第28話:見つからない解決法 ⑥

私はこの状況を変えないと将来的な課題を解決することは難しいし、これらの問題を解決するための土台を現段階で作らないと問題の深刻化や複雑化が急速に進行するのではないかと思っている。


 なぜなら、現在も育児や子育て世代に対する支援策やたたき台を決めているが、当事者からの聴取やこれまでの支援実績や支援履歴などに基づいて判断されている部分が少なく、私が必要だと感じているいくつかのポイントが反映されていないことや反映されていたとしても内容が不十分で個々に対して必要な支援が受けられる状況ではないという事が明白になっているのではないかと思うのだ。


例えば、“個人の状況を把握する上で必要な手段を土台として作れているのか”という部分がある。


 これは家庭における経済状況に基づく家庭経済能力(=世帯収入や税金等の公的支払いの可否等を判断するための基準)の有無や公教育における給食費等の月間支払い遅滞や教育機会の確保など家庭における子どもたちの学習機会の確保を優先とするポイントにおいて子どもたちの精神発達及び知識発達に影響が出ることで親からの虐待やネグレクト(=育児放棄)の発生や子ども自身が精神的に追い詰められてしまう事で自傷行為の発生と行動習慣の定常化といった親が傷つけたことで子どもが反動を自分で吸収するという状況になる前に対処できる方法や手段が政府を含めた公的機関によってどの程度作れているのかを可視化し、支援開始基準の見直しや個別対応開始時期の前倒しなど親だけにフォーカスをするのではなく、子ども本人やきょうだいなど周囲の精神状態や行動観察による異変・不審点を認めた場合には子どもから先に支援を開始する事も必要になるだろう。


 そのうえ、現在は親の状態で子どもたちが受けられる支援が決まってしまうが、この観点を年齢制限による“親子分離”を基本とした支援策を新たに検討することで現在の児童手当の対象年齢よりも上の子どもたちに経済的困窮が発生した場合に自治体が状況を把握し、子どもたちの就学機会の確保や就労不能の回避など子どもたちが被る可能性のある経済起因による個別選択や個別能力拡充機会の喪失など社会的支援が必要になる観点が多く存在する。


 しかし、現行では基本的には進学に関しても“家庭判断”が基本となっており、本人の意思で進学をしたいという意欲があったとしても家庭における経済的困窮による進学断念や進路選択の切り替えなど本人の意思を十分に尊重出来る社会ではない事から無意識のうちに精神的に追い詰められてしまう可能性やこのような状況が子どもたちの先見性を失わせ、自殺や不登校等につながる原因につながる心理的要因になっているのではないかという推察が成立する。


 一例として、現在は大学など高等教育に進学することが社会的には一般的になりつつあるが、若い世代の進路選択が難しくなっているなど“社会から求められる進路”という観点から考えるとこの条件をクリアできるのは選ばれたごく一部の学生だけであり、これらの選択を出来なかった学生にとっては“就職”や“社会的イメージ”・“個人ブランド”などこれから生きていく過程におけるあらゆる観点において本人が不安になり、その不安を周囲に明かすことが出来ない人が自傷行為や他傷行為を引き起こす状態に発展し、学校生活が楽しめないという可能性も高まるのだ。


 そのうえ、現在の子どもたちが犯罪行為を起こす原因や自殺する原因として“進路の悩み”や“学習の悩み”など将来の自分自身の生活形成に関わる部分や“将来的な所得の悩み”・“他者比較”や“他者評価”という本人がこれまで周囲から行われていたもしくはこれから行われることに対しての不安などこれまでの認識ではカバーできない状態まで悪化している可能性を想定した支援体制やその評価を得たときに代替的な手段でこれらのパーソナルギャップを埋める事が出来る場合には良いが、相手によってはこれらのギャップが大きくなることでギャップが埋まらない、状況が好転することも改善することも見られない状態になり、自殺を検討する段階や自傷が軽微な行為から重度の行為に移行し、時間をかけて精神的にも心理的にもひどくなることや多角的な視点から考えると、人を傷つける行為には①自身の精神衛生上の自己防衛心理の発生②傷つける相手が自分の事を妨害もしくは将来的に危害を加えられる可能性があると思ったときなど発生パターンがいくつもあることから発生するきっかけを掴むことがかなり難しいともいわれている。

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