第36話

初級ダンジョンの構成は、へドリアンゾーン、ゴリアナゾーン、複合ゾーンの3つに分かれている


タンク1人に魔法士2人とアンバランスな組み合わせだが剛は器用にアタッカーも兼任してるいるので上手いことハマっていた


へドリアンゾーンは魔法士2人いればヌルゲー

ゴリアナゾーンも同じく、剛が上手く攻撃を捌いて2人が攻撃

大して苦戦もせず複合ゾーンへとやってきた


複合ゾーンは3段階あり

まずへドリアン1体とゴリアナ1体

ここは裕二が直ぐへドリアンを倒し、あとは残ったゴリアナを倒して終わり


2段階目はへドリアン2体にゴリアナ1体

普通のパーティは魔法士が1人しかおらず、ここで少し苦戦する

だが魔法士が2人いれるので、すぐにへドリアンを倒し後は同じく…


そして最後の3段階目

ここを倒せば初級ダンジョンクリアとなる

敵はへドリアン2体にゴリアナ2体


「…ファイアっ!!」

「…キャノンっ!!」


2段階目と同じように裕二と初島が初手でへドリアンへと魔法を放つ

勿論魔法自体は直撃したのだがへドリアンが消滅しない

その理由は至って簡単なものだった

この初級ダンジョンの最終だけへドリアンの体力が多めに設定されているから


多めと言っても通常現れるへドリアンと同じ体力に設定されている


と言ってもそれは、討伐者になれるレベルの魔法士がちゃんと能力上昇をしていれば一撃倒せる程度のもの

今回に限って裕二と初島は能力上昇を俺が制限していたせいで一撃で倒せなかった


これに関しては完全に俺のミス

能力上昇はしていないが体力は上がってる

流石に命の危険は無いだろうけど…


というのもこのへドリアンという害獣

ゲームで言えばスライム、レベル上げにもってこいの雑魚キャラという認識で問題ないのだがある一点においてはゴリアナ、いやべローマよりも厄介かもしれない


へドリアンは口?(体の一部)からヘドロを放った

通称、ヘドロ爆弾

スピードも遅く山なりに飛んでくる

普通の討伐者なら当たる事はない


その証拠に裕二は普通に避けて追撃の準備に入る

だがパニックになっている初島は足にヘドロ爆弾を食らった


このヘドロ爆弾がかなり厄介でデバフ効果として技能の全能力半減、かつ5秒に1回1のダメージを食らう

解除方法はヘドロ爆弾を放ったへドリアンを倒すしかない


普通のへドリアンはヘドロ爆弾を相手に当てたら逃げてしまう

もしヘドロ爆弾を食らってからへドリアンの姿を見失ってしまえばただ死ぬのを待つだけとなってしまう


まぁダンジョンのへドリアンは逃げる事はないから滅多な事がない限りは大丈夫

だが剛はゴリアナ2体を相手し、剛はへドリアン2体、初島はパニックときた

俺が手を貸さないといけないかもしれないな…


「初島っ!!落ち着け!こっちは大丈夫だから、裕二と一緒にへドリアンを倒してくれ!!」


剛が叫ぶとその声で初島は正気に戻る


剛自信2体のゴリアナから攻撃を受けているのに盾と剣で器用に攻撃を捌いている

その上でさっきの的確な指示出し、やっぱりお前は主人公だよ…


その後は裕二と初島でへドリアンを倒してから3人でゴリアナを倒し、無事初級ダンジョン攻略となった


これで討伐者カードは貰えるし、レベルも怪しまれない程度にはあげられた

取り敢えずはなんとかなった…か?


あとは入院中の傑だけ討伐者カードを貰えない問題が出てくるのだが、実はそれに関して手を打ってあった


勝敗に関わらず傑が無茶をするのは分かっていたし、それでレベリングが遅れるのも予想がついた

だから俺は傑と矢島の戦いの時、無理を言ってケジリ司祭に来てもらっていた


当時、転移者の中でトップクラスの強さだった矢島に対しドーピングをしたとはいえあれだけの戦いを見せた傑を討伐者にしないのは勿体ないとケジリ司祭を説得

あの人はああ見えて良い人で、渋々だが条件付きで了承してくれた

その条件は残りの俺達4人で初級ダンジョンをクリアする事と傑が治ってから戦闘試験を受ける事

無事前者はクリアした、後者に関しても問題ないだろうと思っている


退寮し、正式な討伐者となるまであと2週間となった

とは言ってもすぐに活動する訳では無い

最低でもステータスの魔法を覚えてから

俺達は5人合わせて支給金400万もらえる

(俺の先払い分-20万、傑は正式な討伐者ではないので暫定20万)


ステータスの魔法を覚えるまで大体7ヶ月くらい

宿代や食費として使っていたら400万なんてすぐに無くなる

それに装備品なども買わないといけない事を考えると心許ない

なので退寮までの2週間で各々バイトを探して貰うことにした

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る