第4話 不良に絡まれる金髪美少女
初恋
第4話 不良に絡まれる金髪美少女
雪と一緒にお昼ご飯を食べるべく、Mのついたハンバーガー屋に向かっていた。
その道中に見た事ある金髪美少女が街の不良2人に絡まれていた。
(いや、ラノベのテンプレかよ)
そんな事を思いながら近づくと不良が金髪美少女の腕を掴んだ。
それを見た優は走り出した。
(ラノベのテンプレ通りなら、なんとかなるはずだ!)
「やぁ桜、おまたせ。(イケボ)」
満面な笑みを浮かべながら桜の近くに行き、さりげなくその場から連れ去ろうとする。
「おい、何処行くんだよ。」
優の肩を不良Aがガッツリと掴んできた。
優は相手を刺激しない様に笑顔で返事をする。
「いやぁ、これから僕達デートなんですよ、じゃあそういうことで。」
(決まった!ラノベって現実でも使えるのか!)
そんな事を優が思っていると隣の金髪美少女が口を開いた。
「え?貴方の事なんて知らないんですけど。いきなり彼氏ヅラされても困るというか。私が可愛いのは分かるけど、そう言うのはお互いをもっと知ってからじゃないと〜、てかあんまりタイプじゃ無いし〜。」
そんな事を隣の金髪美少女…もとい、金髪ビッチが言ってきた。
(え?この子アホなの?どう考えても俺はしつこいナンパから助け出したナイトでしょ?ここからラブコメが始まるんじゃないの?…クソ!ラノベなんて信用した俺がバカだった!)
そんな事を考えていると不良Bがゲラゲラ笑い出した。
「アハハ!カッコよく助けたつもりが振られてやんの!お前みたいな陰キャはお呼びじゃないんだよ。分かったらどっか行きな。」
そう言いながら優を突き飛ばした。
周りに居た人達もクスクス笑っている。
(クソ〜、こんな事なら助けなければ良かった…)
恥ずかしさのあまり走ってこの場から離れようとすると、新入生代表のスピーチをした玲がこちらを睨みながら走って来た。
想像してみて欲しい。美人が睨む姿を。誰でも恐怖するだろ?
何であんなに怒っているのか理解が出来ないまま玲がだんだんと近付いてくる。
こちらを睨めつけながら近付いて来る玲は、優の横を通り過ぎ、金髪ビッチに·····ビンタした。
「この人が桜の事を思って助けに入ったのが分からないの?これだけの人が居る中、この男の人だけが桜を助けに来てくれて…それを桜は台無しにしたのよ。トンチンカンな事を言って、この人を傷付けてどうするの?」
その言葉を聞いて金髪ビッチはハッとした顔をしてこちらを向いた。
その綺麗な顔は、片方の肌だけ薄らと赤くなっていた。
そして、こちらにゆっくり近付いてきて頭を下げた。
「ごめんなさい!私、助けてくれたって事に気が付かなくて、ってきり新手のナンパかと思って。ちょっと声を掛けられて調子にのってました。本当にごめんなさい!」
そう言いながら何度も頭を下げてた。
その隣に玲がやってきて一緒に頭を下げた。
「本当にごめんね、この子悪い子じゃ無いんだけど、ちょっとトンチンカンな所があって。私がトイレに行っている間にこんな事になっているなんて…本当にごめんね。」
「いや、俺の方こそ彼氏の振りをするんじゃなくて、友達として止めに入ればよかったかなと反省していますので、そんなに謝らないでください。」
何故か敬語で話してしまう優。美人の前だと同い年でも敬語になってしまうのは陰の者として致し方無いと思う。むしろ、噛まずに話せた事だけでも大金星と言えるだろう。
「優しいのね貴方…えーと、名前は…」
「佐藤です、佐藤優。守屋さんとビッ…じゃなくて東堂さんと同じクラスです。」
「見た事あると思ったら同じクラスなのね。」
「はい、これからよろしくお願いしますね」
「同じクラスなんだから敬語じゃ無くても良いのよ。」
「すいません、美人と話す事に慣れていなくて…」
「うふふ、お世辞がうまいのね。」
そうやって笑う玲はとても綺麗だった。
胸がドクンと鳴った気がした。
(美人に緊張したのかな?)
