第30話:見つからない解決法 ⑧
なぜなら、いじめにも“個人型”と“集団型”があり、相手によって使い分けることや集団内のパワーバランスなどによっても変わってくるが、多くの場合は個人型から集団型に移行するというケースであり、このような心理の根底には“面白そう”や“楽しそう”という興味・関心が先行してしまい、この行為で相手が傷付く可能性があるという認識が抜けてしまうという可能性もあるのだ。
そして、このような行為を習慣的に行う事で次第に“日常の中の風景”という認識が潜在的に個人の意識を麻痺させて、当該行為に対する認識にエラーを起こし、1種のマインドコントロール状態になることで自己防衛心理は働くが、相手に対する行為にはブレーキがかからない状態になるなどいじめがエスカレートしていくプロセスにも影響を与えることになるのだ。
そのため、日本においていじめが発生している段階ではあまり顕著にならないのだが、いじめは個人型が誘発されることでこれらの行為が集団型に切り替わる連鎖反応があることや日本の社会的序列がすでに子どもの時から始まっており、これらの行為をすることで“自分自身の社会的立場を確立する準備を始めている”という認識が本人たちに芽生えることで自分の出世を邪魔される可能性がある人や自分の考え方に反する人を抑えるための“練習”という考え方も誘発されるなど子どもの時から他の国の考え方とは異なった発育過程を進む人も多く、日本が今後孤立する要因として懸念される状況も想定しなくてはいけない状態になっていることはいうまでもないだろう。
そのうえ、この事が集団であっても個人であっても最終的には1つのパワーバランスの芽生えにつながっているという可能性を否定出来ない状態になっている場合もあり、この状態の格差や個人差が地方や都市部において顕著になる前に何らかの対策を打たないと“自分の利益のためなら人を傷つける事もいとわない”という考え方が社会全体に芽生え、幼少期からいじめなどが発生したとしても自分で解決する事を求められることや家庭によってはこの事に対して“あなたが悪い”・“あなたがいけない”など世間体や自己防衛のために子どもに我慢をさせることや“あなたが悪いのだからあなたが○○さんに謝ってきなさい”など子どもに落ち度も過失もないのだが、問題を大事にしないために被害者側が折れて、加害者側が守られるという事例も多く存在している。
日本社会というのは序列型社会である事から“上のミスは下がカバーするのが当たり前”や“自分たちに落ち度がないなら謝らなくていい”など個人もしくは組織の社会的立場によって実際に取れる選択肢が増減するため、この事が子ども社会にも影響を与えているという状態になる事で大人社会と子ども社会が連動していると考える事も出来るのだ。
そして、子ども社会で起きたトラブルや問題で相手が地域などで大きな影響力がある家庭だった場合に仮にこちらが悪くなくても謝罪を強要されることやこの事が学校等に飛び火した場合にその家庭と学校との関係が強固である事やこのトラブルによって学校側に不利益が被る可能性がある場合も穏便に解決するために泣き寝入りや子ども同士で和解をさせるなど大人社会のパワーバランスや序列などが子どもの問題解決や社会的指導にも大きく影響してくることになるため、このような体験・経験をしている人が成長していくと次第に社会に対する不信感や人間関係構築や社会適合性に影響を与えるなど社会にとってはすぐに問題視されることではないが、中長期的な視点で見るとかなり問題視されなくてはいけない状態になる事を覚えておかなくてはいけないのだ。
これは現在の日本において事例数や発生件数が少ない事からあまり社会に浸透していない考え方だが、幼少期から人間関係を構築する訓練はしているが、人間関係がある程度構築出来たあとに他の人とどのように相互関係性を作っていくか、そこから関わる相手を広げていくかが子供たちの人間関係に大きく関わってくるのだが、この部分を社会においては統一基準のように“○○さんのお子さんと関わると良い事があるのではないか”や“○○さんのお子さんは真面目だからお友達として大切にしなさい”など親の主観が子供たちに伝わることで子供たちがその通りに表現してしまうという状態になりかねないのだが、仮にこの状態になってしまったときに親の立場をどう考えるかという問題が出てくる。
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