メアリーSS1話

春になってから、近所のシリウスという同じ年の、ベージュブラウンのミディアムヘアに

とび色の瞳の男の子と一緒に留守番している


お姉ちゃんはお仕事のお手伝いしているので

お昼ごはんを食べたあとはシリウスと2人だけで遊ぶの


私は楽しくオママゴトがしたいのに、シリウスはいつもつまらなさそうにしてて

今日も話を聞いてくれない、何度も呼ばないと気づかないんだから


私は怒って「シリウス! 聞いてるの?」と言うと

びっくりした顔をして、あせったように


「そうだ! メアリーかくれんぼしないかい?」と言ってきた

「かくれんぼ? うんいいよ!」

「じゃあまずは僕がオニをするね」

「1、2、3、4・・・もういいかい?」

「もういいよ」


私はクローゼットのなかに入ってかくれた、

シリウスの声で「いないな~」「いないな~」と違うところから声が聞こえてくる


私はうまくかくれてシリウスには見つからないのだと思うと

一生懸命さがしている、シリウスのことを考えると「クスクス」と笑いが込み上げてきた


「みいーつけた」とクローゼットを開けたシリウスに見つかった。


「ハハハ なかなか見つからなかったでしょ」と自慢した

「じゃあ次は僕が隠れるね」

「1、2、3、4・・・もういいかい?」

「もういいよ」


さてどこだ!?まずは私がかくれたクローゼットを開ける、いない

リビングのイスの下、いない

キッチンのとだな、いない


わからない、いったいどこにかくれたんだろう。


2階には行ってはダメと言われているがいちおう見てみよう


いた!「シリウス、みつけた! ダメなんだよ2階に入っちゃ」と言ったら

シリウスはおこりだして

「うるさい! あっちで1人でママゴトでもしてろ!」って言われた......


私はガマンできなくて「うわぁーん うわぁーん シリウスのバカ うわぁーん」と

泣きながら家を飛び出した。


ひどい、ひどい、なんであんなにおこるの?また泣けてきた


泣きながら歩いていると「ここどこ?」

私はいまどこにいるのだろう、お母さんはどこ?

畑はまだ先なの?わからない......


とにかく歩いていると道が無くなった、大きなおうちがあるから

お母さん知らないか聞いてみようと思って中に入ったら

ブタさんとヒツジさんがいた、家じゃなかった、怖いからすぐ出よう


ワン!ワン!と吠えながらイヌがきた

恐い!と思ってワラを積んでいるところのあいだにかくれた。


イヌはずっと吠えてくる、恐い、帰りたい、お母さんにあいたい、と思っていると



「メアリー! メアリー!」と呼ぶ男の子の声がする

「シリウス? シリウス!」と返事をする


「メアリー! 僕が犬を追い払うから、呼んだらすぐに出てきて逃げるよ」

「あぶないよ!」お母さんを呼んできてほしい......そう思っていると

「大丈夫!必ず救い出すから」とカッコいい声がした

勇気を出して「わかった」と返事をした。


イヌが違う方に吠えだした、こっそりのぞいて見ると

シリウスの手から大きな火がでていた、マホウだ

すごいシリウスはマホウが使えるんだ!


「いまだ! 走れ!」と大声で呼ばれた

私はつまれた藁の間から走ってでた


シリウスに手をにぎられて「逃げるぞ」言われて走って2人で逃げた


大丈夫なところまで逃げて、2人で息をととのえていると

シリウスのヒザから血が出ていた


「シリウスたいへん! ち! ちがでてる」

「大丈夫だよ」と返事をしてるけど痛そう

膝に手を当てて「いたいのなおれ、なおれ、なおれ」と

お母さんが教えてくれたおまじないをしてみた、


お母さんからは「メアリーはもう、おまじないをしたらダメよ」と言われていたが

シリウスがいたいのなおったほうがいいとおもってガンバった

これを私がすると手が光って傷が治ったことがあるのだ


「メアリー痛いの治ったよ」とシリウスが言うので手をどけた

「!? 治ってる」シリウスはおどろいた顔をしている

「よかった、もういたくない?」と見上げると

「う、うん痛くないよ」とシリウスはまだおどろいた顔をしていた。


しばらく歩いているとシリウスが 

「ねぇ、メアリーは魔法の詠唱......まほうのれんしゅうしたことある?」と聞いてきた

「ううん ないよ」

「まほうのことばとかしらない?」

「しらないよ」よくわからないことを聞いてくるなーと思っていたら、家にたどり着いた。


「ただいま」とお母さんにかけよっった

「メアリー! 心配したのよ」お母さんから少し怒ってるような声がでる


「おばさん、ごめんなさい」とシリウスのあやまる声がして

お母さんと何か話している

お腹すいたな、ごはん食べたいなーと思っていたら、シリウスが

帰ると言うから、バイバイして家に入った


家に入るとお母さんが私の前にしゃがみ肩を掴み

私の顔をみて「おまじないはしたらダメって言ったでしょ」としかられた。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る