第2話 転生したら鬼族と会えました!
見た事もない場所に立っている…
「ここ何処?」
辺りを見渡して見ると一面壁で後ろに洞窟のような穴がある。ここからだと出口が見えない。正面を見ると泉がありその奥の壁には水が滴っている。その水が溜まって泉が出来たように見える。また、足元には草が生い茂っている。
どうやら本当に異世界に来てしまったようね。
「何? この草?」
草の上にいると変な気分になる。まるで何かを吸われているような気分。
「…喉乾いた」
目の前の泉に行って水を飲もう。そう思い泉に近づいて泉を見てみると泉に自分の姿が映った。
何の変哲もないいつもの私の姿でした。
ただ、いつもと違う所がある。
服装がいつもと全く違う…
髪型はショートでいつもと同じなのですが、長袖Tシャツの上に黒色パーカーを着ていて、下にはジーパンととても動きやすい服装になっています。
だいたい私はジャージしか着ていなかったからあまり似合わないと思ってたけれど、意外と自然な感じで着やすい。
っとそうだった泉の水を飲みにきたんだった。
………というかこの水の飲めるのよね?
「まぁ一応見た目は透き通った綺麗な水だからのめるはず…」
そう思った瞬間泉の水が太陽の光を反射させたように見えた。
まるで私のことを誘っているかのように…
「ああもう我慢の限界! 飲もう!」
そう思って水を掬い上げようと手を泉に近づけたその時
「動くな!そこで何をしている!」
突然後ろから男性の声がして私は思わず立ち上がって両手を上げた。
その後何が何だか分からなくなってしまって
「ごめんなさい! 喉が渇いていて、それで泉の水が綺麗なように見えたので飲もうとしただけなんです!」
っと言ってしまった。
すると声の主は
「いいから黙ってそのまま後ろに下がってこい! いいか絶対に振り返るなよ。 ったく何でこんな所にガキがここにいるのだか分からんな。」
と返してきた。
とりあえず私はゆっくりと一歩ずつ声のした方向に下がって行った。
「よし良いぞそのまま下がってこい。」
声の感じからして30代前後の男性のように聞こえた。また、身長は声のした高さから私の身長(160㎝)よりも高いことが分かった。
「よーし良い子だ。そこで止まれ。」
声すぐ後ろまで来ていたどうやら声の主の所まで来たようだ。
「あのー、このあと私どうなっちゃうのでしょうか?」
私は恐る恐る聞いてみた。
すると男は
「まぁ、お前の処罰よりも今は目の前のことに集中することにしますかね。いくぞ、”#
!!
突然泉から黒くて禍々しくもどこか寂しそうと感じさせる球体が出てきて泉の上に浮いている。
でかい…
「お前はここで待っていなさい!来ても足を引っ張るだけだ! …それとも俺の食事を邪魔する気ならお前も喰うからな!」
男はそう言った瞬間に球体のほうに飛び出していった。その時に顔を確認したかったのだけどフード付きのローブを羽織っていて良く分からなかった。
「”#
放たれた言葉によって球体はピンポンボールみたいなサイズになっていった。
そして…
男はそれを食べた。
食べた後に男の体は一瞬大きくなってから元に戻った。
その時、男の被っていたローブのフードが取れて顔が見えた時に私は驚きを隠せずにいた。
男の額に
それによって私はようやく理解した。目の前にいるこの男こそ鬼族だということに…
私は目の前にいる鬼族に恐怖で萎縮してしまった。しかし、同時に彼はどこか悲しそうな表情をしているように見えた。
そこで思わず私は
「どうしてそんなにも悲しそうな顔をしているの?」
と聞いてしまった。今聞かないと後悔してしまうと思った。もちろん怖かったし声は震えて小さかった、良く聞かないと声だと分からないような小さな声だった。
しかし、彼は答えてくれた。
「なんで悲しそうかだって? 簡単なことよ、毎日こんな不味い飯を食わないといけないのだからなぁ!! ……お前らが毎日喜びに溢れた幸せな日々を送ってくれないからこんなことになっているのだぞ… 」
え? どういうこと? 私達の生活がこの鬼の食生活を悪くしてる? まったく訳が分からない
「…!! お前のその服装もしかして異世界から来た人間か?」
!!
当たってる! やっぱりこっちの世界の人と服装が違うんだ!
そしてこっちの人は異世界の人を知っている。じゃないと、私の服装から異世界という言葉までたどり着けないはずだから!
これは素直に言ったほうが良い!
「そうなんです! しかもこの世界に来たばかりで何も分からないのです…」
よし! 今度ははっきりと言えた!
すると彼は
「そうか… だからあの泉にも近づいていたのか。分かった今からその説明をしよう。 その前に何も聞かずに怒鳴ったりして悪かったな。」
っと言いながらゆっくりとこちらに来てくれた。
「いえいえ、こちらも泉に近づいたりしてごめんなさい。」
そう言い終わる頃には彼は私の近くまで来てくれていた。
「では、早速で悪いがこの世界の事について話そう。」
そのあとこの世界について事細かに話してくれたので簡単にまとめると、
この世界の名前はクロスワールドというらしく、神・天使・人間・悪魔などの様々な系統の生物が住んでいる世界らしい。また、天使や悪魔などは種類が多く種族まで分けられているという。
異世界から来た人は異世界人と呼ばれている。
普通は異なる系統に同じ種族はいないが、鬼族だけは違って天使系と悪魔系の2系統に同じ種族がいる。
そもそも鬼族は人間の体から出てくる感情を球体にして食べるのが基本らしく、天使系は人の正の感情(喜びや勇気、愛など)を好んで食べるらしく負の感情を食べても栄養は取れるが吐き気がするような味だという。逆に悪魔系は負の感情(苦しみや後悔、悲しみなど)を好み、正の感情を嫌うらしい。
彼の名前はレオ・マールン
年齢 32歳
天使系鬼族に属している赤鬼だという、確かに肌の色が赤い。
髪は黒色で額の右側、ちょうど右目の上の所に
そして、職業はやはりサンタだという。
「今この世界では、神と鬼族以外の天使や一部の人間によって作られた国”
とレオは説明してくれた。
このようにして今の世界クロスワールドは出来ているらしい。
レオさんは話し終えた所で質問をしてきた。
「普通の人間や異世界人はライクに入ることすら出来ない。なぜならライクは周りが高濃度の魔力の霧が出来ていて入ろうとしても来た道に戻されるだけだ。しかも、霧のせいで外部からの魔法も受け付けない。それなのにお前はなぜここにいる? ライクに何をしに来た?」
私はここに来る前の事を話した。自殺したことも、何もない空間でのあのゲームのウィンドウズみたいなものについても、全部話した。
「そうか、それでこの国にいるのか… 分かったサンタになれるのかテストをしよう! 」
私は突然ことだったから気構えてしまった。
けれど、これでサンタになるチャンスを手に入れれたのだから安心した。けれど、まだサンタになれると決まった訳ではないから頑張らないと!
「そう気構えなくても良いぞ、質問に答えてくれればそれで決まるから。」
うぁ、面接みたいな質問ばかりなんだろうな、私そういうの苦手だから緊張しちゃうなぁ。
そう考えているとレオさんの準備ができたみたい。
「よし準備出来たから、あとはそっちのタイミングで始めるから準備が出来たら声をかけてくれ」
始まる…
そう思うと自然と大きな声で
「よろしくお願いします!」
と言えた。
とても大きく元気な声で
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