第22話 私と虫
ハロー!! 地球の皆さん!
黒宮 玲です!
私は今以前”
理由はここに来る前に村長に
「昔の友人が渡したいものがあるらしいから。この地図に書いてある場所に言ってくれないかのぉ?」
と言われたので、私は今地図に従って歩いています。
森はとても神秘的な雰囲気があって居心地の良い場所となっています。
(ずっとここにいたい。)
そんな事を思ってしまうくらいに綺麗な場所です。
しばらく歩いていると家が見えてきました。
家は丸太が組み合わされて出来ていて人の手によって作られた物とは思えないほどに自然に溶け込んでいました。
その姿はまるでずっと誰かの事を待っているかのような寂しさと森の優しさが入り混じって出来ているかのように。
地図ではここが目的地と書かれています。
私は小屋の扉をノックしてみました。
しばらく待ってみても返事が返ってこないのでもう一度ノックをしてみました。
「…。」
やっぱり返事は返ってきませんでした。
(留守なのかな?また後で来てみよう。そうだ。少しこの辺りを見て回ろう。)
そう思い私は小屋を後にして森の中を探索し始めました。
森の中には川が流れていたり、おいしそうな果物がなっている木があったりなどしていました。
また、畑や水車小屋など生活している跡があったのでやっぱり人が住んでいるのは確かになりました。
しかも畑の規模からして一人だけではなさそうでした。
(1人でこの規模の畑を管理するのは無理がある。多分3人くらいで管理しているのだろう。)
「…。だいぶ時間が経ったように感じる。そろそろ戻ろうかな。」
そう言うと私は足早に小屋に戻っていきました。
小屋に戻ると不思議なことが起きていました。
(小屋の形が変わっている。さっき見たときは煙突なんてなかったのに今はある。それに雰囲気も人が生活しているのが良く分かる。)
小屋にはもう寂しさなんて残ってもいませんでした。
私は小屋の扉をノックしてみました。
「はーい!今出るのでお待ちくださーい。」
そう言われすこし待っていると扉が開いて中から30代くらいの女性が出てきました。
髪型はポニーテールで身長は170㎝くらいと思います。
「えーっと。どちら様でしょうか?」
「私…」
私が話そうとすると女性は遮るように話し始めました。
「あー!思い出した!桜木村から来た子でしょ?」
「あ…。はい。そうです。」
「やっぱりね!私ソフィーって言うの。よろしく!」
ソフィーさんの勢いに後ずさりしながらも話しました。
「わ、私は黒宮 玲って言います。」
「玲ちゃんね。話は聞いているわ。随分遅かったわね。」
「すいません。一度来たのですがお留守だったみたいで森を見て回っていました。」
「まぁ。そうだったのね。それはタイミングが悪かったわね。」
「ええ。」
「…。」
「…。」
辺りに気まずい雰囲気が流れる。
(何とかしないと…。)
そう思った瞬間
ぐつぐつ。ぐつぐつ。
鍋が煮詰まる音がしました。
「大変!夕飯作ってたの忘れてた!さぁ!中に入って!ご飯まだでしょ?一緒に食べましょ!」
そう言ってソフィーは小屋の中へと入って行ったので、私も後を追うような形で中に入って行きました。
部屋の中は、ここは研究室かと言いたくなる程にいたるところに本が山積みになっていたり、研究に使いそうな器具が大量に置いてあります。
ソフィーさんはすいすいと部屋の奥に行きますが実際は足の踏み場なんて無いように思えるほどに散らかっています。
私はソフィーさんの後を一歩一歩慎重に追いかけていきました。
「ごめんね。結構散らかしたままにしちゃって。とりあえずその椅子に座ってて。」
私はソフィーの指さした方にあった椅子に座りました。
すこし待っているとソフィーさんはお椀いっぱいによそわれたシチューを持ってきてくれました。
「あ。ありがとうございます。」
「さぁ1早く食べよ!シチューが冷めちゃう。」
それから私たちは温かいシチューを食べながら色々な事を話しました。
今までに行った所や今までに会った人たち、今までに起きた事や今までどんな所で何をしていたのか、時には趣味や好きな食べ物まで話しました。
(なんだか…。お姉ちゃんと一緒にいるみたいだな…。)
夕飯を食べ終えた後にも私たちは話続けました。
一通り話終えた所でソフィーさんは見せたいものがあると言って席を離れました。
それは瓶の中に入っている小さな虫でした。
虫のサイズとしては蚊よりも少し大きい程度の大きさしかありませんでした。
「ソフィーさん…。これは?」
「玲ちゃんは鬼族の大罪についてはある程度知っているのよね?」
「はい。この前本を読んで知りました。」
「そこに書いてあった虫。それがこいつよ。」
「え?」
私は想像していた虫よりも小さかったので驚いてしまいました。
「驚いたでしょ。私も初めはこんなにも小さいのかって思った。こいつらは生物の脊髄を通して脳に入り、ゆっくり時間をかけてその生物の体の構造を変えていき口から火が吹けるようになったら体を完全に乗っ取り暴れまわるやつらよ。」
「だから本には人型の虫と書かれていたんだ。」
「そうね。」
「そういえば、なんで私が大罪について知っているって分かったのですか?」
「以前、村長が自分で話してたでしょ?」
「あ。」
(そうだ。そういえば言語理解が消えた時に話してた。)
「覚えてないの?」
「まさか。覚えてますよ。あははは…。」
「まぁいいわ。とりあえず見せたかったのはそれだけ。他には前に見つけた物なのだけど、私は森の外には出たくないから玲ちゃんに渡すわ。」
そう言ってソフィーさんは一枚の地図を渡してきました。
私は受け取って地図を広げてみると一番上にこう書かれていました。
『変形型オーブ001番"ハンター“』
(‼。コールの言ってた名前だ!)
「ソフィーさん。私この地図に書いてある場所に行ってみます。」
ソフィーさんは安心したような顔でこちらを見てきました。
「そう。良かった。じゃあお願いね。」
「はい!」
「けど、今日はもう遅いからまた明日からよろしくね。」
「あ。はい。分かりました…。」
「今日はもう遅いからここに泊まっていきなさい。」
「はい。そうさせてもらいます。」
(絶対に見つける。)
私はコールを見ながらそう言い私はソフィーさんの小屋で眠りに就きました。
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