落ちこぼれ魔女の努力
仲仁へび(旧:離久)
第1話
落ちこぼれの魔女は空も飛べない。
箒を浮かす事ができない。
空を飛ぶ鳥と並ぶ事もできないし、自分が住んでいる町を上から見下ろす事もできない。
みんなが自慢する事を、何一つできない。
他の魔女は、みんな空を飛べている。
けれど、それを下から眺める事しかできなかった。
そんな魔女の元に、小さな妖精が訪ねてきた。
羽が傷ついている妖精が。
その妖精はお金を差し出して、お願いをした。
遠くの地まで連れていって。
と。
「私は落ちこぼれの魔女よ」
魔女は不思議に思う。
「どうしてそんな私にお願いをしに来たの?」
妖精は言った。
「とても困難な事は、できる人よりもいつも頑張ってる頑張り屋に依頼したいんだ」
妖精は魔女がいつも頑張っている事を知っていた。
だから声をかけたのだった。
魔女は、依頼を達成するために頑張る。
箒でたくさん飛ぶ練習をした。
それが難しいと、空飛ぶじゅうたんを作ろうとしたり、遠くの地へ行ける魔法を習得しようと頑張った。
長い月日がかかったけれど、魔女はなんとか依頼をこなすめどがついた。
箒に乗れるようになった。
魔女は妖精を連れて、箒にのって、遠くの地へと旅立つ。
遠くの地にはたくさんの妖精がいた。
羽が傷ついて飛べなくなっていた妖精は仲間たちと会えて大喜び。
「この感謝の気持ちを魔法で返したいな」
妖精達はお礼に皆で、時を戻す大魔法を使うよと言った。
そうすれば、魔女は今のままの力でで昔に戻る事ができるよと。
けれど魔女は首を振った。
落ちこぼれから頑張ってここまで成長したのも大事な思い出だからと。
元の場所へ帰った魔女は。魔法教室をつくり、落ちこぼれの魔女達に魔法を教える事にした。
箒にのる魔法を使いながら、頑張り続ければ、その努力はみのるのだと、みんなに伝えていった。
落ちこぼれ魔女の努力 仲仁へび(旧:離久) @howaito3032
★で称える
この小説が面白かったら★をつけてください。おすすめレビューも書けます。
カクヨムを、もっと楽しもう
カクヨムにユーザー登録すると、この小説を他の読者へ★やレビューでおすすめできます。気になる小説や作者の更新チェックに便利なフォロー機能もお試しください。
新規ユーザー登録(無料)簡単に登録できます
この小説のタグ
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます