「光の天使」番外編 オスカー・フォン・ブラウンの恋

第21話 武官オリオンとアメリア ②

「お前はこの私に、このような服を着ろと云うのか？」

と、アメリアは完全に怒って武官オリオンに向かって叫んだ。

「そうです。ここは敵が支配する星で、あなたの身元がバレれば大変なことになります。これはこの星の民の平凡的な女性の衣装です」

　しかし用意されていた服は、リサーチを間違えたらしく、ミニスカートのメイドカフェの衣装だった。 その上、サイズを間違っていて、異常にスカートの丈が短かかった。アメリアは痩せていたので、着れないと云うことは無かったのだが、男のように背が高く、どちらかと言うとガリガリのアメリアが着ると、まるで男にメイドカフェの衣装をむりやり着せたかのような感じだった。

　それは笑えるレベルの似合わなさだった。

「こんな服、誰が着るものか！私は絶対、このような服は着ないぞ！」

と、一度着た服を脱ぎ捨て、アメリアは近くにあったオリオンのために用意されていた男物スーツを手に取り、代わりに着て言った。

「この服はぶかぶかだが、あんな服よりよっぽど動きやすい。

　私はコレにする」

　帝国軍マルデク情報省長官オスカーは、宇宙連合軍の戦士ミカエルがこの地球に降り立つ前から、部下の捜査官を地球に潜伏させていた。

「それでエルフィン武官とハンネス医官は今、どこにいるのだ？」

と、オリオンは潜入捜査官に尋ねた。

「会えそうか？」

「エルフィンさまに接近するのは、比較的たやすいのですが、ただいつも敵の武官ミカエルが近くにいるので、危険が伴います。

　そしてハンネスさまは、残念ながら会うのはかなり難しそうです。

　ハンネスさまは、宇宙連合軍の地球本部にある宗教団体『光の泉』で、教団が運営する病院の医師として働いています。ただこの病院は、信者以外の患者はほとんど受付ません。そしてハンネスさまはその建物内にある医局からほとんど出られません」