第5話 救出

 二人はロープで引き上げられた。二人の前に、一人の青年がいた。

「ありがとう…君は?」

「僕は“地球を救う者”です」

「すごいんだね」

「僕に付いて来て下さい」

青年の後を二人は付いて行くと、滝の裏の洞窟に入った。その奥に、大勢の人がいた。

「ここは避難者が集まるシェルターです。一時的ではありますが」

「君が集めたのか?」

「僕と、僕の家族が集めました。ここは唯一被害が出ない場所なんです」

「そうなの?どうしてそんな事を知ってるの?」

「実はこの異変は何度も繰り返されています。僕は繰り返されたことを記憶しています」

「君は一体…?」

その時、男女の脳裏に声が響いた。

「やあ。はじめまして。あなたがたはかつて我々を超常現象と呼び、戦った者たちの子孫です」

「その話、ユメさんが話してくれたことじゃない?」

「僕の母さん、そんなこと話してたっけ?」

「話してたよ。うちのパパとママも一緒に盛り上がってた。私たちが生まれた時は、もういなくなったとも話してた」

「ケンタさんとウララカさんか」

「その方々もここにいますよ。この青年、ゴショガワラコクヤさんに憑依する形で、あなたがたを集めさせていただきました」

「あなたは誰ですか?」

「長老です。ガイア人の元長と言った方がいいでしょうか。では、早速本題に入りたいのですが、あなたがたには久しく呼ばれていない超常現象を呼ぶ力があります。そこで強くテラを助けてほしいと念じてほしいのです。何度も繰り返されている銀河獣との戦いを終わらせるために」

「何だか訳が分からないけどやるしかないか」

「うん!私たちにしかできないみたいだし!」

「ご協力ありがとうございます」

「では、こちらへ」

青年が誘導した先に、二人の見知った人々がいた。

「あなたは、栄誉市民のシンメンサトリさんじゃないですか!?」

「はい。一応…ってこのやり取り会う度にやるの?」

「ははは。サトリには会う度に驚くやり取りをされてたけど、見るのは面白い」

「ママ!それにパパもいる!」

「無事でよかった」

「母さんもいたんだね」

「いたわよ。私の父さんもいるわよ」

「また救世主が増えたか」

全員の脳裏に声が響いた。

「盛り上がっているところ申し訳ないですが、時間がありません。コクヤさん、号令をお願いします」

「はい。皆さんは“地球を救う者”です。戦いを終わらせてまた話すためにも『テラを助けてほしい』と念じてください」

洞窟にいる人々は強く念じた。

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