第4話 オスカーとジェイド ②

 長い孤独な夜を、異様なその部屋で少年は恐怖と戦いながら、ひとり耐え抜いたのだが、明け方近くになって、オスカーと名乗った青年が再びやってきて、少年に告げた。


「もう少ししたら、この部屋の主がもどってくる。

 お前のために。主の帰還を遅らせてやったが、これ以上は、無理だった」

と告げた。


「この部屋の主は、あと1時間後には、重要な職務が待っているので、部屋を出てゆく。だから1時間頑張れば、お前は自由の身になれる。

 あとは自力で部屋の主の要求に耐え、隙があったら逃げろ。

 可能だったら、ドアをけ破ってもかまわないぞ。

 一応、ドアの外には、私の部下を配置しておく。

 部屋の外へ、お前が逃げ出すことができたなら、そのまま逃げるのを私の部下が助けてくれる」

 そう言い残すと、オスカーは部屋から出て行った。



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