第23話:見つからない解決法 ①

現在は簡単に人を傷つけられるだけでなく、1つの表現が相手にとっては傷つくことにつながる、過去の出来事をフラッシュバックさせてしまうという懸念に繋がる事もある。


 そのうえ、現在は越権行為やトラブルなどが多発する要因として“お互いの理解不足”や“ルールや規約などの正当性と個人保護の不十分”など個人と企業もしくは個人と社会における問題など挙げるとキリが無いが、これらの小さな問題やトラブルが大きな問題やトラブルを引き起こす種になっている事が多い。


 特に日本の場合は個人よりも企業のほうがパワーバランスを考えた時に強くなっており、裁判などを起こしても勝訴しやすい状況が出来てしまっている。


 そして、社会であってもマジョリティの考え方が正しいとされているため、新しい価値観や一部の価値観で物事を進めようとするとうまく進まないのはこの影響もあるが、新しい価値観を第三者がどの程度理解し、その価値観をどのように現状の社会構造に組み込んでいくかを考えなくてはいけないのだ。


 しかし、日本においてはこれらの考え方があまり存在せず、自分のこれまで過ごしてきた価値観が尊重されやすくなっているため、異なる価値観に対して反抗的な考え方を持つことも少なくない。


 なぜなら、これも“年功序列”や“上下関係”から来る考え方だと思うが、人が持っている基本的な考え方として“自分が経験したことが正しい事であり、自分が知らない事は間違っている事だ”という自己正当性が高い考え方をするため、若い世代が新しい価値観を持っていたとしても親が“そんなわけないでしょう”というと子どもたちが混乱するのは自分たちが体験・経験したことに対して親の体験・経験と異なっている事や親が体験・経験したことがない事で子どもたちだけが経験している事に対して疑問に感じる事や社会において親の方が子どもよりも立場が上であるというしつけや教養習得の際に“年長者を敬いなさい”という指導を受けるため、親が子どもに対して否定的な言葉を使うと子どもの脳が“反抗してはいけません”という信号を出して、子どもが親に対して反抗する事を止めさせ、同時もしくは数秒経ってから異なる信号が出て、子どもの脳が“あなたのためを思って言っているのだから親の言葉を受け入れなさい”という1種の洗脳状態に近い精神状態になる事もある。


 これがいわゆる“ペアレント・コントロール”という親の考え方が子どもたちの考え方と異なった場合に子どもたちが多角的な視点や多様な価値観を受け入れるために得てきた手段や方法を親が親の自己解釈に合わせるように強要する行為であり、状況によっては親のやり方が子どもにとって正しいと洗脳する“ペアレント・マインドコントロール”が発生する場合もあるため、子どもたちの正しい発達が阻害される可能性もある。


 これがいじめなどのきっかけに繋がる事や子どもたちの人間関係において関わる人を選択する際に親の価値観を優先させることで相手から交流したいと思って近づいてきたとしても親が認めた人以外は関わってはいけないと思い込むことで人間関係が狭まってしまうことや1つの挫折がストレスになり、子どもの自殺などを誘発するきっかけになると思っている。


 現在は各課程で1人1人がふるいに掛けられるかのように能力で将来的な進路や就職選択肢などが決まっていく現状が出来ており、この状況が改善しない限り人を傷つける事や攻撃的な言動による誹謗中傷は止まらないだろうし、よく言われているのが、日本において“全員が異なるプロセスを経たとしても最終的なゴールは変わらない”という解釈をする人も多いが、現在の社会において異なるプロセスを取った場合にそこからこぼれてしまった人が将来的な就職先としての選択肢が狭まらない事が求められるが、現状を見ていると以前に比べて悪化しているか、悪化しないまでも難しい選択を迫られているために個人の向上心にばらつきが出ている事も少なくない。

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