま、レオを連れてきたよ!」

「荷物を置いて納屋の前にこい」

木剣を持った父が納屋の方を指差して言った。


ヤバい!体罰にしても木剣は子供には危ないだろ

5歳だぜ、あんなので叩かれたら当たりどころがよくても死ぬんじゃないのか?

ここで死んだらまた輪廻転生があるのかなぁ?


なんてことを考えつつおそるおそる僕とレオは納屋に向かった


「拾え!」父が指差す地面には木剣が2本置いてあった

僕とレオは木剣をひろった


「2人とも暴れる元気があるなら剣術の練習をしろ

シリウス、レオ、男には強さが必要な時があるけれどそれは

喧嘩のためじゃない、誰かを助けるために必要なんだ、そこを間違えるなよ」


「最初に手本を見せるからしっかり覚えろ、上段に構えて半歩足をだし、切る」

父は流れるような自然な動作で素振りをして見せた


「じゃあ2人ともやってみろ!」

僕とレオは木剣を握り振ってみる

「違う! そうじゃない、教えたことをちゃんとやれ!」

厳しい、父は教えたらできる出来ないのは本人のやる気の無さだと思うタイプみたいだ


僕は前世の頃から教育とは [教]えたら[育]つ と考えている人が苦手だ

教育は教と育の間に学習が必要なんだ

[教]えて[学]ばせ練[習]させ[育]てる、これが本当の教育なんだよ父さんと考えていると


「シリウス! もっとやる気をだせ!」父の根性論がとんできた。

その後も父からの叱咤が永遠と続いた......


「もうへばったのか? 情けない」

素振りをいったい何回したのかわからないほどさせられ

腕が上がらず足腰も立たない状態で地面に這いつくばっている

2人に容赦ない言葉がとんでくる


「もうムリ~」

「た、たてない」

「喧嘩するほど余っていた元気はどこにいったんだ? 明日からもビシバシ行くからな!」

「!?」「!?」


この日から毎日、剣術の練習をすることに決まった......


次の日、全身を筋肉痛が襲う、教会まで這うように行き

机のイスに座ろうとして思いとどまる、これムリだ

イスに座るにはかなりの負荷がかかる、けど立っているのもツラい、いったいどうすれば......


「シリウスおはよう、どうしたの?」

「あぁ、おはようメアリー、なんでもないから......」


「おはようシリウス、大丈夫か?」

「あぁ、レオ体中ボロボロだ......」


「イスに座るのキツくないか?」レオがイスをみて呆然として言った

「いっせーので座らないか?」

「そうだな、じゃあ行くぞ! いっせーの!」


「うぅぅぅぅぅぅぅ!!」

「はぁぁぁぁぁぁぁ!!」


「なにやってるの?」メアリーがかぶさってきた

「うぅウギャー!」痛い痛すぎる、筋肉痛はこんなにも痛かったのか?

子供は痛覚が敏感と聞いたことがあるがツラすぎる......


昼を過ぎる頃には少しおさまり、痛いながらも動けるようになってきた

そうなると子供はお互いの痛そうなところをつっつきあう不思議な動物だ


「やめろ、いたいた やったなー!」

「いたいー! ごめんごめんもうしないから」


「だから2人ともなにやってるのってきいてるでしょ」メアリーが2人の背中を叩く


「ウギャー!」

「はう!」


そんな教会学校も終わり家に帰ればまた練習がまっていた......


今日も見事にボロボロになった

「兄さんは、練習しなくていいの? ズルいぃ!」練習に来ない兄について聞いてみた


「なに言ってんだ! バージルは5歳~10歳までみっちり鍛え上げたから

今年から父さんと村の見回りをしてるんだ!」


兄は器用でなんでもそつなくこなすタイプだが戦いにおいても

器用に剣、弓、槍、体術を一通りできるがずば抜けている一芸はないそうなので

いわゆる器用貧乏ってやつなのかな?


「さぁ! 今日は庭でバーベキューにするぞ、みんな呼んで準備をするぞ!

レオ、村長には明日は光の日だから家に泊めると伝えてあるからたっぷり食え!」

「やったー」

「おじさん、ありがとう!」


みんなでバーベキューをして楽しんでいたら

ずいぶん酒がすすんだらしく、いい感じに出来上がった父が、父の昔の話を始めた

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