第3話 異変
晴れた午後、賑わうカフェのテラスにある男女のカップルがいた。
「ここのサンドイッチは美味しいって評判なんだ」
「へ~詳しいんだね」
「昨日美容室で見た本に載ってたんだ」
二人が楽しげに話していたとき、遠くで悲鳴が聞こえた。
「今の声、悲鳴?」
「そうみたいだ。事故かな?」
その時、二人の目の前の道路から激しく水が噴き出した。カフェにいた人々が逃げ出した。二人も同じく逃げ出した。誰よりも先に自分が逃げようとしてカフェの入り口で混み合った。二人は最後尾にいた。噴き出した水がカフェに侵入し、床が浸水し始めた。
「早く出ないと、どんどん水が入って来てる!」
「落ち着いて!まだ大丈夫だから!」
その時、カフェを出た客が何かを見て悲鳴を上げた。二人に不安が押し寄せた。二人がカフェを出ると、地面に大きなヒビがあった。見ると、そのヒビにカフェを一番先に出た男性客が落ち、しがみついていた。
「誰か!助けてくれ!」
「あんた!さっき私のこと押したでしょ!自業自得よ!」
「薄情者!!」
叫ぶ男性客をよそに、女性客はその場を後にした。その時、ヒビが大きくなり、男性客が掴んでいた手が離れた。
「危ない!」
男性客の手を掴み、上に引き上げた。
「ありがとう…助かったよ」
男性客は二人に深くお辞儀をし、去って行った。
「僕たちも行こう。ここから早く離れないと」
「うん!」
その頃、科学特別捜査隊は大気圏上に怪しい影を発見した。最新の科学技術を搭載したロケットが大気圏に入った瞬間、光線を受け、粉々に崩れ去った。
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