第9話 私と自殺王国

ハロー!地球の皆さん!


黒宮 玲です!


私はレオさんに月兎げっととコルを渡したその後、ヤートさんに言われて村の病院に行きすぐに使用できるベットを一つ用意してほしいと頼み入口で80歳くらいの院長と看護師二人とで待っていると、トキハさんがいつも薬草採取に使う馬車を持ってきてきました。


外に出るとトキハさんは大声で


「馬車に気絶している人が乗っているからすぐに見てあげて!お願い!早く!」

っと言いました。


院長は慌てて馬車を確認すると中で待機していた看護師に


「早く担架を持ってこい!急げ!」

と言いました。


私はすぐに外に出て馬車を確認するとそこにはレオさんが倒れていました。




その後看護師さんが担架を持ってきてレオさんは病院内へ運ばれていった。


先生曰く気絶しているだけらしい。



トキハさんはヤートに頼まれ馬車でパペット洞窟に行った所レオさんが倒れているのを見つけてそのまま病院に運んだみたいです。


ヤートの奴そこまで予想出来てるなら先に言えってくれても良かったのに。


数時間後にレオさんは意識が戻ってそのまま自bんの家に帰っていきました。


それを見て私たちもベルメイユに戻ってきました。


そこにはノームさんとヤートが1つのオーブを囲んで悩んでいました。


そのオーブはとても鮮やかで優しく大空のような青色でした。


「どうしたのヤート?そんな複雑そうな顔して。」


「こいつをどうしようかなって思ってね。」


ヤートはそう言いながらオーブを指さした。


「このオーブは?」


今度はノームさんが答える。


「コルだよ。」


え?


コルってこんな色してたっけ?


疑問に思っているとノームさんは話を続けた。


「多分レオと会った事で本来の輝きを取り戻したのだろう。」


「半分正解ってところだな。」


突然後ろから声がした。


振り向くとそこにはレオさんがいつもの服でいた。


どうやら元の服装に戻るために家に帰っただけみたいでした。


ヤートが質問する。


「半分正解という事はやはり白石化はくせきかしていたの?」


レオさんは静かに頷いた。


本で読んだことがある。

長年使われていない武器は白石化はきせきかという武器が白い石となって砕け散る現象の事だったはず。


だけどコルは白くなってない。


他に白くなるところがあるとしたら…


「コルの中にいた二人は…」


「玲の考えている通り白石化によって砕け散った。だからコルが残れている。」


レオさんは暗い顔をしながらそう答えた。


するとヤートがレオの前に立った。


「ベルとネスを救えなくてすまなかった。薬屋とは本来病院で治せない病気を治すのが役目なのにそれなのに治せなかった。本当にすまなかった。」


「もういい。そんなことよりも今はコルを誰が使うかという事の方が俺は気になる。」


ヤートの謝罪をひらりとかわしながらレオさんはそう言った。


レオさんは話し続けた。


「俺は玲に使ってほしい。今コルがこんな状態だから誰が使っても良いが一番使いこなしてくれそうな人は玲しかいないと思う。」


え?

私?


「嬉しいけど私なんかで良いの?」


そう言いながら皆の事を見た。


すると全員が深く頷いた。



レオさんは初めから決まっていたかのように

「決まりだな。」

と言った。


決まった…


これからは私がコルを使うんだ。


そう思うと自然と力が出た。




そのあと私はベルメイユでレオさんからコルの使い方を教えてもらっていた。


その時だった。


一人の老人が来店した。


村長だった。


「やはりここにおったか玲。仕事の依頼が来たから後でわしの家に来るんじゃ。」


村長さんが直々に仕事の依頼を届けに来た?


そんな大事な事って何だろう?


そんなことを思いながら私は使い方を大まかに覚えてから村長の家に行きました。


村長さんの家は門の反対側にあって屋敷です。


庭があってその中には噴水や白色のガゼボという茶飲み場があります。


村長さんは召使いを雇えるほどのお金持ちなのですが誰も雇っていません。


その代わりに火事などの災害やお金の無い人たちを集めてその人達を召使い代わりにしているみたいです。

ちゃんとお給料も出るし住む場所も提供してくれるし休みも貰えますので村長は本当に良い人です!


村長さんは屋敷の敷地内にある小屋で普段生活をしています。


どうやら本人は屋敷に住みたくないらしいです。

だから小屋を自分で作って住んでいるみたいです!


