第2話 シード

 三本の爪が巨大樹を斬り倒した。

「よし。ここも伐採完了、っと。おっ?連絡だ。それも女神から。はい、女神様」

女神とは霊界ガイアの長である。

「シード。至急テラへ向かってください」

「何事ですか?」

「銀河獣が出現しました」

「マジですか」

「はい。他の六使徒も向っています。あなたもすぐに向かってください」

「了解しました」

六使徒とは女神直属の戦士のことである。シードはその一人だった。

「シックスヘイブンのナンバーシックスことシード、直ちに急行する!」

その時、シードの体から芽が生えた。

「何だ、これ?」

その芽は急成長を始めた。

「うわああああ!痛いいいい!」

それは巨大樹の種が発芽したものだった。巨大樹は根を張った対象のエネルギーを養分とする力が凄まじく、その対象をあっという間に抜け殻と化すほどだった。

「くそっ、油断した…!…だが、シックスヘイブンのナンバーシックスことシード、簡単に抜け殻にはならない…!うおおおおおお!」

シードは全身に力を込めた。そして、次の瞬間、三本の爪を巨大樹が生えた箇所に突き刺した。

「ぐああああ!何のこれしき…!」

シードは自身の体に生えた巨大樹の根を掴むと、勢いよく引き抜いた。

「この大食い植物め!!」

シードは腕を交差し、光線を放った。巨大樹は粉々になった。

「はあはあ…よし。僕じゃなかったら確実に抜け殻になってたな。ふう、危ない。仕切り直して、シックスヘイブンのナンバーシックスことシード、直ちに急行する!」

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