第30話
――翌朝
早速初級ダンジョンへと向かった
取り敢えず皆の動きを見せてもらう為に、俺抜きで戦ってもらうことにした
初級ダンジョンはへドリアンゾーン、ゴリアナゾーン、複合ゾーンと奥に行けば行くほど難易度が上がる仕様
へドリアンゾーンは剛が牽制兼盾として動き、祐二が魔法で仕留める
ゴリアナゾーンも基本的には同じだが剛の攻撃が通るのでダブルアタッカーのような形で戦う
複合ゾーンに関しては流石に2人では無理だと断念した
まず祐二…
あくまで現段階にしてはだが、矢島戦の時も思ったけど発動までがスムーズになっている
きっとイメージトレーニングをしっかりやっていたのだろう
使える魔法の種類も火、水、風、土と基本の4種類は覚えていて、その上でその場その場で適切な魔法を使えている
俺の中での評価はかなり高い
次に剛…
まだ勇者の第1覚醒もしていないから正直物足りない感はある
現状で言うなら運度神経が良いだけの普通のタンクって印象
とは言っても運動神経というのはやはり大きな武器である、剣を振る姿も様になっていたしたまにだが食らうと思った攻撃を避けたりなど目を見張る動きがあった
そのたまにが常に出せるようになればもう一段階強くなりそうだ
最後は初島…
まぁ、うん。別に戦闘要因として仲間にした訳じゃないし?
いいんだけどさ?でも、あまりにも普通の女子で…
正直言うとなんもして無くね?
彼女のレベリングにも関わるし何か考えないと…
「テロン」
あぁ…これは、実に何十年ぶりだろう?
こんな音だったっけ?
なんて感慨に耽っていたら皆に不思議そうな顔をされた
だいたい分かったし今日はここまでにしとこう
今日は俺と初島が1レベルずつ上がった
結構倒した割に上がってないのは、パワーアップバングルを付けているから
1人になってから鑑定魔法を使う
さて、どうなるかな?
「我求む、我が魔力を以て、我が能力を映し出せ、ステータス」
和泉 啓介
age:17
レベル:2
職業:無職
体力:2980/680(+2300)
魔力:1050/0(+1050)
技能(未振:20)
力:13(+280)□上昇
技:13(+230)□上昇
速:13(+150)□上昇
魔:1(+105)□上昇
スキル
槍術、剣術、斧術、弓術、棒術、槌術、格闘術、空手、武人
魔法
鑑定(初)
EXスキル
極めし者(リセットボーナス)
1周目では検証する事が出来なかった、俺の推測
鑑定魔法を習得する本当の目的…
2周目で初めて鑑定魔法を発動した時にステータスが加算されたから確信に近いものがあった
それでも嬉しい…
試しに力の上昇を押してみると力の数値が上がる
それから5秒ほど経つと脳内に文字が浮かび上がった
能力を確定しますか?
○はい ○いいえ
はいを選ぶ
すると力の数値は14になった
教会ではなく鑑定魔法でも能力上昇を行える
しかも、自分の望むとおりに…
これでまた1つ、奴を倒す為の道が近付いた
夜になり1人で上級ダンジョンへとやってきた
みんなとのレベル差を埋める為、と自分のステータスを確認する為
数値上は確かに上がっている
だが()で括られているし実際の戦闘で試した訳では無い
だからってわざわざ上級ダンジョンに来る必要があるのか?と聞かれると困るんだけど…
ま、そこは置いといて…
上級ダンジョンで出てくる主な害獣はゴリアナとべローマ
ゴリアナと言っても中級にも出てきたゴリアナソルジャーに加え、ゴリアナマジシャンと呼ばれる個体だ
ゴリアナソルジャーは6本の手にそれぞれ武器を持っていたが、ゴリアナマジシャンは6本の手で3本の杖を持つ
つまり最大で同時に3つの魔法を放ってくるのだ
上級ダンジョンに初めてきた討伐者は尽くゴリアナマジシャンにやられる
だからゴリアナマジシャンは通称「上級の壁」と呼ばれている
そんな高レベルなゴリアナゾーンを抜けた討伐者を待っているのはべローマ
べローマは中級ダンジョンのボスとしても現れる
見た目は3mの巨大なムキムキの熊だ
ムキムキとは言ったがその皮膚は筋肉などではない
防御力が尋常ではなく
いくら攻撃しても大したダメージにはならず
やっとの思いで一撃を与えたと思っても、すぐに再生してしまう
攻撃面では、攻撃力がかなり高く力のステータスが100未満の者が盾で攻撃を防ごうとしても盾ごとペシャンコにされる
それでいて動きが素早い
これだけ揃っていると絶望的に思えるが、べローマの倒し方は意外と簡単だ
一定数のダメージを与えると10分間胸の辺りに五角形の石が現れる
それを破壊すればいい
力ずくで壊そうと思うと力のステータスが200以上はいるが、火魔法なら初級で破壊出来る
取り敢えずはゴリアナソルジャーだ
こいつの正攻法は前衛が腕に対処して魔法士がトドメを刺す、やり方自体は矢島達も間違っていなかった
ただこいつは体力が結構多いので辛抱強く攻撃を続けないといけない
今の俺には味方も魔法士もいないわけだが…
ゴリアナソルジャーの6本の腕による波状攻撃
完全に見切ってしまえばこの攻撃は腕が絡まらないように左上から反時計回りに攻撃してくるのが分かる
だから冷静に対応すれば躱すのは簡単
そして4本目の攻撃を下に払い除け、こっちから見て右側に潜り込めば
斬っ!!
簡単に攻撃出来る
テ、テ、テロ、テ、テロン
一体倒しただけなのに5つもレベルが上がった
俺がまだレベル2だったからと言ってもかなり美味しいな
流石にレベルを上げすぎるのもどうかと思うのでべローマと戦って帰ろう
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