process 4 未来を閉ざさぬため
食事を終えた2人は部屋へ戻ろうとしていた。
「今日もラボに泊まりで?」
「ああ、早くやり終えておきたいものがあるんだ。今日は久しぶりに君とゆっくり話せてよかった」
「僕もです」
「そういえば、木城君とも話せてないな。元気にやってるか?」
「ええ、見違えたように精力的に」
「ふふふふ、そうかそうか」
2人は長い廊下を歩き続ける。
食堂があるフロアは訓練室、ジムといった、隊員や候補生が日々
長く感じる廊下も1人で歩くならただだるいだけだが、浜浦のそばで歩くのはなんだか懐かしい気分だった。
関原は密かに微笑み、感慨に
「大丈夫ですか!?」
関原はひやっとする出来事に息を上げる。浜浦は平気だという具合に笑ってみせる。
「すまない大丈夫だ……。少しよろけてしまった。いや、私も歳だな! ははははは!」
関原は少しの安堵と微妙な違和感を抱え、浜浦の様子を気にしながらエレベーターへ向かった。
ラボに戻った浜浦はセンサに触れて電子ロックをかける。
室長室にうっすらと明かりが灯る。浜浦はおぼつかない足取りで簡素なキッチンへ向かう。
英知の結集の棚でオレンジの光が2つ。機械仕掛けのタコは優しく目を光らせる。設計書を壁に映すタコの目。実に2400ページにも及ぶ膨大な設計書を保管できる。メガメモリーオクトパス。これをわずか6歳の子が作ったと聞いた時は、浜浦も度肝を抜かれた。
暗い場所と壁面さえあれば、どこでも投影することができる。
限定講習会に参加していた6歳の女の子は、自己紹介の際に早速自作のロボットを宣伝し始めた。仮にも大人たちが集う場で臆せず、自作ロボットを売ってきたのだ。
自由過ぎる少女に絶句する大人たちだったが、面白い少女が出てきたと喜んだ浜浦は、少女自作のメガメモリーオクトパスを購入した。
6歳の少女ということもあり、商売はうまくなかった。スペックから考えても1000万円は高過ぎる。交渉の末、10万500円で話がついた。またいつか会おうと約束したが……。
キッチンで咳き込む浜浦。喉が焼けるように熱い。
唾だけではなかった。シンクに広がる赤は、蛇口から出る水を滲ませて広がりながら排水口に流れる。
浜浦は自身が吐いた血の量にもどかしさを抱く。
「まだ……まだ持ってくれ」
暗がりにただ1人、呟いた。
「少しだけ……あと、少し……」
シンクに投げ出すように下げていた顔を上げ、めまいを主張する瞳を鋭くする。
「分かっていたが、さすがに
息を荒くし、口元を水で洗う。
「まだ倒れるわけにはいかんのだ。未来を閉ざさぬためにっ……!」
わずかに血をつけた掌は握られ、拳に隠される。
ずいぶん老いてしまった。気持ちとは裏腹に、体は言うことを聞かない。だとしても、やらなければならない。
強く生気に
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