なので屋敷は完全に召使い代わりの人たちしか住んでいません。


私は村長の小屋の中に入ってきました。


そこには人が一人余裕で入れるカプセルが一つとベットが一つしかない部屋でした。


村長さんはベットに座ってました。


「よくきたね。早速じゃが本題に入らせてもらうわい。最近”現代ナウ”で沢山の子供が突然自殺するという事件が起きている。この事件はとある少年が子供だけで生活し時が来た子供は自殺をするという事件なんじゃが、向こうの警察もまだ実態を把握できていない状態らしいのじゃ。だからわしらも協力して自殺を止めるのが今回の目的じゃ。やれるかい?」


「はい!頑張ってみます!」


私がそう答えると村長さんは笑顔で嬉しそうになった。


「そうか。ならそこのカプセルの中に入ってくれ。それが転送装置になっておるのじゃ。」


村長さんがそう言うとカプセルの蓋が自動で開いた。


私はそれの中に入ってみました。


カプセルは横になっていて私は寝そべるような形で中に入りました。

中は木特有の温かい感じがしてました。


「それでは頼んだよ。」


そう村長さんが言うと転送装置が起動し始めた



次の瞬間



カプセルの外の景色が一瞬にして変わった。


手作り感満載の屋根から一変して洋風の屋根がカプセルから見える。


少しするとカプセルの扉が開いた。


起き上がって横を見るとそこには…



「人型トカゲがいる。」


「誰が人型トカゲじゃけ!!」


「トカゲが喋った!」


「トカゲじゃねぇつってんだろぉ!!」


緑色のスーツを着たトカゲが立って喋ってる。

鬼がいる時点でいてもおかしくないか。


トカゲは怒りながら喋り続けた。


「俺は人系竜人族のタン・ラン。男だ!」


「あんたは竜人じゃなくてリザードマンでしょうが!」


トカゲが話している時に上からチョップが飛んできた!


トカゲが倒れると後ろから女性が現れた。


こちらもスーツ姿で秘書のような姿です。

髪型がポニーテールで茶髪とより秘書って感じが引き立ってて綺麗な人だわ。


「ごめんね!こんな変な人に急に絡まれてびっくりしたよね!私は人系現代人ナウビト族の下田しもだ あかねって言うの。気軽にあかねって呼んでね!よろしく!」


「茜さんこちらこそよろしくお願いします!私は異世界人の黒宮くろみや れいと言います!桜木村から来ました!」


私がそう返すと彼女はニコッと笑顔で返してきた。


本当に綺麗な人だ。


そんなことをしていると下からさっきのトカゲが起き上がってきました。


すると茜さんがにやけて

「あ、トカゲが起き上がった。」

と言いました。


「だからトカゲじゃねぇって言ってんだろうが。あと何度も言ってるけど俺一応この事務室の事務長なんだよ。それでお前は副事務長なのね。一応俺の方が偉いんだからいじるの止めて。」


え。


この人が事務長!?


全然見えない。



すると茜さんは話を聞いていないのか無視して私に話しかけてきた。


「ここはサンタ支部室。別名事務室と言うのよ。覚えておいてね。」


「無視すんなや!」


すると茜さんは呆れた顔をしている。


「もうそれ飽きたんで早く次に移ってもらっても良いですか?」


するとトカゲも呆れた顔をしている。


「ったくめんどくせぇ女だ。とりあえすカプセルから出てこっち来てもらっても良い?事件の内容話すから。」


そう言うとトカゲはカプセルの反対側にある扉から出て行った。


この部屋はカプセル以外は何も無くて殺風景だ。


私はカプセルから出て茜さんと一緒に奥の部屋に行った。


奥の部屋は左側に4つの机が1つの場所にまとめて置いてある。

どの机の上にも大量の書類が山積みになっている。


机の奥にはホワイトボードが1つ置いてあってその前に6つの木製の椅子が置いてある。


右側にはカウンターがあって上にはレジが1つ置いてあるだけです。


カウンターの奥には外につながる玄関があって

外には植木鉢などが飾ってあってお店感を出しています。


トカゲはホワイトボードの前に立っているので私達はホワイトボードぼ前に置いてある椅子に座りました。


「よし席に着いたな。それじゃ改めて俺は人系リザードマン族のタン・ランだよろしく。」


「黒宮玲です!よろしくお願いします!」


「早速だが事件の内容を話させてもらう。」



それから私はトカゲから事件の内容を聞きました。


事の始まりは4日前。


とある一人の成人男性が突然姿を消して自殺した。

自室での首吊り自殺でした。

そしてその次の日中学生くらいの女性が同じく首を吊って自殺。


この時どちらの死体の近くにも『Who am I? 』(私は誰?)っと赤いペンキで書いてありました。


この文字から警察が事件だと捉えて行動し始めたみたいです。


そして昨日二人が同じ下水道から出てきたことが分かったのでトカゲがその下水道入ってみるとそこには1つの扉がありました。

その扉は赤い木製の扉でそれ以外はコンクリートで固められていたみたいです。


トカゲが扉をノックすると扉の奥から声が返ってきたみたいです。


「何の用でここに来た?」


声は子供のような声なのにどこか大人びている声だったみたいです。


トカゲは事件について何か知っているか声に問うと声は

「素晴らしいことじゃないですか。自分の力でこの世界から抜け出せたのですから。うん。実に素晴らしい。ああっと話が逸れてしまいましたね。申し訳ないですが私は何も知らないですね。悪いですが他を当ってみてください。」