そんな事を思っていると桜が口を開いた。
「むー、玲だけ話してずるい!私も混ぜて!」
「私は桜の変わりに謝っているんだけども。」
「そうだけど優くんは私を助けに来てくれたの!」
(え?優くん?何それ、女の子に優くんなんて言われた事無いんだけど、ドキドキが止まらないんですけど!まぁ、金髪美少女だし、いくらビッチと言えど顔は可愛いし、なんかいい匂いするし、脚も白くてなんかモチモチしてそうだし、胸だって…はっ!いかん、いくら可愛くても相手はあの腐れビッチ!俺はまだこのビッチを許した訳では無い!…だが今回は守屋さんに免じて許してやろう。)
ドクンドクンドクンドクン。
(心臓がやけに煩い。顔も熱い気がする。…いやいやいくらなんでも無い!…無いよな?え?待って!俺ってチョロインなの?可愛ければ誰にも惚れる猿なのか?)
「ねぇ!優くんって同じクラスだったんだね!良かったら連絡先交換しようよ!」
そう言いながら桜はQRコードを見せてきた。
「俺なんかで良ければ喜んで(イケボ)」
キリッとした顔つきで優は返事をした。
心臓がバクバク言っている。
「俺なんか…じゃないよ!優くんだから交換したいの!」
(おい!誰だ!さっき桜の事をビッチと言った奴は!俺がぶん殴ってやる!…あぁ俺だったわ。良い子だけど頭の方がちょっとあれなだけで、けして悪い子では無い!)
「そうか、嬉しいよ。こんなに可愛い子と連絡先を交換出来るなんて、慣れない事でもするもんだな。」
「そんな、可愛いなんて…優くんもカッコよかったよ…」
頬を染めながらモジモジしている桜。
そんなやり取りをしている中、雪が近付いてきた。
「優、大丈夫?怪我とかしてない?」
心配そうに体を触ってくる雪。
(そういえばいつの間にか不良が居なくなっていたな。あ、ちょ、雪何処を触って…あぁぁぁぁ!らめー!!)
「ふぅ、大丈夫だ、色々ありがとう。」
「ん?良かったぁ、あんまり心配かけさせないでよ」
そう言いながら雪はプク〜と顔を膨らませていた。
(グハッ!これがプク顔か。なんという破壊力!だが悲しいかな。雪は男だ!)
「優くん、この可愛い女の子は…ひぃ!」
女の子と聞いた雪はまたスタンドを召喚していた。
「コイツは雪、この学校で初めて出来た【男】友達だ。」
男を強調しつつ雪と桜の間に入る。
「そんなぁ初めてなんて〜」
雪が頬を染めながらクネクネしている。
雪の背後のスタンドは居なくなっていた。
「私も連絡先を交換してもいいだろうか。同じクラスなら仲良くしたいしね。」
QRコードを見せながら玲がこちらに近付いできた。
「勿論だ。守屋さんと連絡先を交換したなんてクラスの男子に知られたら命を狙われそうだけどね」
そう笑いながら玲と連絡先を交換した。
「私の事は守屋さんじゃなくて玲と呼んで欲しい」
「私も東堂さんじゃなくて桜って呼ん欲しいなぁ!」
「じゃあ俺も優と呼んでくれ、って言っても桜さんはもう呼んでるけど」
「「「「あはははは」」」」
「じゃあ玲さん達も僕の事も雪って呼んでね!」
「勿論!雪くんも連絡先交換しよ!」
皆と連絡先を交換し終え玲と桜とは、その場で解散となった。
「じゃあ雪、お昼を食べに行こうか」
「うん!」
こうして2人は煌びやかなホテル街に消えたとか消えなかったとか。
「おい!だからナレーション!勝手に捏造するな!雪は男だぁ!俺にそんな趣味は無い!」
燦々と輝く太陽に向かって優のツッコミが響いた。
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