第4話

初めて火魔法を使ってから約1年が過ぎた、この1年は魔法に関しての躁鬱が激しかった。


まず、素質を判断する詠唱をすべておこなってみたら

4属性すべてに素質があることがわかった!


火 ロウソクの火ほどの火がでる

水 常温の水がチロチロとでる

風 扇風機の弱ほどの風が吹く

雷 コンセントプラグを抜く時に見えるぐらいのパチパチ


1人でこっそり練習していたら

姉のアンナに見つかってしまった、姉は魔法の素質が無かったので

まずい...この家で1人だけ魔法が使えないことで姉はショックを受けるのではないかと

瞬時に思ったが姉から「1人でまほうしちゃダメ」と腕をつかまれ

両親の前に引きずられて行った


そこで「シリウスがまほう1人でしてた」と盛大にばらされた

目が点になり唖然とした感じの両親に

「4つもやってあぶないからお母さんみてあげて」と姉は僕を心配してくれていた


母は戸惑った様子で「シリウス、魔法が使えるの?」と聞いてきたので

「お父さんがお姉ちゃんに教えるところを見てやってみた」と返事をして

魔法詠唱して使って見せた。


4つの魔法を終わらせると両親は驚き過ぎて言葉が出ないといった印象だった

突然立ち上がり、父は母を抱きしめ「この子は天才だ!」とおおはしゃぎしはじめた。

母も「すごい! すごい!」と喜んでくれていた。


落ち着きを取り戻した2人から

「すごいけど、危ないから1人で魔法は使ってはダメだ」と怒られた

魔力が減るとダルさがきてさらに減ると頭痛がする

さらに減ると意識を失うこともあるとの事で子供は親の監視下のもとしないといけないそうだ。


それからは毎晩、両親が魔石に充填するときに魔法の練習をした

疑問に思っていたことを練習中に聞いてみた


「魔法は練習すると強くなるの?」

「ある程度は強くなるけど、お父さんみたいに大きな炎を出せる人はあまりいないわ」


「魔力量は練習すると大きくなるの?」

「それもある程度までで個人で最大魔力量が決まっていてその域までは練習で大きくできるわ」


愕然とした、魔法は生活魔法の域を出ないことが判った、

父のファイアフレイムも所詮は1メートルほどの炎がでるだけで言うなれば

今の僕の魔法を大きくしただけだ......


思い描いたファンタジー魔法ではなかったみたいだ......

ドラゴンブレスやアイスニードルなんて使ってみたかった......

使えたら生活に便利で魔石に充填する仕事もお金になる……ただそれだけ......


いろいろと考えていると母が一冊の本を見せてくれた

[魔法教本]なかなかそのままな題名の本だ

だいぶ字も読めるようになり母が読んでくれるところをなぞり読みした


魔法は50人に1人が使え500人に1人が2属性使えると書いていた

じゃあ4属性すべて使える僕は何人に1人の逸材だ?


そりゃ目を点にして驚くわけだ!?

しかし母も500人に1人の逸材かすごいな

父も大きな火魔法が使えるし、

何でこんな田舎で暮らしているのだろう?


そんな疑問を持ちつつ母が読み聞かせる本をながめた

その中には、魔法は発動イメージが出来るようになると

詠唱は不要で魔法名だけで使えるようになると書いてあった


ものは試しに「ファイア」と言ってみたが発動しなかった

集中とイメージで頭のなかで詠唱する感じで

「ファイア」

いつもの小さな火がついた

「!?」母をまた驚かせたようだ

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