トカゲは何かあると思いながらもその場を後にしてその後、少し下水道の入り口を見張ってみると小学生くらいの男の子が中に入って行った。




暫くすると男の子は下水道から出てきたので話を聞いてみるとどうやらあそこは自殺志願者が集まって自殺の準備をしていく所で中々自殺に踏み出せない人の自殺を手助けする場所らしいです。


トカゲは男の子に紹介してもらって中に入ることが出来ました。


そこでトカゲは驚きの光景を目にしました。



それは…



下水道の一部を利用して人るの小さな国が出来ていたのです。


左側に畑があり右側に居住空間があり正面にはガラクタで出来た城がありました。

城と呼び名にふさわしいくらいに大きく、ガラクタで出来た城壁の奥に拳を突き上げるマークのある旗を一番上に掲げてある城です。


男の子は国王に挨拶に行くと言ってトカゲを城の中に連れて行きました。


中は意外にも狭くて入ったらすぐに王室で奥にさらに1部屋あるだけにしか見えなかったみたいです。


また王室のような場所はとてつもなく不気味で入って一直線上に台座の上に座椅子を置いただけの不格好な玉座が置いてってその奥に扉が1つ、そしてその周りの天井には大量の首吊り縄が吊るされていたみたいです。


少しすると奥の部屋から折り紙で出来た王冠をつけた中学生くらいの男の子が出てきて玉座に座りました。


どうやらこの国の王様みたいです。


「ようこそ楽園へ。僕はこの国?集落の長をしている黒沢だよろしく。」


「どうもと言います。リザードマンです。」


トカゲはこの時黒沢の事を怪しいと思い偽名を名乗ったのです。


すると黒沢もトカゲの事を怪しく思ったらしく目つきが鋭くなったみたいです。


そんなこと気にせずトカゲは質問をしました。


「近頃二人の人が自殺しましたがあなた方の仕業ですか?」


「はいそうです。っと言ったらどうするつもりですか?」


トカゲは嘘で固められたような笑顔で答えた。


「私も自殺したいと思っていたのでここを出入りできるようになるためにはどうすれば良いか聞きたいのです。」


そうトカゲが言うと黒沢は一瞬ゴミを見るような目をした後すぐに笑顔に戻り

「でしたら普通に工務店で縄を買って首を吊ればおしまいですよ。さぁ話は終わったことですしお帰り願います。ここは貴方のような人が居るべき場所ではないので。」

っと言った。


そう黒沢が言うと男の子が強引にトカゲを引っ張って下水道の外まで連れていかれたみたいです。



この下水道での出来事からトカゲは黒沢がこの一斉自殺に関わってると思い調査したいが自分はもう警戒されているので応援を呼んだ結果私が来たみたいです。


「っとまぁ事件はこんな感じだからよろしくな。黒沢が何か知っているのは確定だと思って良いから頼んだぞ。」


ここで私は1つの疑問が頭をよぎりました。


「なんで茜さんが行かないのですか?」


そう茜さんに聞くと茜さんは笑いながら答えた。


「今机の上にある大量の書類は見えるわよね?あれ全部片づけないと次に移れないからいけないのよ。どっかの誰かが書類処理をまっったくやらないから。ね?トカゲさん?」


そう茜さんが言うとトカゲは咳払いをした。

多分トカゲの本来の職務は書類処理なのだろうけどやっておらずそのしわ寄せが茜さんに来ているのだと思います。


「とにかく玲よ頼んだよ。俺は別の線を追うから。」


そういうとトカゲはそそくさと事務所を出て行った。


茜さんは呆れた顔をしながら書類の山の前の椅子に座り作業を始めました。


私はとりあえずホワイトボードにあった地図を使って下水道の所に行くことに決めました!



私が地図を見てから店を出ようとすると茜さんが私の方を見て

「行ってらっしゃい。」

と言ってきました。


私も

「行ってきます!」

っと元気な大きな声で言いました。



今日から始まる。



これから起きる自殺を止める仕事が今日から始まる。


そう思うと店を出る一歩が自然と力強くなりました。




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